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【ようこそ古着沼へ】おじさんにこそ似合う? ヴィンテージ高騰の今でも手が届くシャツ

座談会

Image by: FASHIONSNAP

座談会

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 古着の楽しみ方は、人それぞれ。でも、だからこそ「どう楽しめばいいのか、わからない」という人も少なくないのでは。連載「ようこそ古着沼へ」では、古着を愛し続けてきた玄人たちが見出した古着の楽しみ方を紹介します。連載のホストを務めるのは、「ブーン(Boon)」をはじめとするファッション誌でライターやエディターとして活躍してきたアクタガワタカトシさん、全国に店舗を展開する古着屋「フラミンゴ(Flamingo)」代表の植木勝也さん、東京・原宿の老舗古着屋「ベルベルジン(BerBerJin)」の店長としてシーンをけん引する藤原裕さんです。

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アクタガワタカトシ

Takatoshi Akutagawa

ライター・エディター/東京都出身/1972年生

植木勝也

Katsuya Ueki

古着屋「フラミンゴ」代表/東京都出身/1973年生

藤原裕

Yutaka Fujihara

古着屋「ベルベルジン」店長/高知県出身/1977年生

「まだ買える」40〜50年代のシャツ

──「ようこそ古着沼へ」シーズン1のゲストは、古着屋「デザートスノー(DESERT SNOW)」の鈴木道雄 社長。前回は、鈴木さんの古着人生で思い出に残っているアイテムを紹介していただきました。今回はアクタガワさんに、今ハマっている古着を紹介していただきます。

アクタガワタカトシ(以下、アクタガワ):昔から好きな40〜50s(1940〜50年代)のシャツを持ってきました。今回選んだ理由は「まだ買える値段」だということ。昨今、あらゆるヴィンテージが高騰してしまいましたよね。1990年代は数万円で買えていたものが、100万円以上になっていることも珍しくありません。ですが、この時代のシャツはそれほど値段が上がっていないものが多いので、狙い目かなと。

人物

左から藤原裕、アクタガワタカトシ、鈴木道雄、植木勝也

──それぞれデザインだけでなく、素材も違うようですね。

アクタガワ:白地のシャツは、ネル素材です。こういったパネルデザインのコーデュロイシャツは有名になってしまったので20〜30万円することも珍しくないんですが、ネル素材はそれほど高くなっていないんです。

藤原裕(以下、藤原):僕、これのキッズサイズを持ってます。

アクタガワ:キッズは結構あるんだけど、メンズサイズはなかなか見つからないんだよね。とはいえ、今でも10万円前後で買えると思います。

シャツ

藤原「プリントネルの値段はまだそれほど上がっていませんね」

アクタガワ:こちらのピクチャー柄のハワイアンシャツは、ちょっと古くて40sかな。この柄は4つくらい地色違いがあります。ピクチャー柄は昔から高かったんですが、その後あまり値上がりしていない印象です。

藤原:僕もピクチャー柄は大好きで、同じ柄の「キャンパス(CAMPUS)」*のアイテムを持っています。ハワイアンシャツは和柄やボーダー柄など、バリエーションが色々あるのが楽しいですよね。

植木勝也:このシャツ、この前アクちゃん(アクタガワさんの愛称)が古着イベントで着てたのが格好良かったので会場で探したんですけど、見つかりませんでした(笑)。

*1922年にアメリカ・オハイオ州で創業したカジュアルブランド

人物

アクタガワ「この柄は女性が目立っているのでメイデン(乙女)と呼ばれています」

アクタガワ:ネイビーベースの縦ボーダー柄のハワイアンシャツ(画像左端)も、同じく40年代のもの。この時代のハワイアンシャツって、日本製の生地が多いんですよ。様々なアメリカのメーカーが同じ生地商から仕入れていたようで、「タウンクラフト(TOWNCRAFT)」や「ペニーズ(PENNEY'S)」*、「マクレガー(McGREGOR)」**などが、同じ生地のシャツを出しています。

