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【2023年ベストバイ】GEZAN マヒトゥ・ザ・ピーポーが買って良かったモノ

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【2023年ベストバイ】GEZAN マヒトゥ・ザ・ピーポーが買って良かったモノ

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 今年のお買い物を振り返る「2023年ベストバイ」。11人目はバンド GEZANのフロントマン マヒトゥ・ザ・ピーポー。赤い服と長い髪がトレードマークの彼は、投げ銭フリーの野音フェス「全感覚祭」の運営にはじまり、歌詞や著書でも度々「価値とは何か」を問いかけています。そんな彼の自宅で、彼が選ぶ5点を通して辿る、真の意味で「買って良かったもの」。

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UNDERCOVER 高橋盾が製作したベルボトム

マヒトゥ・ザ・ピーポー(以下、マヒト):今年、フジロックのグリーンステージに立つにあたってジョニオさんが作ってくれました。

FASHIONSNAP(以下、F):2019年、2021年とフジロックに出演した際も、ジョニオさんが衣装を製作されていましたよね。

マヒト:2019年の時は、俺がテンションブチ上がりすぎて、せっかく作ってもらったのに開始10秒で脱ぎ捨てちゃって。流石にジョニオさんも驚いていた(笑)。

2019年のフジロックでの写真

F:何かデザインについて、マヒトさんから要望は伝えましたか?

マヒト:クラストでのベルボトムというハレーションのイメージはあり、友人や仲間たちから布を提供してもらった布をつぎはぎにしてもらいました。2022年に野音(日比谷公園大音楽堂)をやった時に、ジョニオさんに大きな旗を作ってもらったんだけど、その時からクラストの流れもあった。一つの綺麗な布で作るんじゃなくて、色んな要素がつぎはぎされて一個の立体的な物体を作るってことに興味があったんですよ。

F:つぎはぎの何にそこまでピンときたのでしょうか。

マヒト:俺自身が、色んな要素がぐちゃぐちゃに混ざり合っている自覚があるんですよ。赤が好きとか、音楽を作っているとかあるけど、自分でもどのルーツがあってそこに行き着いているのかもうわからない。闇鍋みたいな感じで、それをぐちゃぐちゃに混ぜて遊んでいる感覚があって。だから、服もちゃんと混乱していて欲しい、というのは思ったかな。

F:広く「服」という概念についてはどう考えていますか?

マヒト:自分の体と外の世界のちょうど間にあるもので、最初の防壁。しかも体って一番ピュアで替えの効かないものですよね。それに張り付くのが服だから、切実なものだなと思います。それもあって、シンプルに体や描くイメージにノイズがあるものは着ていたくないです。昔は赤ければなんでもいいや、とか外見がエッジ効いてればそれでいいと思っていた時期もあったけど、そういう意識の変化は皆と遊んでいく中で変化していったかな。

F:ジョニオさんとは、どこで知り合いましたか?

マヒト:訓ちゃん(野村訓市)が、「スタジオ・ボイス(STUDIO VOICE)」のクリエイティブディレクターをやっている時に、俺はコラムを定期的に書いていたんですよ。太郎さん(水谷太郎)やモーリー(守本勝英)が掲載ページの写真を撮っていて。その後は遊んだり写真を撮ってもらうようになって、UNDERCOVER PRODUCTIONとしても共同で制作しているジョニオさんともごく自然な流れで遊ぶようになった。公園で子どもが自然と集まって遊び始めたりするけど、ああいうのに近いんじゃないかな。集まり方や「この人と気が合う、合わない」に別に本来理由とかないし。計算で動いてるような人が放つきな臭い空気には職業上敏感なんじゃないかな。

※スタジオ・ボイス:1976年9月に創刊された日本の月刊カルチャー雑誌。2009年に休刊し、2015年に年2回刊行として復刊した。

F:マヒトさんの交友関係は広く、多くの人に愛され、可愛がられている印象を受けます。

マヒト:俺は隙だらけだからね(笑)。地雷を踏み抜くし、制作時に対立もする。でも自分だけではなく「大人」と呼ばれる年齢の人や、ある一定の地位を確立した人でも、オルタナティブな挑戦をしている人ってみんな少年性や少女性があると思うんですよ。「ビジネスが関わってもいる以上は資本主義を否定しないし、そことどう折り合いをつけて関わっていくか」を意思を持って活動している人には、ある種の祈りがある。その感覚は人によって様々な言葉に翻訳されていて、それが「ロック」だったり「パンク」だったりする。

F:ビジネスのラインでは回収できないこだわりを活かしている人は、少年性や少女性を持っていて、その人同士は惹かれ合う?

