
主要ラグジュアリー企業の2026年度1〜6月期決算が発表された。地政学的リスクによる影響は見られたものの、主力部門の好調な販売などに支えられ、エルメス・インターナショナルやプラダグループが堅調に成長。一方で、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトンやケリングはほぼ横ばいで着地するなど明暗が分かれている。今回は、同期間の実績で単純比較可能な世界的ラグジュアリー企業4社をフィーチャー。同期間の注目トピックとともに、決算を売上規模順で紹介する。
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※前年比実績は為替変動などの影響を除く
※1ユーロ=186円

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン
2026年1〜6月期実績
売上高:386億ユーロ(約7兆1826億円)
営業利益:86億ユーロ(約1兆6003億円)
<主なトピック>
- 中東情勢悪化の影響で業績が伸び悩んだが、4~6月で徐々に回復し、売上高は前年同期比2%増で着地。
- 主力であるファッション&レザーグッズの売り上げは、同1%減。ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)率いる「ディオール(Dior)」の好発進もあり、4~6月期の売上高は同1%増と回復。
- ウォッチ&ジュエリーは同9%増。「ティファニー(Tiffany & Co.)」と「ブルガリ(BVLGARI)」が伸長し、増収増益を記録。
- 地域別の売上高では、米国が同4%増、日本が同5%増、日本を除くアジア地域が同6%増と好調に推移。一方で、欧州は同1%の減収で着地した。
エルメス・インターナショナル
2026年1〜6月期実績
売上高:81億6300万ユーロ(1兆5183億円)
営業利益:33億5100ユーロ(6232億円)
<主なトピック>
- アメリカ地域の需要増やフランスでの観光客の回復、日本での好調な販売などが下支えし、売上高は前年同期比6.1%増と堅調に推移。
- カテゴリー別では、主力のレザーグッズ&サドルが同9.8%増。シルク&テキスタイルも上半期で同9.7%増と高い伸びを示した一方、香水・ビューティは同4.5%減と数字を落とした。
- 地域別ではアメリカが同15.3%増と最も高い伸び率を記録。次いで日本が同11.0%増、フランスを除く欧州が8.8%増。フランスは1〜3月期が減収だったものの、4〜6月期に盛り返し、1〜6月期全体では同1.8%増となった。中東を中心とするその他地域は地政学的な影響を受け、同4.2%減。
ケリング
2026年1〜6月期実績
売上高:72億2000万ユーロ(約1兆3429億円)
営業利益:9億2000万ユーロ(約1711億円)
<主なトピック>
- 売上高は前年同期比1%増。近年主力ブランドの苦戦で業績不振が続いていたが、「売上高は再び成長軌道に乗りました。グループ全体で改善の兆しが見られています」とルカ・デ・メオ(Luca de Meo)CEO。
- セグメント別ではファッション&レザーグッズが同1%減、ジュエリーが同20%増、アイウェアが同8%増。
- 「グッチ(GUCCI)」は同5%減と苦戦が続くものの、減少幅は緩やかになっており全地域で復調の兆し。
- 「サンローラン(SAINT LAURENT)」は北米や西欧を中心に需要が回復し、上期で増収転換。
- 「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」もレザーグッズの好調により全地域で成長を加速。
- 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」はレザーグッズが下支えも、苦戦が続いている。
プラダグループ
2026年1〜6月期実績
売上高:30億4800万ユーロ(約5669億円)
営業利益:5億2300万ユーロ(約972億円)
<主なトピック>
- 「ヴェルサーチェ(VERSACE)」の買収が寄与し、売上高が前年同期比16%増で着地。
- 「プラダ(PRADA)」が同3.3%増で増収転換。プロパー販売の伸長が後押し。
- 「ミュウミュウ(MIU MIU)」は同2.5%増。アメリカ、日本、アジア太平洋での販売が好調で、苦戦が続くヨーロッパ市場でも改善の兆し。
- 新たにポートフォリオに加わったヴェルサーチェには「期待通りの結果」とコメント。(発表資料より)
- 地域別で最も好調だったのはアメリカで、同37%増。アジア太平洋が同15%増、日本が同6%増。ヨーロッパも観光客消費とローカル需要が回復し、同5%増と改善。中東は紛争の影響を受け、同24%減とシュリンク。(いずれもヴェルサーチェの売り上げを含む)
シャネルは2ケタ増
シャネルは未上場企業のため四半期ごとの決算を公表していないが、報道によると1〜6月期は中国や中東を含む全ての地域で増収。既存店売上高は前年同期比16%増で、主力のファッション事業の売上高もほぼ同じ伸び率だったという。時計・宝飾品部門は同35%増、香水・化粧品部門は約8%増だった。同社では、2026年春夏シーズンにマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)がアーティスティックディレクターに就任している。
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