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【決算おさらい】2025年度、国内主要アパレルメーカー5社の注目トピックを解説

 国内の主要総合アパレルメーカーの2025年度通期決算が出揃った。基幹ブランドの復調や戦略的なM&Aが奏功し、増収増益を記録する企業が存在感を示した一方で、記録的猛暑による秋冬商戦の初動遅れや、円安に伴う消費マインドの低下などにより、大幅減益に沈む企業も見られた。今回は上場総合アパレル大手4社とインナーメーカー1社の計5社にフィーチャーし、決算を売上規模順で紹介。2025年度に行った主な取り組みと、今期の注目トピックもまとめた。

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ワールド 2840億1400万円

2026年2月期連結実績
売上収益:2840億1400万円(前期比25.9%増)
営業利益:160億2800万円(同4.2%減)
純利益:120億1300万円(同8.8%増)

<当期の主要トピック>

  • プラットフォーム事業のエムシーファッション(旧三菱商事ファッション)の完全子会社化、ナルミヤ・インターナショナルの完全子会社化により、大幅増収達成。
  • プラットフォーム事業は最高益更新、事業利益におけるB2B事業割合が初めて3分の1を突破。
  • ただし、アパレルブランド事業の「壊滅的」(決算説明会資料より)不振により、コロナ禍後初めて前期に対し減益を記録。
  • デジタル事業は、ユーズドセレクトショップの「ラグタグ(RAGTAG)」をはじめとした"サーキュラー"と呼ぶ領域で成長。
  • 神戸・ポートアイランドにある現本社の土地・建物を売却。2028年中に神戸市内に移転。

<今期の主要トピック>

2027年2月期業績予想
売上収益:3000億円(前期比5.6%増)
営業利益:175億円(同11.5%増)
純利益:126億円(同4.9%増)

オンワードHD 2368億400万円

2026年2月期連結実績
売上高:2368億400万円(前期比13.6%増)
営業利益:116億400万円(同14.3%増)
純利益:100億9400万円(同18.5%増)

<当期の主要トピック>

  • 「アンフィーロ(UNFILO)」「KASHIYAMA」「ウィゴー(WEGO)」「チャコット・コスメティクス(Chacott COSMETICS)」といった戦略強化ブランドや、基幹ブランドの「23区」が好調。大幅な増収増益を達成。
  • 純利益100億円という中期経営計画の目標を1年前倒しで達成。
  • 海外事業が11期ぶりに黒字化を達成。「グローバル構造改革の節目となった」(保元道宣社長)。
  • 百貨店販路が前期比2.2%の減収となった一方で、ショッピングセンター等が同29.3%増、EC販路が同12.4%増と大幅に伸長。
  • 中長期経営ヴィジョン「ONWARD VISION 2030」の前半5年が終了。スタート前年の2020年度と比較すると、顧客における30代以下の割合が約25%から約40%へと大幅に拡大した。

<今期の主要トピック>

  • 成長戦略の柱として、ファッション領域の5事業(23区、J.PRESS、カシヤマ、アンフィーロ、ウィゴー)と、ウェルネス領域の3事業(コスメ、ギフト、IP・ペット)、コーポレートデザイン領域に経営資源を集中。
  • 東京・青山に「23区」唯一の旗艦店「SALON 23区 AOYAMA」をオープン
  • 「クリエイティブヨーコ」のオリジナルキャラクター「しろたん」がTVアニメ化。2026年秋からテレビ朝日で放送。
  • オーダーメイド「KASHIYAMA」がウィメンズのプレミアムラインを始動。
  • ネイル事業「コスメ・デ・ボーテ」の全株式を3月に取得し、完全子会社化。

2027年2月期業績予想
売上高:2470億円(前期比4.3%増)
営業利益:128億円(同10.3%増)
純利益:112億円(同10.9%増)

ワコールHD 1715億1000万円

2026年3月期連結実績
売上収益:1715億1000万円(前期比1.4%減)
営業利益:198億7700万円(同504.5%増)
純利益:131億2400万円(同81.8%増)

