2026年秋冬ウィメンズ#08 バイヤーアンケート<後編>──国内有力ショップは何を買い付ける?

Image by: ©Launchmetrics Spotlight

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2026年秋冬シーズン(プレフォール含む)、バイヤーの注目を集めたブランドは? FASHIONSNAPではメンズに続き、国内有力ショップのウィメンズバイヤーにアンケートを実施。印象に残ったブランドから、買い付け予定のアイテムまで調査し、前後編に分けて紹介する。後編はバイイングの軸と象徴的なアイテム、買い付けブランドや展開が増えそうなブランドを聞いた。
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アンケート<後編>
回答してもらったバイヤー

Taki Tanaka
イザ代表取締役 兼 グルッポタナカCMO
「ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)」「ニナ リッチ(NINA RICCI)」「パトゥ(PATOU)」など複数の海外コレクションブランドの日本総代理店であるグルッポタナカを手掛けながら、セレクトショップ「イザ」オーナーバイヤーとして世界の最新モードを発信し続ける。2023年にクリエイティブディレクターとしてラグジュアリーウェディングコレクション「AFFECTIONS BY TAKI」を始動。またライフワークとして、乳がんの正しい知識を啓蒙するピンクリボン運動を始め、動物愛護、女性支援、災害支援、LGBTQ支援などさまざまな社会活動にも積極的に取り組む。
5. バイイングの軸
・インターナショナルギャラリー ビームス 丸山恵利佳:コレクション全体でも充実していたアウターとニットをバリエーション豊かに展開します。フォルムが特徴的なウェアも目立ったため、そこも意識してバイイングしました。
・ユナイテッドアローズ バイヤー 原枝里:為替の影響から、お洋服を選ぶ視点も少なからず変化したように感じます。出来るだけ長くワードローブとして大切にしていただけるよう、素材・着心地の良いニットや愛着が湧くようなアウターをバイイングの軸とし、同時に純粋にまとうことの楽しさを感じていただけるようなスパイス要素になりうるファッションアイテムとのバランスを大切に進めていきたいと考えています。
・ロンハーマン ウィメンズ バイヤー 伊藤智子:遊び心がありながらもシックで、自由にスタイリングを楽しむ大人の女性をイメージして買い付けを行いました。
・パリゴ ウィメンズディレクター 髙垣佳代子:「パリゴ(PARIGOT)」らしさという軸をベースに、上品で洗練されたアイテムを、女性ならではのコーディネイトの幅やシーンによるスタイルで楽しんでいただけるように考えています。
・リステア クリエイティブ・ディレクター 柴田麻衣子:原点に回帰。トレンドだけではなく、クラシックなもの、タイムレスなものも含め、プロダクトのカテゴリも広げて幅広く、ヘルシーに(価格的にも)ファッションを楽しめるラインナップを揃える。
・ベース ディレクター 重山佳代:数年間続いたクワイエットラグジュアリーの洗練された流れを活かしつつ、遊び心やファッションの楽しさ、ポジティブなムードを感じており、上質な素材感はそのままにもっと自由で個人のスタイルを楽しめるようなバイイングを意識しました。コレクションブランドを日常着に落とし込み、自分自身やスタッフ、お客様のお顔を思い浮かべながら、ワクワク出来るお店作りを想像しながらバイイングしました。
・バーニーズ ニューヨーク ウィメンズバイヤー 宮嶋泰子:パンツカテゴリーを強化する予定です。今シーズンはパンツのバイイングを意識的に増やし、スタイリングに変化をつけていきたいと考えています。デニムに加え、シルエットや素材で差のつくアイテムを取り入れ、バランスのある提案を行っていきます。
・ジャーナル スタンダード バイヤー 高田麻紀:お気に入りのアイテムに肉付けしていく感じ。今回は久しぶりにフェアアイルやアーガイルなど、原点に戻ったものをどう着ていくかでしょうか。
・阪急阪神百貨店 (売り場)バイヤー 源野里沙子:エレガンスのムードがひときわ目立っていましたが、D-LABではレトロなアイテムやひねりが入ったアイテムなどを中心に、プレイフルなお洋服を提案します。
・イザ代表取締役 田中タキ:価格の高騰などさまざまな問題を抱える中、高くてもプライスに合ったバリューと魅力のある服。また、ドレスなどイザが得意なアイテムをしっかり買い付けた。
複数のバイヤーに共通していたのは、アウターやニットといった主軸アイテムを中心に据えながら、長く愛用できる普遍性と着る楽しさのバランスを重視する姿勢だ。上質な素材や着心地といった本質的な価値に立ち返りつつ、フォルムや遊び心のあるアイテムを織り交ぜることで、自由なスタイリングを提案。より個人の感性に寄り添うポジティブなムードが色濃く反映された。カテゴリーではパンツの強化など、スタイリングの幅を広げるという回答も。
6. 今季を象徴するアイテム