マヒト:もちろん相容れないこともあるけど、まず同じテーブルについて対話はできますよね。そういうオルタナティブな精神をもった表現者は「肩書きで何をやっているか」だけではなく、血の裏に仕込まれたそれぞれの基準を嗅ぎ分けてるのだと思う。こだわりやどういう風に生きているのかは動物同士であれば一瞬でわかるもんだし、基本的に大多数が「今はどういうトレンドなのか」が行動原理になっている。そもそものオルタナティブな精神は母数が少ないが故に孤立するから、遠吠えを聞きつける狼のように繋がっていかざるを得ないというのもあると思う。

F:マヒトさんの姿は、時折ファッションショーのフロントロウで見かけることがあります。

マヒト:昔から見続けているわけじゃないけど、たまに観覧させてもらっています。ショーって思っているより短い時間ですよね。すごい集中力だな、と思います。

 俺は、アンダーカバーが、19年ぶりに東京で単独ショーをやった2021年秋冬コレクションがすごく好きだった。なぜなら、初めてショーを見てエモーショナルな気持ちになったから。それまでは、驚きや構図の綺麗さに気がつくような体験をファッションショーでしたことはあったんだけど、まさか、感傷的な気持ちになるとは思わなかったんですよね。トリガーには、ウジウジした男の内心を歌うRADIOHEADの「CREEP」を、最近ではライブでもなかなか演奏しないトム・ヨーク(Thom Yorke)自身が新たに書き下ろしてきたこと、その曲が当時のジョニオさんを取り巻くドキュメントと呼応していて、ジョニオさんが生きてきた時間の経過や生き様、歴史みたいなものが最新の服に反映されている様は切実な叫びだな、と思ったことが印象に残っています。

大阪「Essential Store」で買ったインテリア雑貨

マヒト:もうこれに関しては、誰が作った何なのかもよくわかってないし、何故買おうと思ったのかも説明できない(笑)。

F:では、何故「今年買って良かった」と思えたんですか?

マヒト:理由を説明できないものを日常の中で持っているというのはすごく重要。なぜなら、自分自身も理由が説明できないような複雑でカオスな世の中を生きていると思うし、それは俺だけではなく、一人一人が混沌とした状況を生きているということを思い出させてくれるから。ミニマリストみたいなかっこよさもあるとは思うけど、整理できないことでしかアクセスできない純文学というか、人間の姿みたいなものはあると思う。それは、世の中のスピードが加速すればするほど重要になるな、と。

F:不定期にオープンする大阪、福島に位置する「エッセンシャルストア(Essential Store)」は、国内外で蒐集した古美術、骨董品、服などを取り扱っていますね。

マヒト:都内でも定期的に「サイレントオークション(Silent Auction)」というイベントをやっていて。展示期間中に欲しいアイテムに対して好みの入札金額を用紙に記入して購入するというシステムを導入しています。

F:「その人の価値観に委ねる」という意味では、ライブの価値、食べたものの価値、その日1日の価値を来場者に一任するGEZAN主催の野外フェス「全感覚祭」にも近しいものを感じます。マヒトさんは、物を買う時に何に「価値」を見出していますか?

マヒト:ただの嗜好品ではなく、そこにいた痕跡が残っていて複製しようがないもの。そのもの自体が旅してきた記憶の香りを感じられるものが好き。自分の中では「霊性」と言語化しているんだけど、エッセンシャルストアで取り扱われている物は実際に遺品整理から買い付けることも多いらしいし、霊性を帯びていることが多い。拓哉くん(エッセンシャルストアのオーナー田上拓哉)も、そこを射抜く能力が圧倒的に長けていると思います。

マヒト:例えば、さっき出したジョニオさんが作ってくれたベルボトムも、今年のフジロックの時間をボトム自体が記憶している状態と言える。また違うライブで履くかもしれないけど、フジロック2023の時間や熱狂を背負ってしまっているし、戻ることのできない時間を吸収している時点で、複製は不可能ですよね。別に、嗜好品としてハイファッションが好きな人のことを否定するつもりはないけど。