<当期の主要トピック>

  • 中核会社ワコールやピーチ・ジョンは堅調。一方、「ウンナナクール(une nana cool)」や下着セレクトショップ「ランジェノエル(Lingè Noël)」といった子会社の不調が響き減収。新京都ビルの売却により各利益段階は大幅な増益で着地。
  • 国内事業では大谷翔平選手をアンバサダーに起用したコンディショニングブランド「CW-X」が前期比18%増。
  • 英国子会社Bravissimoの物流倉庫で火災発生、約2ヶ月間EC出荷停止。第4四半期以降復調。
  • 名誉会長の塚本能交氏が2025年秋の叙勲において「旭日重光章」を受章
  • ランジェリーブランド「ユエ(Yue)」が「フェティコ(FETICO)」とコラボ

<今期の主要トピック>

  • 大きいサイズに特化した米インナーウェア「グラマライズ」を約52億円で買収
  • 新技術「メループ(Melooop)」の研究開発拠点を京都に開設
  • ドラッグストアでの展開を強化。ワコールショーツを扱うドラッグストア数は前期の2.5倍の2000店を見込む。
  • 好調な「CW-X」は大谷翔平選手に続き、青山学院大学女子駅伝チームとも契約。アスリート起点にさらなる認知拡大へ。

2027年3月期業績予想
売上収益:1876億円(前期比9.4%増)
営業利益:15億円(同92.5%減)
純利益:18億円(同86.3%減)

TSI HD 1670億8500万円

2026年2月期連結実績
売上高:1670億8500万円(前期比6.7%増)
営業利益:43億2500万円(同164.4%増)
純利益:37億9300万円(同75.1%減)

<当期の主要トピック>

  • 「フリークス ストア(FREAK'S STORE)」などを運営するデイトナ・インターナショナルを完全子会社化。傘ブランド「ウォーターフロント(Waterfront)」を運営するウォーターフロントを完全子会社化。それらの連結寄与で増収達成。ただし、計画には未達。
  • 連結子会社のTSIソーイングをワールドに譲渡。ほか、オンラインストア「Tactics.com」の運営会社であるEfuego Corp.、合成樹脂製造を手掛けるトスカバノックをそれぞれ譲渡するなど、構造改革を推進。
  • 主力ブランドでは、「アヴィレックス(AVIREX)」が前期比18.5%増と好調。「ナチュラルビューティーベーシック(NATURAL BEAUTY BASIC)」「ナノ・ユニバース(NANO universe)」「パーリーゲイツ(PEARLY GATES)」は2ケタ減。
  • 国内売り上げは百貨店販路が前期比14.7%減の154億円、非百貨店販路が同12.6%増の823億円、ECが同30.1%増の438億円。
  • ブランド別で運営していたECをグループ公式オンラインストア「ミックスドットトウキョウ(mix.tokyo)」に集約。ECのモール化を推進。会員登録数は2026年3月期末で約100万人。

<今期の主要トピック>

2027年2月期業績予想
売上高:2000億円(前期比19.7%増)
営業利益:75億円(同73.4%増)
純利益:77億円(同103.0%増)

三陽商会 584億4800万円

2026年2月期連結実績
売上高:584億4800万円(前期比3.4%減)
営業利益:12億9800万円(同52.2%減)
純利益:41億1300万円(同2.7%増)

<当期の主要トピック>

  • 記録的な猛暑による秋冬商戦の初動遅れや、物価上昇に起因する消費マインドの低下などを受け減収。プロパー販売比率低下で粗利率は前期比1.6ポイント悪化。
  • 主力販路である百貨店売り上げが前期比約8%減で約30億円の減収。
  • 「ブルーレーベル/ブラックレーベル・クレストブリッジ(BLUE LABEL/BLACK LABEL CRESTBRIDGE)」は、インバウンド売上不振で計8億2000万円の減収。
  • 筆頭株主が、八木通商からアクティビストとして知られる英アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッドに異動。
  • 2028年2月期を最終年度とする中期経営計画を4月に発表。最終年度に売上高700億円、営業利益50億円、純利益47億円を掲げたが、初年度の苦戦を受け、売上高620億円、営業利益13億円、純利益40億円に引き下げた。

<今期の主要トピック>

2027年2月期業績予想
売上高:600億円(前期比2.7%増)
営業利益:21億円(同61.7%増)
純利益:40億2000万円(同2.3%減)

最終更新日:

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