*どちらもアメリカの老舗百貨店「JCペニー(J.C.Penney)」のストアブランド
**1921年にニューヨークで創業したブランド。ドリズラージャケットで広く知られる

人物

アクタガワ「この柄は4つくらい地色違いの生地があります」

──ハワイアンシャツは復刻版がたくさん出ていますが、ヴィンテージの値動きに影響はあるのでしょうか。

アクタガワ:復刻版が出るとヴィンテージの値段が下がると思われがちなんですが、実際は逆なんですよね。そのアイテムの存在を知らなかった人が、復刻版をきっかけに興味を持ったりするので、値上がりするんです。当たり前の話ですが、古着は有名になればなるほど高価になってしまいますね。

古着屋あるある「赤は売れない」

アクタガワ:次はプリントネルシャツ*。ヘビーネルシャツは、本当に高くなってしまいました。でも、プリントネルの方が軽くて着やすいし、柄が色々あって面白いので好きなんです。パッと見で古いと分かることもポイントですね。

*織りではなくプリントで柄を表現したネルシャツ

シャツ

アクタガワ「プリントネルは、チェック柄がグラデーションになっているところも好きです」

藤原:アクタガワさんは赤の古着は着ますか?「赤は売れない」って、古着屋あるあるだと思うんですが。

アクタガワ:赤一色のアイテムはあまり着ないけど、こういうポイントで赤が入っているアイテムは着ますね。

人物

アクタガワ「プリントネルでも赤ベースの雪柄とかは結構売れ残っていたりするよね」

ヴィンテージシャツはおじさんの方が似合う?

アクタガワ:次はUSAF(米空軍)の第35自動車輸送中隊(35th Motor Vehicle Squadron)のスーベニアシャツ。スカジャンならぬ、スカシャツですね。富士山の下に記されている「Johnson Air Base」は、今の航空自衛隊入間基地です。このデザインのものはかなり珍しく、他に見たことがありません。今買うとなると、値段はどれくらいになるだろう?

人物

アクタガワ「これは昔アメリカのオークションサイトで手に入れました」

藤原:50万円くらいでしょうか。でも、ベルベルジンで売るとしたら山田さん(山田和俊 ベルベルジン 代表)が29万8000円にしろって言いそう(笑)。

アクタガワ:絶妙な値段だね(笑)。

人物

アクタガワ「胸元には名前の刺繍がアルファベットとカタカナで入っています」

アクタガワ:このグリーンのシャツはライダースジャケットのように、ジッパーが斜めに付けられています。当時は比較的ポピュラーなデザインだったようです。これはコーデュロイ素材ですがレーヨン素材の方が多い印象ですね。

シャツ

アクタガワ「50年代はシャツのタックアウトが一般化した時代なんです」

藤原:この時代のシャツは、着やすいボックスシルエットのものが多いですよね。

アクタガワ:「大人になった今、どんなヴィンテージを着ればいいのか」と考えて、色々試行錯誤してみたことがあったんですが、この時代のシャツって若い頃よりもおじさんになった今のほうが似合っているような気がするんですよ。一部のスウェットを筆頭に信じられない価格になってしまったヴィンテージも少なくないですが、シャツの価格はまだ現実的なので、是非チャレンジしてもらいたいですね。

人物

次回は植木さんが今ハマっている古着をご紹介します。お楽しみに!

最終更新日:

山田耕史

Koji Yamada

FASHIONSNAP 編集記者

1980年神戸市生まれ。関西学院大学社会学部、エスモードインターナショナルパリ校卒。ファッション企画会社、ファッション系ITベンチャーを経て、主夫業と並行してフリーランスとして活動した後、FASHIONSNAPに参加。ファッションを歴史、文化、経済などの多角的な視点から分析し、知的好奇心を刺激する記事を執筆することが目標。

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