F:大量生産されたものにも、使っている人がいる以上はいつかは霊性や記憶は宿りますよね。

マヒト:そうだね。大量に作られたCDであっても、収録されている音楽は同じなのに「聞いたり、見たりするだけで高校時代を思い出しちゃう」みたいなことは、多分それぞれにあると思うんですよ。資本主義を否定する必要もなくて、資本主義に関わっている物から、そんなものでは測れないモノに成長させることはできると思うし、そういうものに興味がある。

マヒト:話は少し脱線するかもしれないんだけど、ゴミ捨て場から拾ってきたクラシックギターをずっと使っていて、ライブ前に公園でそのギターを弾いてたんですよ。そしたら子どもが俺の隣に来て「何なの、そのギター」と問いかけてきて。「ゴミ捨て場で拾ったやつだよ、しかも雨に打たれて濡れていたの」と答えたら「えー!じゃあゴミじゃん。僕は、去年20万円のギターを買ってもらったよ」と横でその新品のギターを弾き始めた。俺は所謂大人気とかないから「いけ好かないなあ(笑)」と思いつつ、ライブをして、地元のガキンチョとバスケをして遊んで楽屋に帰ってきたら、ライブを見に来てくれていた奈良美智さんが、ギターに絵を描いてくれていたんですよ。その前にも黒田征太郎さんの筆も入ってて唯一無二のオリジナルなものに成長した。何が言いたいかというと「ゴミと言われたものが、ピュアにやっていると一瞬でお金の議論が入り込む隙間もない状態にまで化けることがあるんだぞ」ということで。資本主義というものがいかに脆く、そういうものを出し抜く力というのがピュアネスにはあるんですよね。そして、そういう痕跡や記憶を、この“元ゴミ”ギターはすでに背負ってしまっている、というわけです(笑)。

福岡「LIGHT YEARS」で買った謎のオブジェ

マヒト:これは福岡の「ライトイヤーズ(LIGHT YEARS)」というショップで購入しました。火山岩を用いた自宅の照明もここで買った。

F:これは何ですか(笑)?

マヒト:何もわからない(笑)。ドープですよね。多分、牛の糞や土とかを混ぜ合わせて作られているんだけど、なんだろうね。

マヒト:何かを買う時、物の方から自分を選んで来る時ってありませんか?人との関わりもそうだと思うんですけど、何かを選んでいる時って向こうにも選ばれていて、相互的に関わりがあるもんだと思うんですよ。これは「俺、選ばれちゃったなあ」と思ったもの(笑)。完全に目が合っちゃって「はい、よろしく」と家に迎え入れました。

F:(笑)。ドープなアイテムを取り扱っているお店は、どうやって見つけているんですか?

マヒト:オライビ(OLAibi)とよくそういうものを探しに行ってました。彼女はセンスが良かったし、そういう遊びはよくしていたかな。

※オライビ:OOIOOのドラマーでパーカッショニスト。今年10月10日に死去した。GEZANのサポートも行っていた。

F:今日は自宅にお邪魔しています。インテリア選びの基準は?

マヒト:家にあるものって、映画やライブのように自分に影響を与えてくるものでもあるし、映画やライブよりも身近だからその影響力は侮れないんですよね。だから、安心安全の部屋というだけではなく、より混乱するようにデザインしているところはある。「自分はこういう人間だから、こういう部屋が落ち着くはず」とカテゴライズして、その道を走れるようにデザインするというよりは、できるだけその場に留まれないように部屋は作っていると思う。

F:お面もたくさん飾ってありますが、そのどれもが形や作りが違いますよね。

マヒト:いろんな国のお面なんだけど、お面も何かしらの神様だったりするから、多分この部屋で神様同士がケンカしている状態(笑)。そういうピリピリした感じもいいな、と。

F:家はある種のセーフティーゾーンだと思いますが、なぜ安心しきることができない空間を作ろうと思ったんですか?

マヒト:外に出ていても安心できないし、自分も好きな人とだけで生きていける訳じゃないから。分かり合えない他者と生きていかないといけないし、それが外の世界を生きるということでしょう。そういう状況で、家が安心安全だったら家から一歩も出なくなるだろうし、出たとしても自分の知っている居心地の良いコミュニティだけに逃避するようになって、いずれは知らないコミュニティを攻撃するようなリズムに乗りやすくなると思う。だから、世界という縮図が家の中にもあるべきだな、と。

アマゾンに生息していた蛇の骨を用いたネックレス

マヒト:「霊性」という意味ではこれも買ってよかった。古着屋「デプト(DEPT)」のオーナーeriと、コムアイ、オライビと一緒に、トレイシングルーツというイベントに行って、買いました。

F:素材はなんですか?

