今年のお買い物を振り返る「2021年ベストバイ」。11人目は、ファッションスタイリストの濱本愛弓さん。モード誌を中心に活動するほか、メディアやインスタグラムで紹介する自身の私服も注目を集めており、モデルとして撮影をこなすこともある売れっ子スタイリストです。2020年からゾゾタウン(ZOZOTOWN)と協業したファッションブランド「ヒロサイ(HIROSAI)」を手掛けるほか、セレクトショップとコラボアイテムを発表するなど、活躍の幅は多岐にわたります。花器の収集を趣味にし、インテリアコーディネートも得意とする濱本さんのご自宅にお伺いして、2021年に買って良かったモノ10点を教えていただきました。
目次
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林志保 オブジェ
FASHIONSNAP(以下、F):1品目は陶芸家の林志保さんの作品ですね。有機的な曲線が特徴的なオブジェです。
濱本愛弓(以下、濱本):志保さんの展示会に伺って購入したものです。女体のような曲線美が美しくてとても気に入っています。志保さん作品は黒が多いんですが、今回は白い作品で好みの形のものに出会うことができたので、購入させていただきました。
F:志保さんの作品との最初の出会いは?
濱本: 3年前くらいにインテリアショップの「シボネ(CIBONE)」で一目惚れしたのがきっかけでした。陶芸は「作品を購入する」という特別感のある買い物なので、少しずつ集めています。これで志保さんの作品は4作品目になります。
F:次に狙っているものはありますか?
濱本: 次は黒い作品で、小さいオブジェに出会えたら購入したいと考えています。
大城健作 鏡
F:デザイナーの大城健作さんによる姿見ですね。左右非対称なカットが特徴的な一品です。
濱本:ソファで有名なインテリアブランド「リーン・ロゼ(ligne roset)」のインスタグラムで見て、一目惚れでした。今年3月に引っ越しをしたときに、タイミングを合わせて店舗に見にいって購入したのですが、4ヶ月待って海外から届きました。
F:大きな買い物ですね。決め手は?
濱本:これまでは普通の姿見を使っていたのですが、やはりスタイリストの仕事をする上で、鏡はとても重要なものなので少し奮発して購入しました。
F:使ってみていかがですか?
濱本:部屋に置いているだけでアート作品を飾っているよう。大きいので空間が広く見え、黒いふちが部屋を引き締めてモダンにしてくれるのも気に入っています。
KITOWA ディフューザー、お香
F:続いてもインテリア関連のベストバイですね。和木の天然オイルを使ったフレグランスブランド「キトワ(KITOWA)」のお香とディフューザーですね。
濱本:キトワはセレクトショップで見つけて、はじめにお香を購入したのですが、気に入って2個目のリピート中です。クスノキ、ヒノキ、ヒバの3種類があるのですが、私はクスノキを選びました。ギフトとして友人に贈ることもあります。
F:ディフューザーはお部屋のインテリアにもマッチするデザインですね。
濱本: 有田焼の容器が凛としていて美しくて、普段は玄関に置いています。
F:入口からとてもいい香りがしました。濱本さんのお家は、和のテイストのものを多く取り入れられていますね。
濱本:私自身が日本人ということもありますが、和の香りにもなじみがあってとても癒されるんですよね。花器も食器も、いつも惹かれるのが日本の作家さんの作品で、自然と多く集まっていました。
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Cartier マイヨン パンテール リング
F:ファッションアイテム1品目は「カルティエ(Cartier)」のリングですね。メゾンを象徴する動物、パンテール(豹)の名を冠した一品です。
濱本: 普段から撮影でジュエリーを扱うことは多いのですが、特にカルティエのパンテール コレクションには強い憧れを抱いていました。レイヤードしやすいゴールドのチェーンのデザインのものを選びました。
F:購入のきっかけは?
濱本:銀座をふらっと歩いていたときにカルティエに入って購入したんです。特別なきっかけではなかったんですが、販売員さんに「ゴールドの価格が高騰している」と伺って、今買っておかないと思いましたね。ずっと欲しいと思っていたものだったので、タイミングが来たという感じでした。
F:どんな時に付けていますか?
