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アンダーカバー プロダクション苦悩の1年──初の映画『UNDERGIRL』制作秘話を語り合う

聞き手&文小湊千恵美

UNDERCOVER PRODUCTION

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Image by: FASHIONSNAP

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 愛と哀しみの戦士『UNDERMAN』を覚えているだろうか。「アンダーカバー(UNDERCOVER)」から2011年春夏コレクションを通じて登場した架空のヒーローだ。特撮撮影によるヴィジュアルや、後にフィギュアが発売されるなど、カルト的な人気に。その誕生から約15年後の2026年、UNDERMANの世界が実写版となって帰ってきた。

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 新作映画『UNDERGIRL』の制作は、高橋盾、永戶鉄也、守本勝英、水谷太郎を中心とする「アンダーカバー プロダクション(UNDERCOVER PRODUCTION)」。それぞれデザイナー、アートディレクター、フォトグラファーとしてファッション界におけるトップランナーである4人だが、初の長編映像は一筋縄ではいかなかったという。UNDERMANの後を継ぐUNDERGIRLはどのようにして生まれたのか。1年以上にわたる苦難の道を、4人が振り返る。

高橋盾 UNDERCOVERデザイナー:1969年、群馬県桐生市出身。UNDERCOVER PRODUCTIONの創立者で、映画『UNDERGIRL』では制作総指揮を務めた。

永戶鉄也 アートディレクター:1970年、東京都出身。UNDERCOVER PRODUCTIONのCEO。高橋とともに『UNDERMAN』のデザインに携わり、映画『UNDERGIRL』では共同で脚本・演出を手掛けるとともにアートディレクションと面彫刻を担当した。

守本勝英 フォトグラファー:1974年、神奈川県出身。UNDERCOVER PRODUCTIONのクリエイティブ・ディレクター。アンダーカバーの写真集『GRACE』や『UNDERMAN』を撮影。映画『UNDERGIRL』では共同で脚本・演出を手掛けるとともに、監督を務めた。

水谷太郎 フォトグラファー:1975年、東京都出身。UNDERCOVER PRODUCTIONのエグゼクティブ・ディレクター。映画『UNDERGIRL』では共同で脚本・演出を手掛けるとともに、撮影を担当した。

(左から)水谷太郎、高橋盾、守本勝英、永戶鉄也

通ってきた道、影響を受けたもの

──本作は構想から1年以上かけて制作したとのことですが、いつ完成したんですか?

高橋盾(以下、高橋):いや、まだ出来上がっていないですね。※取材日は8月28日

永戶鉄也(以下、永戶):むしろ、公開しても未完成かも……。※公開日は9月14日

水谷太郎(以下、水谷):モーリー(守本)のディレクターズカット版が永遠と続くんじゃない(笑)。

守本勝英(以下、守本):映画『宮本武蔵』(1961年)ばりにリマスターしますか。

──(笑)。今日は映画談義ということで、まずはみなさんの好きな映画や映画監督などを教えてもらえたらと思います。

水谷:僕は、濱口竜介監督ですね。同時代の日本映画のなかでは、どれも興味深い作品で印象的です。まだ『ハッピーアワー』(2015年、5時間17分の作品)を観れていないので、気になってます。

守本:昔の映画だと単館上映が流行った頃にたまに見ていたのですが、監督で言うとゴダールとかはオシャレとして結構好きでした。あまり思想的な観点では見ていなかったですけど……。あとは、ポール・トーマス・アンダーソンも好きです。

高橋:ポール・トーマス・アンダーソン、俺も見てる。

永戶:みんなそっちが好きだけど僕はこっちって、ちょっと捻くれたところもありますね。

守本:『スパイダーマン』は1作目(2002年)じゃなくて、駄作とも言われていた2作目(2004年)の方がいい、みたいな。

水谷:マーベル系、僕も好きですよ。

高橋:そこは全然(笑)。

──みなさんは、ほぼ同世代と言えるかと思いますが、通ってきた道は少しずつ違うんですね。

水谷:やっぱり盾さんと鉄也さんは、僕とモーリーより5歳くらい上だから、特撮の世代じゃないですか。

永戶:特撮ヒーローものは、映画よりもテレビのオンタイムで見てましたね。次の日に学校で友達と盛り上がって、それが遊びと結びついて、おもちゃとかのマーチャンダイジング(=商品化戦略)に、まんまと染められて……。

高橋:そう。変身ベルトから、お菓子についてるカードから、もう全部欲しかった。

守本:ちょっとの歳の差なんですけど、わりと影響を受けたものが違うんですよね。例えば漫画でいうと、盾さん世代は『マカロニほうれん荘』(1977〜79年連載)とか?

