
「ディオール(DIOR)」新作コスメの発売に合わせ、同ブランドのメイクアップ クリエイティブ&イメージ ディレクターを務めるピーター・フィリップス(Peter Philips)が来日した。
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販売中の「ディオール フォーエヴァー」新作ベースメイク、および9月4日に発売する「ルージュ ディオール オン ステージ」の新しいラインナップついて、開発のバックグラウンドや、商品に対するピーターの思いをインタビュー。

◾️ピーター・フィリップス | ディオール メイクアップ クリエイティブ&イメージ ディレクター。2014年に就任以来、キャンペーンビジュアルやショーのメイクアップ、製品開発、スタッフトレーニングまで、メゾンのメイクアップイメージを牽引。
Image by: DIOR
目次
新パウダーは肌に"溶け込む"粒子

(左上から時計回りに)「ディオール フォーエヴァー オン セット パウダー 00」、「01」「05」「02」
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⎯⎯ まずは7月に発売したルース パウダー「ディオール フォーエヴァー オン セット パウダー」から、アイテムの魅力やこだわりを教えてください。
パウダーは柔らかな肌触りの球状粒子と透明感をもたらす板状粒子が組み合わさっているのが特徴です。肌にのせると溶け込むように密着し、シルクのようなベルベットの感触とともに美しいブラー効果をもたらします。ウォータープルーフ処方と皮脂吸着効果で、ファンデーションのロングラスティング効果をさらに高める役割も担っています。
日本では4種のシェードを展開します。「00」が最も白いトランスルーセント、「01」がフェア、「02」がライト。そしてアジア限定のルミナスシェード、クリスタルピンクの「05」が加わります。この05には、グリーン、ブルー、ピンクといった色とりどりのパール剤を配合していて、くすみを払いながら肌を華やかに輝かせる唯一のグロウ フィニッシュです。全シェードにヒアルロン酸を配合しているので、重ねるたびに肌への栄養補給にもなります。
⎯⎯ 5月に発売したメイクキープミスト「バックステージ エアーフラッシュミスト」との併用もおすすめとのことですが。
メイクアップの合間や仕上げに使えるのが、このミストです。微細なミストで使い心地もよく、昼間にメイクがくたびれてきた時にも、ひと吹きでメイクを復活させてくれます。撮影やショーの現場だけでなく、日常のポーチにも入れていただきたいアイテムです。
「ファンデの仕上がりを格上げする」 プライマーの新展開

(左から)「ディオール フォーエヴァー スキン ヴェール」、「ディオール フォーエヴァー ベルベット ヴェール」
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⎯⎯ パウダーと同日にメイクアップ ベース「ディオール フォーエヴァー スキン ヴェール/ベルベット ヴェール」も発売されました。
グロウ質感のスキン ヴェールは真珠のような輝きのパール剤が配合された、セラムに近い質感です。SPF50・PA+++で、UVケアとメイクアップをシームレスにつなぐ存在として位置づけています。下地として塗布したスキンケアとの橋渡しをしながら、その上にのせるファンデーションの仕上がりも引き上げる。そういった「格上げ効果」を狙いました。
一方、マット仕上げのベルベット ヴェールはSPF15・PA++ですが、ノントランスファー性能(マスクや衣類に色移りしにくい性能)があり、毛穴の目立ちを抑える効果もあります。共通して言えるのは、どちらのメイクアップ ベースも1日を通してシェードを安定させ、乾燥肌などムラになりやすい肌質でも美しい仕上がりを持続させるということです。
⎯⎯ 仕上がりの質感によってSPFの値が異なるのには、どんな理由があるのでしょうか。
質感によってフォーミュラの設計が異なるためです。SPFを高めようとすると、フォーミュラの構成上、仕上がりの色合いにも影響が出てしまいます。また、マット質感ではノントランスファー性能を実現できる一方、グロウ質感の「スキン ヴェール」は、その質感の特性上、同じ設計にはできませんでした。
そのため、SPFの値を極端に高めるのではなく、マットとグロウ、それぞれの質感の魅力を活かしながら、仕上がりとのバランスを取ることを重視して設計しています。
「フォーミュラに恋してほしかった」 ルージュ ディオール オン ステージの新作

