この著者の本は、時間軸のスケールの大きさが面白いのですが、この本では少しそのスケールを小さくして、すぐ訪れそうな未来をリアリティをもって論じています。2年前に出版されたものですが、それを今読み、この2年間の世の中の動きと照らし合わせるとさらにリアリティが増すので、今読む方が面白いです。

コロナ禍から世の中が正常に戻ってきましたが、社員の「心の健康」について悩んでいた時期に出合い、非常に参考になりました。「自分の心に素直になる」というのは言葉では簡単でもなかなか出来ないものなので、人との接し方に悩んでいる方だけでなく、悩んでいない方にも読んでほしい本です。

雑草の強さは、「逆境」に対するスピーディーな「変化」と、たくさんの小さな種子による「多様性」によって、頑健に生き抜くということであり、ビジネスにも通じる興味深い話でした。さらに、雑草の生態に関する情報は新鮮で興味深く、身近な自然から新たな視点を得ることができる本です。

世の中の仕組みに則っている間に忘れてしまいそうになっていた、会社の本質を思い出させてくれた本。「途方もないことをやろうとするからこそ『戦略』が必要なのであって、確実なことをするだけならち密な計算があれば済む」。起業したときの意志、自社のMISSIONを言語化したときの意志を大切に経営したいです。

ティム・クック氏には一度もお会いしていませんが、同時期に工学部を専攻しMBAを受講、IBMで過ごした時期も一緒で、勝手に親近感を持ってこの本が出版された2019年に一度読みました。私が今年、代表取締役社長を任命されたタイミングということもあり、スティーブ・ジョブズというカリスマ創業者の後にオペレーションエクセレンスでAppleを世界一の企業に導いた経営手法を改めて読み直しました。無理をせずに自然体で、自分の強みを活かして次のステージに持って行ったことに改めて感銘を受けました。

西洋的な思考体系を追求した2人が、最終的に西洋的な思考体系や文化体系の限界にたどり着き、そこに東洋的なモノの認識や思考のあり方についてお互い向き合っています。この本をきっかけに、弊社が2029年に迎える100周年にまでつながる組織について考えました。多くの人が交じり合う中で、どうしたら組織という生命の永続性を作り出せるのか。厳格なルールから漏れたものにこそ価値を見出すように、あえて壊してみることで「『が』仕事」を生み出すなど。組織は決して機能論ではないと感じました。

私たちはキラキラとした毎日、また喧騒の中を生きていますが、「陰翳礼讃」は日本の自然の中の静寂や陰影を称賛していて、心が落ち着きます。我々と真逆の人生ではあるが、そこが楽しく、とてもいいですよね。この本を読んだ時、静寂を感じられ、今あるもの以外で満たされる感じがします。そういった静かな時間や瞬間を持ちたいと思います。

僕はいろいろな経営者の方とお話をする事がありますが、必ず失敗した事を聞きます。成功事例は沢山ありますが、失敗した話こそ勉強になるからです。もともと歴史が好きな事もありますが、この本の英雄たちに学ぶ教訓が経営にも生きています。アダストリアの経営も失敗を恐れず、まずチャレンジする→失敗する→早く修正できる、なんです（笑）。