MARNI
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・インターナショナルギャラリー ビームス 丸山恵利佳:一張羅のような素敵なアウター。
・ユナイテッドアローズ バイヤー 原枝里:ナローシルエットに上質な素材や表情のあるファブリックを使用したジャケットやアウター。ネクタイやスカーフの小物遣い。
・ロンハーマン ウィメンズ バイヤー 伊藤智子:色物のアウターや、配色使い・レイヤードで色の掛け合わせがされたトップス、レザージャケット、スエードの小物。
・パリゴ ウィメンズディレクター 髙垣佳代子:エコミンク素材のファーアウター。ショートジャケットからベスト、ハーフコートまで多彩なデザインのアウター。スカーフ・マフラー・靴下・ベルトなどの服飾小物など、コーディネイトを格上げしてくれるアイテムを充実させています。キーカラーのレッドのアイテム。アウター・ニット・ワンピースなど。
・リステア クリエイティブ・ディレクター 柴田麻衣子:シャープなテーラリング、シャツのバリエーション。
・ベース ディレクター 重山佳代:チェック柄。レイヤード。レース。細身シルエット。
・バーニーズ ニューヨーク ウィメンズバイヤー 宮嶋泰子:構築的なシルエットを持つアウターやトップス。いわゆるジャケットだけでなく、ブルゾンなど気軽に着られるアイテムもレザーやツイード、ハラコといった素材を用いた表現が印象的でした。
・ジャーナル スタンダード バイヤー 高田麻紀:上質なニット、レザー。
・阪急阪神百貨店 (売り場)バイヤー 源野里沙子:目を引くような色使いのアイテム。デザインにひねりが入った“ひとくせ”アイテム。
・イザ代表取締役 田中タキ:レザーやファーアイテム。前シーズンから復活の兆しは見えたが、今シーズンは本格的に。ロマンティックとテックのミックスによって、リアルクローズに。
今季を象徴する筆頭アイテムは、装いの主役となる存在感たっぷりのアウター。ナローシルエットや構築的なフォルムを軸に、上質な素材や表情のあるファブリックを用いたジャケットやコートが浮上している。レザーやツイード、エコミンクなど素材のバリエーションが豊富で、ブルゾンのような軽やかなアイテムも。小物ではネクタイやスカーフなど、スタイリングにひねりと変化をもたらすピースにも注目が集まった。
7. 買い付けたいブランドとアイテム








Façon Jacmin
・ユナイテッドアローズ バイヤー 原枝里:今季は全体的に豊かな表情のニットが大豊作で、中でも「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のニットは唯一無二の柄やニットの付け襟など、スタイリングを楽しめるアイテムを買い付けしています。初買い付けは「ジュリー ジョセフィン(JULIE JOSEPHINE)」2026年プレフォールのシャツ。オスロ発、日本初上陸のブランドです。ブランド定番の白シャツをメインにウールシャツやカットソーなど、北欧のエッセンスがありながらも大人がきちんと着られるコンサバなアイテムを中心に展開予定。
・ロンハーマン ウィメンズ バイヤー 伊藤智子:初買い付けは「ヴァレンティノ ガラヴァーニ(VALENTINO GARAVANI)」2026年プレフォールのウェア、バッグ、シューズ。ほかは、「ラングラー×ピリングス(Wrangler × pillings)」。ピリングスらしいラングラーとの初めてのコラボとなるデニムジャケットがあまりに素敵で、ブラックデニムの素材は色をおさえました。
・パリゴ ウィメンズディレクター 髙垣佳代子:ドリス ヴァン ノッテンのピクセル柄のコート・シャツ・パンツ。展示会場に飾られたお花の前にピクセルに見えるガラスを置いてコンセプトを見せる演出も含めて良かった。初買い付けは「ファソン ジャックマン(Façon Jacmin)」2026年プレフォールのボンバージャケット・ショートジャケット・シャツ・パンツ・デニムなど。
・リステア クリエイティブ・ディレクター 柴田麻衣子:「エー エメリー(A.Emery)」スタンプクロコのロングブーツとポニースキンのフラットなど。「デュークアンドデクスター(Duke + Dexter)」タトゥ柄をハンドライティングしたローファー。「Hwasan 」のアイコニックなダウンジャケット。「サンデーフルーツマーケット(Sunday Fruits Market)」のキッチュなアウター。「シモーン ロシャ(Simone Rocha)」と「アディダス オリジナルス(Adidas Originals)」の話題のコラボレーション。「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」2026年プレフォールを中心に、カフスやバッグなどのアクセサリーも。「アー・ペー・セー(A.P.C.)」のデニムやコラボピースなど。「ビューティフル ピープル(Beautiful People)」のバッグ。「マックスマーラ(Max Mara)」のアウター。
・ベース ディレクター 重山佳代:「マルニ(MARNI)」の遊び心のあるニットやパンツ。メリル・ロッゲ(Meryll Rogge)のクリエイションが好きで、2026年秋冬から新クリエイティブ・ディレクターとして就任したことで買い付けました。フェミニンさとマスキュリン、相反するスタイルにスポーティさやレトロ感を加えたクリエイションをお店のフィルターを通して提案したいです。「アクセップ(AXEP)」のジュエリー。洋服を飾るアクセップの新感覚ジュエリーは面白いアプローチに心惹かれました。ほかには「パロマウール(PALOMA WOOL)」のトップスやパンツ、「ユークロニア(EUCHRONIA)」のレース。
・バーニーズ ニューヨーク ウィメンズバイヤー 宮嶋泰子:今季から取り扱いスタートする「T.T(旧 Taiga Takahashi)」。2026年プレフォールのコートやレザーブルゾンなど、ブランドの世界観を感じられるアウターを揃えています。同じく初買い付けの「カルヴェン(CARVEN)」は構築的なスエットトップスや、ショーでも印象的だったワインカラーのシャツ&ドレスなど展開予定。
・ジャーナル スタンダード バイヤー 高田麻紀:「SALVATORE STUDIO」。
・阪急阪神百貨店 (売り場)バイヤー 源野里沙子:「チャールズ ジェフリー ラバーボーイ(Charles Jeffrey Loverboy)」のウェア、雑貨全般。「FEY FEY WORLDWIDE」のウェア、雑貨。「アンスクリア(INSCRIRE)」のウェア。
・イザ代表取締役 田中タキ:「ロエベ(LOEWE)」のジャケット、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のコート。ほかには「ジャックムス(JACQUEMUS)」「ダークパーク(DARK PARK)」「ニナ リッチ デイズ(NINA RICCI DAYS)」(ニナ リッチの日本限定ディフュージョンライン)。
ニットが豊作な今シーズン、柄やディテールでスタイリングの幅を広げるアイテムが買い付けの本命に。ブランドの世界観を体現するエッセンスが感じられるアウターにも注目が集まったほか、シモーン ロシャ×アディダス オリジナルスといった話題性の高いコラボレーションも。新規ブランドではジュリー ジョセフィンやファソン ジャックマンなどがラインナップ。カフスやつけ襟といったアクセサリーを用いて新しさを感じさせながらも、日常に無理なく取り入れられるバランスの提案が浮かび上がった。
8. 展開が増えそうな既存ブランド