濱本:他のリングと重ね付けして、毎日身につけていますね。実は私にとってこれがファースト カルティエでした。価格は20万円台ですが他のアイテムよりもお手頃なので、最初に買うのにおすすめですね。
DRIES VAN NOTEN デニムスカート
F:続いて「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のスカート。ジーンズを再構築したようなデザインがポイントですね。
濱本:今秋冬からデニムが気になっていました。デニムはカジュアルになりがちですが、このドリスのスカートは前後に大胆なスリットが入っているので、ドレッシーにも着こなすことができます。
F:濱本さんはドリス ヴァン ノッテンを多く持っている印象があります。
濱本:大好きなブランドの一つで、毎シーズン必ず購入しています。アシスタント時代に購入できなかった時のアーカイヴコレクションも、古着で見つけたときには買うようにしています。
F:ドリスがお好きな理由は?
濱本:華やかな花柄など主役になる服が揃っていて、いつも人々を魅了するツボをおさえていますね。ドリスからも和を感じるデザインがあり、そこにも惹かれています。
DRIES VAN NOTEN 花柄コート
F:お次もドリス ヴァン ノッテン。ブランドらしい花柄のライトコートですね。
濱本: 2021年春夏のものです。このシーズンは写真家のヴィヴィアン・サッセン(Viviane Sassen)と協業した鮮やかなヴィジュアルと動画が、心に留まりました。ドリスもサッセンも大好きなので、印象に強く残りましたね。
F:デザインは、黄色と紫のコントラストの効いた花柄が特徴的ですね。
濱本: ドリスはインドの職人と取り組む刺繍も強みではありますが、コロナ禍でコレクション制作に制限がある中で、プリントの手法で華やかなコレクションを生み出していることに感銘を受けました。こちらもアーティストとのコラボレーションによる柄だそうです。
F:どのようにスタイリングしていますか?
濱本: このコートが主役級なので、シンプルなアイテムの上に羽織ることが多いですね。アウターとしても着ますし、アウターの下に重ねてコートワンピのように合わせるなど、長いシーズン使えるのも嬉しいです。
PRADA メンズコート
濱本:ラフ・シモンズ(Raf Simons)が入って2シーズン目の2021-22年秋冬の「プラダ(PRADA)」メンズコレクションのものです。ルックではブルゾンの下に重ねていたので隠れていたのですが、幾何学柄のモダンな落とし込みがラフ・シモンズらしく気に入りました。特に「ディオール(DIOR)」時代のラフのデザインが好きで、その頃の印象にも近い感じがします。
F:メンズを選んだ理由は?
濱本:普段から、デザインが気に入ったらメンズでも買うことがあります。特にこのシーズンのプラダは、ウィメンズとメンズで共通の柄アイテムが多かったので、メンズの方で好みのコートが見つかりました。
F:女性がメンズアイテムを買うときのコツはありますか?
濱本:試着はマストですね。服に着られている感が出ないように肩のフィットなどをしっかり合わせるのが大事だと思います。私はよくニットやコートでメンズのものを見つけることがありますね。
Jimmy Choo ショートブーツ
F:こちらは「ジミー チュウ(Jimmy Choo)」のショートブーツですね。アンクレットのような装飾がアクセントになっていますね。
濱本:キラキラしたデザインが好きで、こちらは履きやすい上にポインテッドトゥで上品に見えるのが心をくすぐられます。カジュアルな服にもドレッシーな服にも合わせられるので重宝していますね。
F:濱本さんは普段からヒールを履いている印象があります。スタイリストはショールームを回り、撮影は終日立ち仕事のようなことも多いと思いますが苦にはなりませんか?
濱本:私にとって、ヒールは仕事靴。オフの日はフラットを履くこともあり、オンとオフで分けていますね。仕事日はヒールを履いていないと落ち着かないです(笑)。ただロケで階段の登り下りが多い時などは、周囲に迷惑をかけないように配慮した靴を選ぶこともあります。
F:好きなシューズブランドはありますか?