高橋:めちゃめちゃ影響を受けてます。

永戶:僕は盾さんの1歳下なんで、読んでいた記憶があるのは“奇面組”(『3年奇面組』1980〜82年連載、『ハイスクール!奇面組』82〜87年連載)の方かな(笑)。当時80年代の映画だと、『ET』、『ポリスアカデミー』、『グーニーズ』、あとはジャッキー・チェンとか?

高橋:そこらへんを俺は見ていなくて、興味があったのはATG(日本アート・シアター・ギルド)。日本のヌーヴェルヴァーグがATGだとしたら、その横でポップスと芸能界とロック界を行き来している内田裕也さんがいて、俺はちょっとそっちにハマっちゃったんですよ。裕也さんも80年代に映画を作っていたし。

永戶:アンダーグラウンドも含めて面白い時代でしたね。

高橋:70年代後半から90年ぐらいまでの間って、音楽も映画もすごい変動がありながら、ポツポツとあった支流が混ざっていくようなイメージなんですよ。俺はその中でも80年代のムーブメントが好きなんだけど、芸能と音楽とアートの核にいたのは裕也さんじゃないかと思っていて。音楽界には近田春夫さんがいたり、派生してYMOやチェッカーズ、キョンキョンとか、それらが全部混ざっていくという。その源流が好きだったというか。

守本:当時の若者としては珍しい方向性だったんじゃないですか。

高橋:まあ、共感できる人は周りにいなかったね。それとやっぱり、映画の世界でいうと松田優作さんかな。『野獣死すべし』(1980年)という作品が一番好きだから。

UNDERMANは龍平しかいない

──今回の映画には、松田優作さんの息子である松田龍平さんも出演しています。15年前にアンダーカバーから登場したヒーロー、UNDERMANを演じていますね。

高橋:UNDERMANのイメージは龍平だなっていう話を、前からしていたんですよ。本人も、ふざけ半分ですけど「俺しかいないでしょ」という感じもあったからね。2011年春夏のUNDERMANは写真だけの発表だったから、映像化したいという話をした居酒屋の席にも、俺とモーリー、龍平がいて。物語がある映像を撮りたいと、モーリーに相談していたんです。

20XX年、人々の心が悪の組織に奪われた、からっぽの世界。その奪われた心を取り戻すために生まれたUNDERMAN。哀と戦いの日々は続く。©UNDERCOVER

UNDERCOVER 2011年春夏ウィメンズコレクション

2011年春夏コレクション

UNDERCOVER -Women's-

2011 SPRING SUMMERルックブック

守本:その居酒屋の帰り道に、「“UNDERGIRL”がいいんじゃない?」という感じで、ポンと出たのを覚えていますね。でも、「いや〜、これは総力戦だぞ」ということで、すぐにアンダーカバー プロダクションの“飛車角”(=永戶、水谷)を呼んで。

──アンダーカバー35周年記念のコレクション(2025-26年秋冬「but beautiful 4…」)を発表した後でしょうか。

高橋:次はファッションショーじゃなくて映像で発表できたら、というのが“映画”という構想の最初のきっかけだったんです。透明で光るドレス(2024年春夏「Deep Mist」)のような、象徴的な服を着た人が森をさまよっているといったイメージで、最終的に服を見せるという。

