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「ジバンシィ」のバッグに新展開 サラ・バートンとマルコ・デ・ヴィンチェンツォの対話が開く新章

2027年春夏コレクション

文・大杉真心

 「ジバンシィ(GIVENCHY)」は10月2日、クリエイティブディレクターのサラ・バートン(Sarah Burton)による2027年春夏ウィメンズコレクションを、パリのアンヴァリッド前の特設会場で発表した。今季は、「エトロ(ETRO)」の前クリエイティブディレクターであるマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)がレザーグッズのデザインを手掛ける初のシーズン。ファーストルックからドレスと新作バッグを連動させるなど、コレクションの随所にサラとマルコの対話が感じられるのが特徴だ。過去シーズンのモチーフを再構築しながら、遊び心と端正さを併せ持つワードローブを提案した。

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新作バッグ「カット」からスタート

 今季からジバンシィのレザーグッズを率いるマルコ・デ・ヴィンチェンツォ。「フェンディ(FENDI)」でアクセサリーデザイナーとしてキャリアを積み、自身のブランドを立ち上げた後、昨シーズンまでエトロのクリエイティブディレクターを務めた実績を持つ。

 新体制となった今季は、ファーストルックで新たなアイコンバッグ「カット(CUT)」を披露。マルコはサラの持ち味である大胆なカッティングやドレープ使いに着想を得て、ハンドル周りにジップを配し、内側にネオンカラーやビーズ刺繍のゼブラ柄を仕込んだトートバッグをデザイン。そのジップ使いとカットの発想はドレスやシューズにも広がり、服とアクセサリーをリンクさせている。

Image by: GIVENCHY

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”ずらし”を効かせたテーラリング

 ショーの序盤は、サラが得意とする“解体と再構築”が際立つ。前身頃をクロスさせたジャケット、脇を大きく開いたトレンチコート、襟を反転させたリバースラペルのコートなど、パーツの位置や向きを少しずつ変える“ずらし”によって、見慣れたワードローブに新たなバランスを生み出している。

Image by: GIVENCHY

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 光沢のあるサテンのペプラムジャケットにあえてデニムを合わせるなど、ドレッシーな要素とカジュアルな要素を掛け合わせたスタイリングが印象的だ。2本のパンツを重ねたダブルパンツやオールインワンも目を引いた。

Image by: GIVENCHY

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 過去シーズンとの対話も随所に見られる。デビューシーズンに登場した化粧品のコンパクトケースを無数にあしらったドレスを、ミニチュアで再現したネックレスや、コンパクトケースをバックルに用いたベルトを提案。過去のモチーフを異なるアイテムへと置き換えながら、遊び心を添えている。

葛飾北斎の浮世絵をドレスに

 後半は装飾性が高まり、素材の動きや身体のラインを生かした華やかなドレスが続く。オフショルダーに深いスリットを入れたレザードレス、全身をフリンジで覆った色鮮やかなドレス、金具をまとわせたドレープの美しいイブニングドレスなど、サラの持ち味である、ドラマチックで力強い女性像を印象付ける。

Image by: GIVENCHY

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 創設者アレキサンダー・マックイーンによる1998年春夏オートクチュールコレクションで着想源となった葛飾北斎の浮世絵を、プレタポルテに起用。ビーズ刺しゅうで表現したドレスや、着物を思わせるガウンなど、クチュールハウスならではの技術を感じさせるルックを披露した。さまざまな引用や記憶を、精緻な手仕事とともにコレクションへと落とし込んでいる。

Image by: GIVENCHY

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マルコによる新作レザーグッズが充実

 ファーストルックから登場した「カット」以外にも、新作のバッグやシューズが充実。栗のようなころんとしたフォルムが愛らしいバッグ「チェストナット(CHESTNUT)」は、スカーフを結び、使い方や色合わせで遊びを加えるスタイリングを提案。三日月型の「エクリプス(ECLIPSE)」も新たに加わった。

Image by: GIVENCHY

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 足元でも、ジップが主役となる。リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)期に生まれた「シャークブーツ」は、ジッパーを正面に配した大胆なデザインへとアップデート。レザーのコサージュをあしらった。

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サラの世界観がマルコとの対話で新章へ

 サラのクリエイティブディレクター就任から約2年。ダイナミックなドレスのカッティング、端正なテーラリング、女性に寄り添うリアリティに、サラならではの視点が感じられる。そこにマルコによるレザーグッズが加わることで、より世界観が立体的に広がっていきそうだ。サラとマルコのアイデアの対話によって、「ジバンシィ」がこれからどのように進化していくのか。今季は、その先への期待を大きく膨らませるシーズンとなった。

Image by: GIVENCHY

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GIVENCHY 2027サマーコレクション

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GIVENCHY 2027年春夏ウィメンズコレクション

2027 SPRING SUMMERファッションショー

最終更新日:

文・大杉真心

Mami Osugi

ファッションジャーナリスト

文化女子大学(現文化学園大学)でファッションジャーナリズムを専攻、ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)でファッションデザインを学ぶ。「WWD JAPAN」記者として海外コレクション、デザイナーズブランド、バッグ&シューズの取材を担当。2019年、フェムテック分野を開拓し、ブランドや起業家を取材。2021年8月に独立後、ファッションとフェムテックを軸に執筆、編集、企画に携わる。2022年から文化学園大学と文化服装学院の非常勤講師を務める。

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