アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド 2023年秋冬
Image by: Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood
「アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)」の2023年秋冬コレクションのショーがパリで開催された。昨年12月に創業者のヴィヴィアンがこの世を去り、初めて発表されるコレクションとなった。
ヴィヴィアン亡き後、初のコレクション
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夫でありブランドのクリエイティブ・ディレクターであるアンドレアスは、1988年に大学の教師と教え子という関係でヴィヴィアンと出会い、翌年から共にコレクション制作を始めた。二人は1993年に結婚。2016年より「ヴィヴィアン・ウエストウッド ゴールド・ レーベル(Vivienne Westwood Gold Label)」が「アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド」へと改名された。
彼女の軌跡に思いを馳せて
今回のコレクションノートには「あなたの読みかけの本を読んでいます。一緒に何度も聴いた音楽を流しています。今の私の望みはあなたをこの膝の上に抱え、そして、私の鼻であなたの顔を撫でること」と、最愛の妻を亡くしたアンドレアスの心情が紡がれている。
そして「これからお見せするすべてのものは、あなたと、あなたがどこからやって来たのかを考えたもの」とも記されていた。今回アンドレアスは、以前ヴィヴィアンと製作して「二人で大笑いした」という、フロントを引き上げた「マスターベーションスカート」を復活させ、彼女のお気に入りだったペチコートスカートのバリエーションを展開した。
夫婦で集めたアンティーク生地
ファーストルックには、ヴィヴィアンのポートレートをあしらったトップスが登場。パンクスタイルの髪型や悪魔のツノのティアラ、コルセットをフィーチャーしたルックも復活した。さらにクチュールの要素を加え、見応えのあるブリティッシュスタイルが完成。ヴィヴィアンを知り尽くしたアンドレアスならではのクリエイションとなった。
そして、かつて二人一緒に集めたという17世紀のアンティーク生地を使ったルックも目を引いた。キルトやギンガム、トワル・ド・ジュイといった多様なテキスタイルがミックスされ、華やかなハーモニーを生み出す。
「プラットフォームシューズだけは残して」
また、コレクションノートの中で、かつてヴィヴィアンが「すべてを奪ってもいい、ただ私のプラットフォームシューズだけは残して欲しい」とアンドレアスに伝えたことも明かされ、彼女のシグネチャーであった厚底靴は今回のショーでもキーアイテムとなった。
強い個性を放つモデルたち
また、性別や年齢、人種にとらわれない多様なキャスティングも今回のショーの見どころの一つ。ジェンダーレスかつエイジレスな装いが多くの人の共感を呼びそうだ。
孫娘が受け継ぐ、パンクなスピリット
フィナーレでは、ヴィヴィアンの孫娘であるモデルのコーラ・コーレ(Cora Corre)が花嫁姿でランウェイを歩いた。白いレースのロンパースとプラットフォームブーツを合わせ、まさにパンクスピリットを体現したスタイルとなっている。
「あなたが教えてくれた一番大切なことは、女性に敬意を捧げることだったのかもしれません」。コレクションノートの中でアンドレアスがそう明かしたとおり、ヴィヴィアンブランドをまとう女性たちはこれからも誇り高く、強い信念を貫くだろうと予感させるショーとなった。
ゴルチエや仲里依紗も来場
会場にはジャン=ポール・ゴルチエ (Jean Paul Gaultier)、ホールジー(Halsey)、ジャレッド・レト(Jared Leto)、ジュリア・フォックス(Julia Fox)、ジョージア・メイ・ジャガー(Georgia May Jagger)ら豪華ゲストが来場。日本からは仲里依紗(Riisa Naka)が華やかな装いでショーに駆けつけた。
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