永戶:4人で集まって話したのは、去年の春くらいか。そこから、何度も打ち合わせをして。

高橋:大筋のストーリーは、最初の頃にはできていましたね。

──守本さんが映画監督を務めたのは初めてですよね。やっぱり、見るのと作るのとでは……。

守本:全く違います! ある程度の予想はありましたけど、その何倍も、1周どころか3周くらいするぐらい違っていました。

高橋:まず、龍平に聞いたからね。「映画ってどうやって作ってるの?」って(笑)。周りにいる“映画人”といったら、龍平だからさ。

水谷:それで1回目の撮影が、去年の9月の3日間。当初は、1ヶ月後に公開するようなイメージだったんですけど……。

高橋:撮影スタッフが集まって、いざ現場に入った時に「ああ、映画ってこういうことか。俺はこういうことを始めちゃったんだ」と、現実をまざまざと突きつけられて。

水谷:正直、「やべえ」と思いました(笑)。要は、映画としての撮影の仕方というか、密度の高め方みたいなものを、僕らはどこかわかっていなかった。

守本:撮影している太郎くんに「監督はオッケー出す人だからね、わかんないって言わないで」って言われたから、「ハイ、オッケー!」と言ってたけど。

永戶:本当にオッケーなの? って疑い始めて(笑)。それぞれみんな、“OK”の概念が違うという。

高橋:なんか龍平が必殺技を繰り出し始めた時とか、一瞬「あれでいいの?」ってなったよね。

守本:盾さん、「これがオッケーなのかわからない」と言って、一回現場から立ち去っちゃった。

高橋:それでいうと結局、わかっていたのは龍平なんだよ。崖の上に現れたシーンなんか、手がブラーンと揺れててさ、言ったらヒーローらしくない立ち方。犯罪者の役だったっけ? という雰囲気だったんだけど、でもあの姿を見た時に「これだ」と思ったね。完全に俺らの考えているヒーロー像だって。彼、わかってんのよ。すごくない? 

水谷:あの立ち姿に助けられていましたね。スタッフからしたら「龍平さんの顔が映っていないんだったら、無理させる必要なくない?」って本来、崖の上とかはボディダブル(=代役の俳優)を使ったりするんですけど。

高橋:さすがにアクションシーンはスタントの方にボディダブルで入っていただいて、演技としてはキメキメでカッコいい。でも、そうじゃないんだよ〜。

守本:もっと下手にしてください! って指示も、なかなか出しづらく……(笑)。

高橋:これが僕らの感覚なんだけど、普通わからないですよ。“らしからぬヒーロー像”というのを、龍平が体現してくれたんですよね。

絶望からの光

──ある意味、“映画人”ではない制作メンバーからこそ、独創性が生まれていった。

水谷:でも、最初の3日間ほとんど寝ずに撮影して、そのあと編集が始まった時、モーリーがすごい絶望的な顔をしていたのを覚えてますよ。

守本:撮った素材を料理して、どんなアレンジしても無理。「マジで出せないかも」みたいな状態だったから。

永戶:本筋が見えないというか、3日間で撮ったものでは足りなかったんだよね。

高橋:だから追加で撮影を組んで、それこそ予算の工面とかも。そこからがリスタート。

水谷:解像度をめちゃくちゃ上げないとって、細かく整理していった。そうしたら今度は逆に、解像度を上げ過ぎて説明的すぎるものになりそうで。追撮の初日の夜、クッタクタの中、4人で話し合いましたね。

高橋:アンダーカバー プロダクションが持っている味を、どこでどう出して、物語の説明的な部分を中和させ、映像として見せることができるのか。

守本:各シーンを詰めていく作業だけでも手一杯だったんだけど、4人で話し合ったことで、少しずつ道ができていった。あとは永戶さんが持ってきた、あの“光線”のシーンですよね。それによって光が見えた。

高橋:うん、“らしさ”が入った。

──本作のメインヴィジュアルにもなっている、主人公の息吹ユリ(役・中島セナ)の重要なシーンのことですね。

メインヴィジュアル(中央:中島セナ演じる息吹ユリ)

永戶:あの案を出した時、みんなに「ありがとう」って言われたから(笑)。

水谷:粘らなかったら、そのまま終わってしまっていたかもしれない。それくらいギリギリのタイミング。

高橋:コネクト、対話、精神的なつながり、そういう表現が生まれた。

永戶:ジョニオさん(高橋)と15年前にUNDERMANのデザインをした時に、目の部分をスリット状にしたから、光線のシーンはそれが活きたかな。僕の中では『とんでも戦士ムテキング』(1980〜81年)のイメージなんですよ。

高橋:あと、『ウルトラQ』(1966年)感もあるね。

非暴力で戦うこととは

──ストーリーとしては、UNDERMANの娘・息吹ユリが、父の後継者であるUNDERGIRLとなるまでが描かれます。UNDERGIRLの方は、どんなヒーロー像なんですか?

