ADVERTISING

「ルイ・ヴィトン」による人間工学 未来都市のワードローブは究極の軽やかさ

2027年春夏コレクション

文・小湊千恵美

Video by: ©Launchmetrics Spotlight

 ルーヴル美術館の中庭クール・カレに広がる、時が止まったかのような都市の風景。宙に浮かぶ形で設置されたコンセプトカーの下を、モデルたちが軽やかなテキスタイルをなびかせて颯爽と歩いた。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」2027年春夏ウィメンズコレクションのテーマは「エルゴノミクス(人間工学)」。近未来的なショー演出とは対照的に、人間が持つ能力と身体の動きを探求したというコレクションを紐解いていく。

ADVERTISING

無数のコンセプトカーが空を飛ぶ

 ルイ・ヴィトンのウィメンズコレクションはこれまで、美術館の館内や特設テントの中で開かれることが多かったが、今回のランウェイは風が吹き抜ける屋外。クール・カレに足を踏み入れると、非現実的な世界に没入した。インダストリアルな道路がランウェイとなり、頭上にはコンセプトカーが無数に点在。メゾンの精神である「旅の真髄(こころ)」を、未来に向けて投影していた。

人間工学と通ずるメゾンのヘリテージ

 クリエイティブディレクターのニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)が考える人間工学とは、物体、身体、行動の間の直接的な関係性、つまり調和を見出すこと。軽やかさと動きやすさは、旅にフォーカスしてきたメゾンのヘリテージと結びついているという考えだ。それを象徴するファーストルックは、重厚な伝統衣装に着想した先シーズンから大きく異なり、空気をまとうかのような軽やかなドレス。直線的なカッティングでありながら、薄いグレーのテキスタイルの重なりと動きによって、しなやかさが強調されていた。

肉体そのものが衣服を形作る

 続くスタイルも、無駄を省いたミニマルな仕立て。スポーツウェアを想起させる、メッシュ構造やジップアップを随所に取り入れている。外側のシルエットではなく、その内側にある肉体そのものが衣服を形作るというアプローチで、流動的なシルエットが特徴。ニコラはこれらを、動きの中にフィジカリティを際立たせる「第二の皮膚」と定義した。

 素材の選択にも、身体の動きを妨げない工夫が表れる。二重、三重に重ねたコンポジット・シフォンや、カレ・シルク、シルクやカシミアのスカーフ素材が、流れるようなドレープを生み出した。歩くと背後になびくパーツも特徴。柔らかなレザーや透けるニットは身体にしなやかに沿いながら、確かな構造を保っている。

 ホログラムのフィルム状のディテールをまとい蝶の羽のようにきらめくドレスや、刺繍をふんだんに施したドレスやセットアップは、伝統的な手仕事を用いながらもフューチャリスティックなムードに。伝統的なテーラリングは内側の構造をそぎ落として再構築し、マニッシュなシルエットに仕上げた。

近未来的なアクセサリー

 アクセサリーでは、前髪のようにクリスタルを垂らしたヘッドウェアが存在感を放ち、メタルで縁取りしたゴーグル風のアイウェアが印象的。ショルダーバッグ「Cavale」や「Rivoli」は、しなやかなレザーやテキスタイルを用いて、シンプルなフォルムに機能性を与えている。

究極の軽さをフューチャリスティックに

 1854年の創業以来、旅を支えるものづくりを追求してきたルイ・ヴィトン。そのヘリテージを、身体の動きや心地よさを起点とする現代的な服づくりへとつなげたのが、今回のコレクションだ。究極的な軽さの中に、フューチャリスティックなモードの提案を象徴とする、ニコラならではのデザイン哲学が息づいていた。

LOUIS VUITTON 27年春夏

全ルックを見る

LOUIS VUITTON 2027年春夏ウィメンズコレクション

2027 SPRING SUMMERファッションショー

最終更新日:

文・小湊千恵美

Chiemi Kominato

FASHIONSNAP ファッションディレクター

山梨県出身。文化服装学院卒業後、アパレルデザイン会社で企画、生産、デザイナーのアシスタントを経験。出産を経て、育児中にウェブデザインを学びFASHIONSNAPに参加。レコオーランドの社員1人目となる。編集記者、編集長を経て、2018年よりラグジュアリー領域/海外コレクションを統括するファッションディレクターに就任。年間60日以上が出張で海外を飛び回る日々だが、気力と体力には自信あり。

ADVERTISING

現在の人気記事

NEWS LETTERニュースレター

人気のお買いモノ記事

公式SNSアカウント