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⎯⎯ 来る9月4日、「ルージュ ディオール オン ステージ」にマット フィニッシュが登場します。昨年発売した同シリーズの「シャイン」に続き、待望の第2弾ですが、今回はより鮮やかなカラーラインナップです。
2025年にローンチしたグロウ仕上げの「シャイン」では、ヌードやウォームベージュ、ローズウッドといった使いやすい色を選びました。この時にあえて派手な色をはずしたのは、インパクトのある色を出してしまうと、人はその色に目が行ってしまい、フォーミュラの革新性に気づいてもらえないから。まずはとろけるように柔らかいこのフォーミュラに恋してほしかったからこそ、誰もが手に取りやすいシェードからスタートしたのです。

ルージュ ディオール オン ステージ 222 コンフィデントヌード シャイン
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その戦略は奏功し、シャインは大きな成功を収めました。第2弾となる今回は、リップスティック「ルージュ ディオール オン ステージ」のマット フィニッシュと、リキッドルージュ「ルージュ ディオール オン ステージ インク」の2種のフォーミュラを発売します。よりカラフルなシェードを展開したのは、フォーミュラの良さが広く知られた今だからこそ、色でも存在感を示せると判断したからなんです。
スティックタイプ、リキッドタイプそれぞれのフォーミュラ
⎯⎯ 新作リップ2種は、フォーミュラによって設計が異なるとのこと。まずはスティックタイプのルージュ ディオール オン ステージのマット フィニッシュから、その特徴を教えてください。
「二相式(ダブルフェーズ)」という概念はシャインと同じです。フォーミュラは非常になめらかで、ドライな感覚がまったくありません。日本では6色を展開します。特に「358 ピンク ショウ マット」が日本チームから高い支持を受けています。






110 マグネティック ヌード マット
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⎯⎯ リキッドタイプのルージュ ディオール オン ステージ インクはどうでしょう。
特筆すべきは花びらをかたどったアプリケーターを専用に開発したこと。中央にわずかなくぼみがあり、そこに1回分のリキッドが溜まる構造です。
仕上がりのイメージは、水の中に落としたインクが自然に広がっていく様子に似ています。ソフトな輝きを持ちながら、コントロールされた端正さも兼ね備えている。一度の塗布ではナチュラルなリップステインに、そして重ねるごとに深みと存在感が増していく。例えばスターシェードのレッド「999」であれば、透明感のあるフレッシュなレッドから、深みのあるドラマティックなレッドまで、同じ1本で表情を変えられます。








999
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⎯⎯ スティックタイプはダブルフェーズによってドライな質感を抑えたとのことでした。リキッドタイプにおいても乾きやすさを改善するアイデアはありましたか?
従来のマットリップが「乾く」という弱点を持っていたのは、色素(ピグメント)の配合によるところが大きい。今回リキッドタイプに採用したのは「ブラーリングジェル」という発想です。ピグメントではなくジェルがなめらかさを生み出すので、つけていることを忘れるほどの軽さと快適さが実現しました。誰もが1日中気持ちよく過ごせる質感を作りたかったのです。
トレンドは「使う人が作るもの」 ピーター・フィリップスの美学
⎯⎯ 今回のリップコレクションは、2026年のビューティトレンドにも関与しているのでしょうか。
正直に言うと、コレクションを作るとき、私はトレンドをあまり考えません。流行は常に変わり続けるものですから。私が向き合うのは、トレンドを追いかける人たちだけでなく、ただ美しくありたいという願いを持つ、もっと広い層の人々です。
そして私の責任は、質が高く、魅力的な商品を生み出すことです。どれほど話題性のある色でも、誰も使わなければ意味がない。エンターテインメントにはなっても、生活には根付かない。だからこそ、2025年の「ルージュ ディオール オン ステージ シャイン」開発時には、幅広い人が手に取れる使いやすいシェードでスタートすることにこだわりました。トレンドは、使う人たちが作るものなんです。
⎯⎯ 日本での展開においてコレクションの色数を絞ったのも、その考えからですか。
そうです。カウンターで何十色もの中から選ぼうとして途方に暮れた、という声をよく聞きます。だから、温色と寒色、深いトーンと淡いトーン、ローズウッドにコーラル、ピンクとバランスよく揃えながら、シェード数は絞りました。
⎯⎯ 最後に、ルージュ ディオール オン ステージの今後の展開について教えてください。
コレクションはここで終わりではありません。次はより大胆なシェードや、より繊細なシェードも加わっていく予定です。
そして私の基本的な考えは、先ほども話したように、トレンドは商品を手に取った人たちが作るものだということ。メイクを愛し、遊び、発信する人たちがこのフォーミュラを使いこなしながら、自分たちのトレンドを生み出してくれる。私はただ、そのための道具を誠実に作り続けるだけです。
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