マヒト:アマゾンの蒐集家で、顔の可愛いらしいおじいちゃんが狩ってきた蛇の骨に、ベルベル人が作ったシルバー、ナイジェリアの石が装飾されていると聞きました。骨だけだと、首にぶら下げた時にチクチクして痛いんですよ。それだと首にかけられないから、とワンダーフルライフの千加子さんが紐を取り付けてネックレスにしてくれました。蛇の骨って超ミニマルで。一つでも骨が欠けてしまったら、この曲線は途切れてしまう。

F:先ほどから度々、今年亡くなったオライビさんの名前が出てきますね。

マヒト:オライビから貰ったものとか、一緒に買いに行ったものが結構あるんですよ。今日つけている黒曜石を使ったネックレスも、オライビの息子アナンが作ったやつだし。この蛇のネックレスも、オライビと遊んだり、買い物に行った時間や記憶の痕跡を背負っている。いつか俺が死んだら、このネックレスも俺の手を離れて誰かのものになっていくんだけど、俺が知っている時間や記憶を知らなくても、痕跡が宿っている物には自ずと誰もが参加できるような余白が残っているんじゃないかな。

黒曜石のネックレス

マヒト:ファッションは年に2回、毎シーズン新しい服を作り続けているけど、蓋を開ければ「Y2K」だとか数十年間に流行ったものをトレンドにしてみたりしている。そういうことを一生繰り返しているから、もはや「かっこいい」とか「かっこよくない」とかが無いんだよね。

F:いま流行っているものが、3年後にはダウントレンドになっているなど、異常な速度でファッションのサイクルは巡っています。

マヒト:そのサイクルの中で「ファッションとは何か」を考えると、俺の答えは「自分の内側の声」。「黒と灰色、理由はないけど黒が好きなんだよな」みたいに、本当はただ求めているだけの欲望が全員にあるはずなんだけど、そのことを省みる余裕がないくらいの速さでファッションのサイクルが追い越して行っているんじゃないかな。こんなことは、いろんな人が気がついていると思うんだけど、それがビジネスと結びついているから止めるわけにもいかない。足を止めることが許されず、前に進むしかない機関車みたいにね。

インド旅行中に購入したカシミヤの布

マヒト:今年の5月にインドに行って。この布を売ってくれたインド人とすごく仲良くなったんですよ。日本だと、お店に行って仲良くなったらその人のことちょっと信用しちゃうじゃないですか。でも、俺がお金を持っていると分かった時点から、チャイをすごい勧めてきて。断ったら、今度はコーヒーを勧めてくる。明らかにスイッチが入って空気が変わった瞬間を察知したの。

F:勧めてきた飲み物に睡眠薬を入れて、財布やパスポートを盗むというのは常套手段と聞きますよね。

マヒト:俺の友人もその詐欺に合ったと聞いたばかりだったし。もしかしたら本当に善意だったかもしれないし、本当のところはわからないんだけどね。後々よく考えてみればこの布も相当高めにふっかけられている(笑)。

 日本で適応できていた優しさや愛みたいなものが、環境が異なると全く適応できなくて。騙そうとしてきたその人が悪いとかではなく、環境が悪すぎるとそもそもの常識が変わってしまうというか。日本での暮らしは、安全な国の中で出来ていたことだったんだな、みたいなことを思った。今ここで生きている常識だけではなく、その国や地域によってものすごい数の常識がある。そういうことを思い出させてくれる布です。

F:見るたびに、騙されたかもしれないことを思い出すのは辛くないですか?

マヒト:観光客だけに定価よりも高い値段を付けてきたり、騙されたりすることはもちろん落ち込むし、ショックだし、損した気分にもなるんだけど、その環境で生きている彼らの切実さを思うと「定価ってなんだっけ」と思って。その時に「良い」と思えて、買おうと決めたなら、それがどんな値段でも正解だったのかな、と。

F:この布にも記憶が宿っていますね。

マヒト:特別だよね。同じ布を日本で安く買うことよりも価値がある。「記憶」や「特別」はなにもポジティブな意味だけではない。自分の心が揺れたり震えたりすることも「買い物」に含まれるんじゃないかな。だって、人一人の人生が一本の映画だとして、いいことしか起きない映画って何にも面白くないと思うよ。

今年を振り返って

F:記憶や時間が宿る物が好きだ、というお話がありました。普段着ている服も古着やヴィンテージアイテムが多いんでしょうか?