水谷:あくまでも、非暴力。

守本:それって、僕らの世代ではなかなか難しいヒーロー像ですよね。ある種、暴力というか戦って悪い敵を倒すという型が定着しているヒーロー像で育ってきたので。

高橋:そう、うちらは結局、ウルトラマンシリーズとかからの影響が、気づけば一番でかい。ただ、その中でも実相寺昭雄監督が描いていた、悪や戦いとは別の軸もあるんですよ。戦わずしてどう対峙するか。非暴力で戦うこととは。

水谷:昭和と今の時代背景の違いも、目の前に突きつけられている感覚がありました。

高橋:俺の中では最初から、空(くう)の思想というか。無常とか、ガンジーの思想とかもそうですけど、戦う戦わないとかじゃない世界だった。実体のない部分をどう描くか、というところでした。

──約15年前に誕生したUNDERMANの秘められた部分、精神的な側面についても描かれていました。

高橋:僕が仕事でアメリカに行っていた時にも、ずっとアンダーマンのことを考えてたな。ホテルで出生のシーンのコンテを描いていたんですよ。胎児から子ども、大人になって、光線を手に入れて……。

永戶:アニメ案ですね。でも結局、ほとんどお蔵入りに……。

水谷:もう、アナザーストーリーだらけ(笑)。

守本:メタファーにメタファーを重ねて、わかんなくなっちゃうというカオス。

高橋:だから、いろんな解釈で見ることができる作品になったと思いますよ。

水谷:絵作りに対しても、音に対しても、これだけこだわりの強い人たちが集まっているわけだから。傷つきながら前に進んで、その中でひとつの形ができあがったというのは、大きいことですよね。

守本:例えば『時計仕掛けのオレンジ』(1971年)って、結構ホラーとかエロス、バイオレンス、コメディータッチ、ドラマ要素とか、全部入ってるじゃないですか。あれ見終わった時の「何だったんだろう」という感覚に近いかも。

永戶:めちゃくちゃオルタナティブというか。

水谷:最後、なんかわかんないけど感動するっていう。「なんで感動したんだっけ?」みたいな(笑)。見たことのない類のものになっていると思う。

永戶:これが、ファッションブランドだっていうね。

守本:そう、ファッションなんですよ。

“服”ではなく“ファッション”

高橋:ファッションなのか何なのか、どう見ていいかわからないのもポイントだと思う。ウェス・アンダーソンが撮った「プラダ(PRADA)」のショートフィルム(2013年『Castello Cavalcanti』)とか、ちゃんと映画だし、ちゃんとファッションだったよね。あれ、すげーカッコいいなと思っていたんだけど。

守本:いろんな意味で、こっちの方がすごいでしょ(笑)。

高橋:日本人にしか表現できないこともあるのよ。

水谷:カッコ悪いことのカッコ良さっていうか。

高橋:「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」っていう早川義夫さんの言葉もあるし。自分は昭和の特撮の世代で、更にいろんなものを見てきた上で、なぜかファッション界に入って。それでできたのが今回の映像だっていう。どこの世界のデザイナーもファッションブランドもクリエイターにもできないものが、ちゃんとできたんじゃないかな。

──尺は約1時間。いわゆる“ファッションムービー”というくくりとは、違うものになっていますね。

水谷:ファッションブランドのデザイナーは服を作る人だけど、“服”と“ファッション”という言葉は、なんか違いますよね。いつの間にか“服”を指す言葉になりすぎてるな、という感覚があるんです。ファッションって、どこか薄くて浅はかで儚いものかもしれないけど、圧倒的に興味があって本人たちが面白がれるというのが、僕はいいなと思う。

高橋:本当に。自分たちはカルチャーありきのファッションで育ってきて、ファッションってそういうものだと思っているから、それを伝えていきたいと思って作った映画でもある。もしかしすると、服だけでファッションを表現している人たちにとっては、「何やってんの?」と思われるかもしれないけど。

永戶:海外の人とか、アンダーカバーのファッションムービーだと思って見始めたら、どう思うのか気になりますね。序盤から「あれ?」となるか、純粋に面白がってもらえるか。

高橋:アンダーカバーの服は出てくる。でも、服だけを見せたいわけじゃなくて、カルチャーを含めて見せたい。だからファッションは、見るというよりも感じてもらえればいいというか。アンダーカバーってそういうブランドだよねって思ってもらえたら。

守本:今は誰でも動画が撮れるけど、ショートムービーだと心に残るものは、なかなかないですからね。もしかしたら今回作ったものも、いわゆる“映画”っていうものでもないかもしれない。“塊”を生み出した、という感じに近い。

高橋:次、またやりたいね。やりたくない? 映画とは限らないけど。

守本:あの作業はやりたくない(笑)でも気持ちとしては、やりたいです。

僕らはやっぱりダメな人間で未完成

──最後に、この制作を通じてみなさんが得たものは何でしたか?

