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ナイキ一強続く?アトモスとスニダン代表が語る小売とリセールから見たスニーカー市場

(写真左から)本明秀文、内山雄太 Image by FASHIONSNAP
(写真左から)本明秀文、内山雄太
Image by: FASHIONSNAP

 スニーカーシーンのキーマンが市場を振り返る対談企画。今回は、スニーカーセレクトショップ「アトモス(atmos)」を運営するテクストトレーディングカンパニーの代表 本明秀文と、国内最大規模のスニーカーフリマアプリ「スニーカーダンク(SNKRDUNK)」を運営するSODAの代表取締役 内山雄太の2人に2021年上半期のスニーカー市場について語ってもらいました。

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■本明秀文(ほんみょうひでふみ)
 1969年生まれ。アメリカの大学を卒業後、商社勤務を経て、1996年に原宿のジャンクヤードにスニーカーショップ『CHAPTER」をオープン。 1997年に「テクストトレーディングカンパニー」を設立。2000年に「atmos」を初出店し、現在は国内外で出店しており、世界的に影響力のあるスニーカーショップとして知られている。

■内山雄太(うちやまゆうた)
 2018年7月にスニーカーフリマ「スニーカーダンク」を運営するSODAを設立。マーケットプレイスをはじめ、人気スニーカーの発売情報を配信する「メディア」、スニーカーを中心としたコーディネート写真やリストック情報などが毎月数万件以上投稿される「コミュニティ」といったコンテンツを展開している。

2021年上半期のベストスニーカー

—スニーカーの一次流通と二次流通のそれぞれを代表する2人に集まっていただきました。2人は年間どれぐらいスニーカーが増えていきますか?

本明秀文(以下、アトモス本明):僕はメーカーさんから送られてくることが多いので週に3足ぐらい。それに加えて海外のコレクターとかから欲しいものを買っているので年間だと250足くらいだと思います。

内山雄太(以下、スニダン内山):そんなに貰えるんですね(笑)。僕は月に1〜2足程度。年間で20足ぐらいですね。

—今日は2021年上半期のベストスニーカーを持ってきていただいたのでそれぞれ見ていきたいと思います。

アトモス本明:僕は「アディダス(adidas)」と「オールバーズ(Allbirds)」のコラボレーションシューズを持ってきました。近年「サステナビリティ」が一つのキーワードになっていて、「ナイキ(NIKE)」が「スペース ヒッピー(Space Hippie)」を発表したり、アディダスは「スタンスミス(STAN SMITH)」をリサイクル素材に切り替えたり、スニーカーの二大巨頭が市場を牽引しながら色々なブランドがサステナビリティに取り組んでいます。オールバーズは売り上げで言うと年間300億円程度ですが、ニューヨークなどで凄く人気で企業価値は1500億円にも上ると言われています。たぶんアディダスに売ろうとしていて、その一環でこういったモデルを作っているんだと思うんです。

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—2021年秋冬シーズンに1万足限定で一般販売をする予定みたいですが、内山さんはこのモデルを知っていましたか?

スニダン内山:知らなかったです。オールバーズはうちのサイトで取り扱っていないですし。

アトモス本明:スニダンはハイプなものが人気だからね。スニダンでオールバーズ売っていてもお客さんは来ないと思うよ。サステナビリティと言っても若者にはそんなに売れないんです。買っているのは35〜45歳ぐらいがほとんどで。でもナイキとアディダスは若者に売れないとわかっていながら、未来を見据えて取り組んでいるので流石だなと思います。

—持ってみると凄く軽いですね。

アトモス本明:軽さ、履き心地の良さに驚くんですけど、何が一番衝撃だったかというとスニーカーの匂いがしないことで。嗅いでもらうとわかるんですけど、ナイキのスペースヒッピーとかはゴムの匂いがするんですよね。だからサステナビリティと謳っているけれど大手でも全てできているわけではなくて、ボンドだったり細かいディテールまではコスト的に合わなくてケアしきれていないところがあると思うんです。オールバーズは量を売りたいというのはもちろんあると思うけれど、最初から良いものを作りたいというコンセプトがベースにあって。ビッグブランドと同じ方法だと資本勝負になって戦えない、だから本当のサステナビリティを追求してナイキやアディダスとは違う面白い取り組みをしているんです。オールバーズのブランド戦略と、アディダスのサステナビリティを考えた投資の2つが合わさった上半期のスニーカー市場を象徴するような一足なんじゃないかと思っています。

—内山さんのベストスニーカーは?

スニダン内山:僕は、エア ジョーダン 1(AIR JORDAN 1)の1985年オリジナルの復刻として今年2月に発売されたモデルです。僕たちの市場はどんな形であれ人気がないと回らないので、サステナビリティだったり社会的な背景は考えずに選びました。

アトモス本明:スニダンの社長が、僕が持ってきたアディダス×オールバーズの靴を好きですって言ってたら説得力ないからね(笑)。内山くんはわかりやすくトロフィー ルームのエア ジョーダンを持ってくると思っていたくらいだし。

スニダン内山:個人的に白色のモデルが好きなんです。仕事中はサンダルでいることが多いのと、ハイカットは大変なので今日履くのが3回目なんですけど(笑)。

アトモス本明:僕たちはOGと言えばダンクにしてもジョーダンにしても、エア フォース 1にしてもハイカットが基本なんですよ。でも今はハイカットの人気はあまりなくて、ローカットが売れる。僕ら世代とはジェネレーションギャップがあるんですよね。

—内山さんはもともとエア ジョーダン 1が好きですか?

スニダン内山:いや、エア フォース 1が好きです。そんなにたくさん持っているわけではないんですけど、最近だとゴアテックス(GORE-TEX®)搭載のモデルを買ったり。「ア コールド ウォール(A-COLD-WALL*)」とのコラボモデルは好きすぎて3足履き潰すまで履いたので、また買いたいなと思っています。高いのでポンポンは買えないですけど。

アトモス本明:本当に高くなったよね。徐々に上がっている?

スニダン内山:ハイプなスニーカー全モデルの傾向として、販売開始直後に少し下がり、また徐々に上がっていくという流れが多いですね。

アトモス本明:あと、2015年以前のエア フォースとかダンクは全然数がなくて高くなっているよね。僕らは一次流通だから店舗への入荷数でだいたいの生産数がわかりますけど、2017年以前は本当に少なかった。最近は売り切ることができるのかというぐらい作っていたりしますから。

スニダン内山:加えて発売されるモデル数も多いですからね。自分のサイトで新作情報をチェックしていますが、明日も発売なんだということがよくあります。ベストスニーカーで紹介したエア ジョーダン 1のローカットも今度発売されますよね。あれは人気出そうですが。

アトモス本明:ローカットは売れる。けれどハイカットは売れにくいですね。色が悪いハイカットは見る影もない。

スニダン内山:そこまでではないと思いますよ(笑)。

アトモス本明:景気が悪いからシンプルなもの。ツートーンのモデルとかが人気なんだよね。

次のページは、2021年上半期の振り返りとこれからの市場について

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