ホウガ 2022年春夏コレクション
Image by: FASHIONSNAP
石田萌が手掛けるドレスブランド「ホウガ(HOUGA)」が、2022年春夏コレクションを初のランウェイショー形式で発表した。会場となった表参道ヒルズのホールには、積み重ねた白い箱に、バラやカスミソウなどの草花をダイナミックに活けたオブジェを設置。BGMとして、虫の音が微かに聞こえるなど、優雅さと開放感を併せ持つ避暑地のような情景を演出した。
19世紀のレジャースポーツが着想源
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テーマは「pleasant holiday(楽しい休日)」。ドレスを着て嗜むテニスやサイクリングなどの19世紀のレジャースポーツや、優雅な休暇からイメージを広げて、「自分自身を解放するためのレジャードレス」を提案した。
アクティブに動いてもエレガントなシルエットを保つために用いられたのは、歩くとバネのように上下するプリーツ加工や、畝(うね)のように波打つパイピングのテクニックだ。さらにブランドが得意とするフリルを駆使することで、動きのあるデザインのドレスやセットアップを打ち出した。
生地をたっぷりと用いたボリューム感のあるドレスは、一見重たくなりがちだが、透け感のある素材を用いたり、素肌が覗くようなデザインにしたりすることで、軽やかな印象に仕上げている。特に、テクニックが光るのは、ストローハットやカゴバッグをイメージしたという、花柄のレース刺繍のキャミソールドレス。生地にはラメ糸が織り込まれており、動きに合わせてユニークな煌めきを楽しめる。
大人も子どもも「エイジレス」なコレクション
ヴィクトリア調のコルセットをソフトに表現したハーネス、付け襟、付け袖など、今季はアクセサリーも充実した。これらのアイテムには、都会の現代生活の中でも「何の制約もなく自由な装いを手軽に楽しんでほしい」という思いが込められている。
また「ホウガ」では、「エイジレス」をブランドコンセプトのひとつに掲げており、ショーでは、同じアイテムを使った大人用と子ども用のコーディネートを数通り提案。例えば、大人用のフリルスカートやポロシャツが、子ども用のドレスになるなど、時代や年齢を越えて長く着られるアイディアが盛り込まれている。
クリエイションの源は“らしさ”からの脱却
2019年春夏にブランドをスタートして、今季で7シーズン目。デザイナーの石田萌は、楽天ファッションウィークに初参加した理由について「ブランドが次のステップに進むタイミングだと感じて、今回の参加を決意した」とコメント。さらに「新型コロナの影響が出始める前から、大人らしさ、女らしさ、男らしさ、母親らしさなど、世間が抱く固定概念にずっと息苦しさを感じていた。ブランドのクリエイションの源は、そんな“らしさ”の打破。自分自身の世界に浸れるような服をコレクションを通して提案してきたい」と続けた。(文責:村上杏理)
大学で日本美術史を専攻し、2009年にINFASパブリケーションズ入社。WWDジャパンやFashion Newsの編集・記者として、東京のファッション・ウイークやセレクトショップ、ファッションビル、販売員取材などを担当。16年からフリーランスで、ファッションを軸にライフスタイル、アートの記事執筆・カタログなどを手掛ける。
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