水谷:僕が昔見た映画の撮影現場って、制作スタッフ同士がケンカするくらい意見をぶつけ合って、いざ「よーい、スタート!」が掛かった瞬間に、美しいファンタジーが広がるという。なんだか映画に取り憑かれてるかのように見えていたんです。でも、そうならざるを得ないというのがわかりました。写真だったら瞬間だけ切り取ればいいといった感覚があるけど、映画は全く逆。ある種の責任を背負うのは苦しさもありましたが、完成に近づくにつれて感動している自分がいた。僕も取り憑かれていたんだなと後から気づいて、これまでにない経験になりましたね。

守本:僕も普段、ファッションを中心に写真を撮っていますけど、そもそも“ファッション”という言葉があまり好きじゃないというか、どこか疑問や矛盾に思うところがあったんですよ。でもこの映画制作を通じて、ちゃんとファッションと向き合えたんじゃないかと思っています。自分たちなりのファッションの定義付けというか、まだ曖昧な部分もありますけどひとつの答えを出せたということが、僕にとって大きいです。

永戶:ふだん一人前の仕事をしているけど、僕らはやっぱりダメな人間で、未完成なんですよね。完璧な人間だったら、ただの綺麗な映画になっていたんじゃないかと思います。ただ単に精度を高くするのは、ある意味では簡単。そうじゃないことをする方が難しいというか。作って壊して、失敗からでしか生まれないこともある。もし次があるとしても、やっぱりダメなところから始まるんじゃないかと思うし、それが“らしさ”であり、良さなんだと捉えることができました。

高橋:自分がファッションを始めるきっかけになっている、音楽とかアートとか、それらの総合的なものが映画であり、ずっと憧れている世界でした。30年以上やってるファッションショーとは全く畑が違うけど、自分が表現したいことは変わらないという気持ちで、チャレンジすることができた。でも、甘く見ていた部分や、自分たちに足りないことに気付かされ、逆に自分たちにしかできないことを突き詰める経験を通じて、クリエイターとしてというよりも人間としてひと回り大きくなれた感覚がありますね。途中で諦めそうになって、みんなにどう謝ろうかと本気で考えていたけど、完成することができたから。この4人にしかない力が出せて、本当に俺はめちゃくちゃ良かったなと思っています。

UNDERGIRL
あらすじ:都市の哀しみを背負い、人々を守り続けてきたヒーロー、UNDERMAN。その娘・息吹ユリが、父の後継者であるUNDERGIRLとなるまでの物語。UNDERMANはある日、忽然と姿を消す。 残されたユリの前に現れる謎の使者・キコ。彼女に導かれたユリは、父の跡を継ぐという避けられない宿命と向き合い、数々の試練へと身を投じていく。

出演:中島セナ、松田龍平、水原希子、倍賞美津子

<一般上映>
期間:2026年9月14日〜9月20日
時間:平日 18:00〜 / 19:30〜 土日 14:00〜 / 16:00〜
場所:SPACE PART 3 by PARCO 東京都渋谷区宇田川町 20-11 渋谷三葉ビル7階
チケット:SPACE PART 3 by PARCO 特設Webページで販売
価格:2000円

最終更新日:

聞き手&文・小湊千恵美

Chiemi Kominato

FASHIONSNAP ファッションディレクター

山梨県出身。文化服装学院卒業後、アパレルデザイン会社で企画、生産、デザイナーのアシスタントを経験。出産を経て、育児中にウェブデザインを学びFASHIONSNAPに参加。レコオーランドの社員1人目となる。編集記者、編集長を経て、2018年よりラグジュアリー領域/海外コレクションを統括するファッションディレクターに就任。年間60日以上が出張で海外を飛び回る日々だが、気力と体力には自信あり。

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