Max Mara
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・ユナイテッドアローズ バイヤー 原枝里:「トーテム(TOTEME)」「オーラリー(AURALEE)」マックスマーラ。
・ロンハーマン ウィメンズ バイヤー 伊藤智子:「ナキエ(Nackiye)」。
・パリゴ ウィメンズディレクター 髙垣佳代子:「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」「ルメール(LEMAIRE)」。国内ブランドでは「ハイク(HYKE)」、「マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)」「フェティコ(FETICO)」。
・リステア クリエイティブ・ディレクター 柴田麻衣子:日本ブランドは全体的に好調。常に人気の「サカイ(sacai)」のほか、マメ クロゴウチ、フェティコ「メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)」。韓国発「ボンボム(BONBOM)」とはスペシャルな企画も。
・ベース ディレクター 重山佳代:「ブレス(BLESS)」「アンスクリア(INSCRIRE)」。
・バーニーズ ニューヨーク ウィメンズバイヤー 宮嶋泰子:「カルバン ・クライン コレクション(Calvin Klein Collection)」、「ゲスト イン レジデンス(Guest in Residence)」、フェティコ。
・ジャーナル スタンダード バイヤー 高田麻紀:「レイヤーズ(LAYAS)」。
・阪急阪神百貨店 (売り場)バイヤー 源野里沙子:「マリーン セル(MARINE SERRE)」「ティーエスティーエス(TSTS)」「コブルドゥ(cobble du)」「リブノブヒコ(RIV NOBUHIKO)」「ヨウヘイ オオノ(YOHEI OHNO)」「セシリー バンセン(CECILIE BAHNSEN)」。
展開が増えそうな既存の取り扱いブランドについては、トーテム、マックスマーラ、オーラリー、ルメールなど、上質さとリアリティーを兼ね備えたブランドが安定した強さを見せた。一方で、サカイやマメ クロゴウチ、レイヤーズといった日本ブランドの存在感も際立っている。さらに、カルバン・クライン コレクションやマリーン セルなどが挙がった。
最終更新日:
Chikako Ichinoi
1986年神奈川生まれ。慶應義塾大学商学部を卒業後、三越伊勢丹に入社。伊勢丹新宿本店メンズ館の紳士雑貨でアシスタントバイヤーを務めた後、2011年にINFASパブリケーションズ入社。「WWDジャパン」記者として、主にメンズファッションを担当。ピッティ、ミラノ、パリメンズコレクション取材を始め、セレクトショップや百貨店、ファッションビルのビジネス動向を取材。現在はフリーランスとして、ファッションやライフスタイル系の記事執筆を手がける。男児と女児の母。
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