濱本:私の中で、ジミー チュウと「ジャンヴィト ロッシ(Gianvito Rossi)」がシューズの二大巨頭で(笑)、木型が足にぴったり合うんです。他にも「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」やドリス ヴァン ノッテンの靴の保有率が高くて、基本的にはイタリアのヒールを履いていることが多いですね。
ISABEL MARANT スパンコールトップス
F:こちらは総スパンコールが大胆な「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」のトップスですね。
濱本:先程のジミー チュウの話とも繋がるのですが、キラキラが大好きなので、着ていると「濱本さんらしいね」と言っていただける一着です。
F:華やかで難易度が高そうですが、濱本さんは普段からこのような派手なデザインも自然に取り入れていますよね。
濱本:黒いパンツに合わせてシックに着たり、デニムに合わせてカジュアルにコーディネートしたりと、どんな服と合わせてもエッジを利かせてくれます。タイトめで、肩パッドが入っているシルエットもスタイルアップしてくれるので気に入っています。
F:イザベル マランはどのような印象ですか?
濱本:いつもハッピーなコレクションが多いので、元気がもらえるブランドですね。今まであまり私服で持っていなかったんですが、このアイテムのように1点で映える服が多いので、今後も取り入れていきたいですね。
Bottega Veneta ミニバッグ
F:最後のお品はボッテガ・ヴェネタのミニバッグですね。
濱本:このバッグはころんとした形がかわいく、使いやすそうだと思い購入しました。どの色を買おうか悩んでいたのですが、モノトーンのコーディネートに合わせたいと水色に決めましたね。
F:ボッテガ・ヴェネタといえば、一躍人気ブランドへと押し上げたデザイナーのダニエル・リー(Daniel Lee)の退任が話題になっていますね。
濱本:ブランドに新風を吹き込み、風のように去っていきましたね(笑)。皆が飛びつくようなデザインをたくさん出していったデザイナーだったので、新天地での活躍も楽しみにしています。私自身バッグやシューズを愛用させていただいていますが、ボッテガ・ヴェネタは販売員さんとお話ししながら購入するのが楽しく、いい買い物ができています。
F:接客を受けるのが好きですか?
濱本:時と場合によるのですが、ボッテガ・ヴェネタの販売員さんで信頼している方がいます。買うべきポイントなどをはっきり言ってくださって、「この人から買いたい!」と思うんですよね。他のブランドでもふらっとお店に入ることが多いのですが、接客がよかったら購入することもあります。
今年の買い物を振り返って
F:今年の買い物を振り返っていかがですか?
濱本: 引っ越したことからインテリアが多くなりました。またファッションアイテムでも数十万円単位の大物を購入できたので、総じて自分を甘やかした一年でした(笑)。いい買い物ができるたびに、「次も頑張ろう!」というモチベーションにつながったのでよかったです。
F:来年購入しようと決めているものは?
濱本: 車が欲しいと思っています。大きい車からハイヒールで出てくるような姿に憧れがあって、ジープの4WDやトヨタのランドクルーザーあたりが気になっています。仕事ではロケバスを利用することが多いのですが、休日に遠出する際に自走できたらいいなと思いますね。またダイヤなどの大物ジュエリーも狙っています。
F:仕事面では、来年の抱負はありますか?
濱本:独立して3年が経ちましたが、来年も初心を忘れずに取り組んでいきたいと思います。心に余裕を持って、一つ一つの仕事を丁寧にこなしていきたいです。
濱本愛弓
大阪の美容学校を卒業後、アパレルブランドで販売職を経験。その後上京し、2014年からスタイリストの仙波レナに師事。18年に独立し、モード誌を中心にスタイリングを手掛ける。2020年秋に、「ゾゾタウン」のYOUR BRAND PROJECTにて自身のブランド「ヒロサイ」をプロデュース。趣味は花器の収集と、ヴィンテージショップ巡り
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