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そうだ、東南アジアで生きていこう。借金抱えて自分探しの旅|コラム-ジャラン ジャラン アジア

シンガポールの道路

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Image by: 横堀良男

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そうだ、東南アジアで生きていこう。借金抱えて自分探しの旅|コラム-ジャラン ジャラン アジア

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東南アジアの最新情報を綴るコラム「ジャラン ジャラン アジア」がスタート。1年間の3分の2以上を東南アジア諸国で過ごし、契約バイヤーのほか、ポップアップショップ、展示会出展、ファッションショーの代理店などを行う横堀良男氏が現地の情報をレポートします。

(文・横堀良男)

 はじめまして、横堀良男(よこぼりよしお)です。

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 今回お声掛けをいただき、日本では少しだけ珍しいライフスタイルの私にブログを書く機会をいただきました。私は東南アジアで生活しています。海外で日々起きていることなどを少しでも皆様に知っていただければと思っております。

 まずは自己紹介をさせていただきます。私の仕事はざっくり言うと、「東南アジアでファッションのこと」です。同じようなことをやっている日本人が少ないこともあり、いろんな仕事をやっています。

・自社アパレル・雑貨ブランドを運営

・日本や東南アジア諸国で、ファッションショーや合同展示会の代理店

・海外セレクトショップの契約バイヤー

・海外イベント企画・運営

 要するに、東南アジアでアパレルブランドやお店に携わる仕事が中心です。今は大体、インドネシアのジャカルタにいます。

私です。いつの間にか、このアングルで写真を撮ることが多いです。

 東京の下町に生まれ、帰国子女でもなんでもない私にとって、海外に住むとか働くとか、ましてや英語やインドネシア語を話すだなんて、30歳を過ぎるまで想像だにしませんでした。

 18歳の頃に東京のアパレルのお店で販売員として働き始めました。20代後半までに3つの会社で働き、その後に独立。アパレルブランドの営業代行の会社を設立しました。しかし、2011年に東日本大震災が起き、営業代行の会社は大きなダメージを受け、一文なしどころか負債を負ってしまいました。その時に「ああ、このままじゃ終わるな......」と思い、アジア諸国に激安航空券で出張しました。32歳の夏です。自分探しをするにはあまりにも遅い青春。まあ、探していたのは仕事なんですが......。

 K-POPブームが始まっていた韓国、香港や上海にも行き、現地の企業から雇われバイヤーの仕事やブランドの仕事を少しずつ貰えるようになりました。なんとかギリギリ食べていける、というくらいにはなった頃、香港に滞在していたある朝に安宿がある雑居ビルの1階にちょこんとある雑誌やジュースを売る屋台で、ろくに読めもしない英字新聞を買いました。そこには「今後グローバルリーダーになる世界の都市ランキング」が載っていて、1位がインドネシアのジャカルタ、2位がフィリピンのマニラと書いてあったんです。「え!これからは東南アジアなんじゃん!」と興奮したのを今でも鮮明に覚えています(めちゃくちゃピュアでした)。

 すぐに格安航空券をネットで探して、シンガポール、インドネシアのジャカルタ、マレーシアのクアラルンプールへの周遊チケットを買いました。大阪→シンガポール→ジャカルタ→クアラルンプール→東京というルートで、全部で2万5000円くらい。驚愕の安さです。2週間で3ヶ国を見て回る視察旅行。2012年のことですから、東南アジア諸国も今とは比べものにならないほど発展途上の状態でした。

2014年に訪れたシンガポールのクラブの様子。一晩中大盛り上がりで、飛ぶようにお酒も売れていました。

 シンガポールはその時すでに経済大国でしたが、ジャカルタはまさに発展途上国の首都、という様相。ジャカルタに到着しましたが、知り合いもいないし、右も左もわかりません。とりあえず一週間ほどバカみたいに街中を歩き回りました。適当に本屋に入って、ジャカルタの地図を買い、歩いたところをサインペンで丸を付けていく。今思い返すと、新宿から吉祥寺くらいの距離を毎日歩いていました。もちろん、日本に帰国した時にはスニーカーがボロボロになっていました。その時のジャカルタは至る所から「これからの街」という感じがひしひしと伝わってきました。当然、友人がいるわけでもないので、ジャカルタのファッション業界については何にも理解できることはありませんでした。しかし、「この街(国)のファッションやクリエイティブな経済は絶対に大きくなる!」と強く感じ取ったわけです。

 その数日後、ジャカルタからクアラルンプールに移動しました。旅の最終日の明け方、ふとクアラルンプールの安いホテルで目を覚ましました。窓から見える景色は、夜の終わりと朝の始まりの間くらいで、綺麗な朝焼けが遠くからやってくるようなタイミングでした。窓を開けてぼんやりとそのグラデーションを見ながら、いろいろと考えていたらふと、JRのキャッチコピーのように思ったんです。

 「そうだ、東南アジアで生きていこう」

その時の朝焼け。

ーーーーーあれから10年。

 まさか、こんな生活を送っているとは、自分でも想像していませんでした。今は、1年間の半分ほどをジャカルタで過ごしています。コロナ前はシンガポールやタイ、フィリピンに毎月飛び、現地のファッション企業とミーティングをしていました。ようやく今年から日本とインドネシア以外の国にも行けるようになりましたので、東南アジアの様々な国の事情についてお届けできると思います。

 今、東南アジアでは、毎日のように変化が起き、新しいニュースが飛び交っています。続々と新しいデザイナーズブランドやストリートファッションが生まれ、無名の若手ブランドでもすぐに顧客が付くほど消費は上を向いています。

 もちろんファッションだけではありません。レストランやバー、クラブ、イベント会場などどんどん新しいスポットが出来ていて、正直回りきれないほど。東南アジアのファッション業界は、実にポジティブなパワーが溢れています。きっとほとんどの日本人が知らない世界だと思います。

ジャカルタのポップアップショップイベント(2019年)。新しいブランドを探しに4日間で8万人が来場する。

 このいただいた機会に、現地からリアルなファッションのことを皆様にお伝えしたいと思っております。皆様にはしばしお付き合いいただけましたら嬉しいです。

横堀良男

Yokobori Yoshio

東京都江東区出身。高校在学中からアパレル業界で働き始め、 その後、アッシュ・ペー・フランス株式会社に入社。27歳で若手ブランドの営業代行業、showroom SIDEを設立、代表に就任。 32歳で海外進出、現在は1年間の3分の2以上を東南アジア諸国で過ごし、契約バイヤーとして活動。 日本からアジア・アジアから日本のポップアップショップ、展示会出展、ファッションショーの代理店も行う。

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