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アパレル・ビューティ各社に聞く26年の猛暑商戦 暑さ対策は今や「命を守るインフラ」

Image by: SOPA Images via Getty Images

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 年々厳しくなっている、夏の暑さ。日本気象協会は最高気温40度以上の日を酷暑日、35度以上を猛暑日、30度以上を真夏日、25度以上を夏日と名付けているが、2026年に酷暑日となる地点数を直近10年間平均と同じくらいか、やや多い7~14地点と予測しており、記録的な暑さとなった2023~25年に匹敵する厳しい暑さとなる可能性があるという。また、今年は昨年と同じく梅雨入りと梅雨明けが平年より早く、暑さの到来も早いという見込みもある。

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 かつては「一時的な避暑」のためだった暑さ対策は、今や健康や命を守るための必須インフラへと変貌を遂げた。今後、夏の暑さがさらに過酷なものになっていく可能性は非常に高く、それは猛暑対策市場が拡大していくことと同義だ。ファッションやビューティ企業にとっては、猛暑対策商品を打ち出すことは社会の困りごと解決の一端を担うことになる。FASHIONSNAPでは「猛暑、どうする?」と題し、猛暑対策アイテムや戦略についての取材を敢行。ファッションやビューティ各社の取り組みを連載形式で紹介する。

暑さ対策の最先端、ワークウェア最新作

 日本の暑い夏の影響を直接受けているのが、屋外で働くワーカーだ。2024年には職場における熱中症による死傷者数が1257人を記録(厚生労働省調べ)。統計を取り始めた2005年以降で最悪の数字となった。この事態を受け、2025年6月に改正労働安全衛生規則が施行された。職場での熱中症の報告体制や応急措置の策定・周知が罰則付きで義務化され、現場監督者のみならず会社全体の管理責任がより厳格に問われるようになった。

ワークマン2026年UV&酷暑対策新製品発表会

ワークマン2026年UV&酷暑対策新製品発表会

Image by: FASHIONSNAP

 こういった背景もあり、近年はより効果を高めるために電子機器を用いた熱中症対策ワークウェアが急増している。その筆頭が、バッテリーでファンを動かして衣服内に風の流れを作る空調ウェアだ。

ワークマン2026年UV&酷暑対策新製品発表会

ワークマン2026年UV&酷暑対策新製品発表会

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 数年前までは、空調ウェアを着用しているのはほぼワーカー達だけに限られていたが、ここ2年ほどはワーカー以外の着用者を街で見かけることが飛躍的に増えた。ファッション性を高めた空調ウェアも増えており、アパレルメーカーのクロスプラスが展開する「クロス ファンクション(CROSS FUNCTION)」は、「炎天下での子どもの野球やサッカーの応援時に、日焼けも暑さも避けたい」などの声をもとにウィメンズの空調ウェアを開発するなど、その存在感は確実に増している。

 空調ウェアに続くアイテムとして注目度が高まっているのが、エアコンなどに使用する半導体素子であるペルチェ素子を用いたウェアである。機器をバッテリーと接続することで、部分的に冷却・加温して体温を調節する仕組みで、空調ウェアのように衣類自体が膨張したり、使用の際に音が出ることがないため、日常使いしやすいといったメリットがある。

拡大を続ける猛暑対策グッズ市場

 暑さ対策グッズで注目を集めるのはワークウェアだけではない。近年その利用者を大きく増やしているのが、日傘だ。「日傘男子」という言葉が定着し始めたのは2018年頃からだったが、東京都が2025年9月に行った調査によると、同年に日傘を使用した人の割合は全体で67%、女性は91%、男性は44%と、男性も半数近くが日傘を使用している。この需要の高まりに呼応して、「ユニクロ(UNIQLO)」や無印良品といった大手SPA各社が日傘の展開を強化しているほか、「モンベル(mont-bell)」や「カリマー(karrimor)」などのアウトドアブランドも日傘の展開を強化している。

 また、サングラスやフェイスカバーなどの雑貨の存在感も高まっている。メガネの製造販売を行うル・フォーン(LE FOON)が2025年に行った調査によると、サングラスを所有していない人の割合は51.6%と半数以上にのぼっており、今後更なる市場の拡大が予想される。ユニクロは、2026年を「ユニクロのサングラス元年」とし、「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」のクリエイティブディレクターを務めるクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)が初めて監修したアイウェアを提案する。

 今や夏の風物詩となった感のあるハンディファンも、進化を遂げている。アンドエスティHD傘下の「ラコレ(LAKOLE)」は、風量を100段階で調整可能なファンや、スマホスタンド・モバイルバッテリー機能も備えたファンなど、機能の多角化を進めている。ワークマンは、ボトムスのウエスト部分に取り付けることで、手持ちのTシャツなどを“空調ウェア化”できるハンディファンを発表。ユーザーのライフスタイルやオケージョンにマッチした新製品を打ち出す。

 ビューティ各社にとっても、暑い夏は大きなビジネスチャンスとなっている。強力な紫外線防止機能はもちろんのこと、そこにスキンケア機能やメイクアップ効果、シワ改善、美白などの機能を加え、マルチユースで差別化を図っている。また、ビジネスだけに留まらず、紫外線対策の重要性や日やけ止めの正しい使い方を紹介するなど、太陽の光との健やかな付き合い方を啓蒙する活動も活発だ。

「四季」から「五季」へ、季節を再定義

 猛暑対策は、最新テクノロジーを結集した新製品だけに留まらない。三陽商会は、気候変動の影響によって、「夏の長期化」と「春と秋の短縮」が進んだことに対応するために、2024年から夏を「初夏・盛夏」「猛暑」の2つに分割して1年を「五季」と捉え、新たな商品開発・販売計画を推進している。三陽商会以外のアパレル各社でも、季節の再定義は広がっている。夏素材の代表格である麻や接触冷感などの機能アイテムの投入を早めたり、寒暖差に対応できる商品を拡充するなど、イレギュラーな気温変化に対応できる商品展開を行う。

FASHIONSNAP 編集記者

山田耕史

Koji Yamada

1980年神戸市生まれ。関西学院大学社会学部、エスモードインターナショナルパリ校卒。ファッション企画会社、ファッション系ITベンチャーを経て、フリーランスとして活動した後、FASHIONSNAPに参加。ファッションを歴史、文化、経済、世界情勢などの多角的な視点から分析し、知的好奇心を刺激する記事を執筆することが目標。3児の父。

最終更新日:

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