【2020年ベストバイ】ファッションエディター 大平かりんが今年買って良かったモノ

8. Kenneth Ize×SAGAN Vienna バッグ

F：「バッグはあまり買わない」と話していましたが、こちらはウィーンのバッグブランド「サガン・ヴィエナ（SAGAN Vienna）」と「ケネス・イゼ（Kenneth Ize）」によるコラボバッグですね。

大平：基本的にトートバッグ派なんですけど、たまにオブジェみたいなバッグを買うことはあって。「ロエベ（LOEWE）」のピンクの象の形のバッグとか、実用性を無視したものばかりですが（笑）。

F：ケネス・イゼは2019年のLVMHプライズのファイナリストに選ばれた若手ブランドですね。

大平：ナイジェリア出身の男性デザイナーが手掛けるブランドで、彼のルーツでもあるヨルバ族に伝わる「アショオケ」という伝統布を使っているんです。素材や色合いに、彼の触れてきたカルチャーを感じて、他にはないデザインで素敵だなと思って買いました。「サガン・ヴィエナ」を買ったのも初めて。コラボバッグはいくつかデザインがあったんですが、丸い形が可愛いなと思ってこれにしました。

F：かなり軽いですね。

大平：そうなんですよ。あんまりモノは入らないので、ジュエリー感覚で持っています。逆に、実用性のあるバッグには全然興味がなくて。これくらい、他では絶対見つからないデザインじゃないとバッグは買わないですね。

F：では年に1つ買うか買わないかくらいですか？

大平：3年に1つくらいですね。その分、服を買っちゃうので（笑）。チョポヴァもですけど、作り手のルーツやバックグラウンドが生きたプロダクトに最近はすごく魅力を感じます。工芸品のようなムードというか。チョポヴァはそれが英国とブルガリア、ケネスはナイジェリアと、デザイナーのルーツの国特有のセンスを大事にしながら、モダンなデザインに落とし込んでいるのが面白くて。

F：このバッグはどんなコーデに合わせていますか？

大平：赤い服に合わせることが多いですね。革が上質なので、カジュアルな格好に合わせても引き上げてくれるというか。これだけ遊びがあるデザインだけど、色味がモダンなので意外と汎用性があって気に入っています。