マヒト:友人のつながりの中で集まってくるものがほとんどです。今日の上のニットは「TEARS OF SWAN」、パンツは「タイトブース(Tightbooth)」、帽子は高円寺の「はやとちり」、靴下は大阪の「ウィムジー(WHIMSY)」で手に入れたものです。

F「アイデンティティが最後の爪痕を残そうとレイシストに応援オファーのメールを送る」といった歌詞に代表されるように、その人が持つ肩書やアイデンティティを「記号」としながらも、自身は「赤い服にロン毛」というある種のトレードマークをキープし続けているのは何故ですか?

マヒト:簡単に言っちゃうと、単純に楽しんでいるだけだね。俺は「何をやっても許される自由」というのは、本当はあまり自由な状態じゃないと思っていて。「なんでもやっていいよ」と言われると、自由になったような気持ちになりがちだけど、意外とそんなことない。本当の自由は、何かの制限や抑圧を超えていく時に初めて感じられるものなんじゃないかな、と。

 何が言いたいのかというと、本来、人間は「何でも出来るし、何をしてもいいよ」と自由すぎるが故にあまり自由ではない状態で生まれてくる。だから、人はみんな本当の自由を求めて、数多くある抑制の種類を挙手制で選んでいるんだと思う。俺は「音楽」「赤い服」「ロン毛」に手を挙げて、ある意味で自らの抑制に選んだ。それによってどういう風に心や現象が動くか、というのを楽しんでいるんですね。自分が一番最初に触れる他者でもあるから、そいつのRPGを楽しんでるというか。

F:買い物として一年を振り返ると、どんな一年でしたか?

マヒト:買い物って、家に持ち帰ることですよね。それは「記憶を持ち帰る」と言い換えることもできる。俺の今年の話で言えば、オライビや身近な友達がいなくなって、その人と生きた記憶が物に残ったし、フジロックで着た衣装が時間を背負って残った。そういうことを経て「一度は始まって、生まれてしまったものは二度と消えることができないんだな」と痛感したし、ある種、感情発火装置としてのそれらを買うこと、持つことは時間を引き受けるという意味で責任のあることでもあるな、と。

F:ある意味では、記憶を買っているということになりますもんね。

マヒト:「記憶を着ている」というのもあるしね。例えば、大事な局面に着る服は、その服に記憶や大切な時間が宿ることが約束されているわけだし、記憶の痕跡があるものを買ったり売ったりすることってすごいサイケデリックなことだと思うんです。でも、資本主義がそれをカウントに入れて無さすぎるんです。金額を動かすと言うことではカウントしているけど、記憶が手渡されたり、残ったりすることが計算に入っていないのは、霊性に対する重要な欠陥だよね。

■マヒトゥ・ザ・ピーポー
2009年に大阪でバンドGEZANを結成。作詞作曲を担い、ボーカルとして音楽活動開始。2012年に拠点を東京に移し全国各地で独自の視点をもとに活動を行っている。国内外の多彩な才能をおくりだすレーベル・十三月を立ち上げ「面白さの価値は自分で決めてほしい」というコンセプトから「全感覚祭」を2014年より開催している。2022年3月27日にキャリア史上最大キャパとなるワンマンライブを日比谷野外大音楽堂にて開催した。個人として、2019年5月には初小説「銀河で一番静かな革命」(幻冬舎) 、2020年11月には初エッセイ集「ひかりぼっち」(イースト・プレス)、2023年2月には自身が文章を手がけた絵本「みんなたいぽ」(ミシマ社)などの執筆業のほか、初監督・脚本を務めた映画「i ai」など、活動の幅を広げている。
インスタグラム:@mahitothepeople_gezan

■マヒトゥ・ザ・ピーポーによるソロ企画「遠雷 vol.3」
出演:マヒトゥ・ザ・ピーポー、山本精一
日時:2023年12月19日(火)
開場・開演:18:30・19:30
会場:渋谷WWW

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