東京の街を舞台に、どこか既視感がある日常ながらも物憂げで時には思わずクスッと笑ってしまうスナップ写真を撮るオカダキサラ。そんなオカダによる連載「歳時キサラ」。独自の観察眼で切り取られたその季節ならではの4枚の写真を、それぞれに付随するタイトル&テキストと共にお届け。クリスマスシーズンの12月の東京。オカダがついついシャッターを切りたくなったのはどんな瞬間?
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さいじ‐き【歳時記】
1,一年12ヵ月、または季節に分かち折々の自然・人事などを記した書物。
2,俳句の季語を集めて分類・整理し、解説や例句を載せた書物

「真っ赤なヤツ」
どデカい赤玉がぶら下がっていた。
星をモチーフにした飾りが多くなるクリスマスシーズン。
シンプルかつ大胆なフォルムはまさに浮いて見えた。
星のように輝くより、皆が一丸となって大きくなろう!
そんなメッセージが込められているのか?
と、深読みしたところで、太陽系を題材にしたイベントの告知が下に置かれていることに気づく。
この赤い玉は太陽を模していたのだった。

「真のエコ発熱」
イルミネーションの醍醐味は、寒さを楽しめるところにあると思う。
同じことを夏に開催したら、涼所を求めてそそくさと会場を後にしてしまう。
冬ならば、親しい人と温もりを分け合いながら雰囲気に浸れる。
しかし私はひとりでイベントを楽しむことが多く、頼れるのは己の体温のみだ。
寒くて仕方なくなると、会場を早歩きで何往復もする。せっかくの幻想的な風景は早送りで見ることになる。

「達人の贈り物」
代々木公園でたくさんのワンちゃんを引き連れている男性に出会った。
「今日は16匹ですけど、18匹は余裕です」と爽やかな笑顔でスゴいことを言う。
コースには公園だけでなく表参道などの繁華街も含まれているらしい。散歩の達人だ。
クリスマスといえば、トナカイを従えたサンタクロースが、子どもにプレゼントを贈る姿を連想する。
達人はワンちゃんを連れて、街中に癒やしを配っていた。

「続く言葉」
「良いお年を」に続く言葉を、恥ずかしながら社会人になるまで勘違いしていた。
「今年もいろいろなことがあったと思います。残り少ない日々はどうか何事もない、良い時間でありますように」という気持ちを込めているのだと思っていた。
「良いお年をお迎えください」が正解だと知ってから、挨拶する機会も多くないせいか、つい「良いお年をお過ごしください」といってしまう。
1988年東京生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業。大学在学中に東京をテーマにストリートスナップを撮り始める。忘れられてしまうばかりの瞬間には、毎日の見方を変える不思議な仕掛けが隠されているのではないか。そんな思いで街にレンズを向け続けている。第4回1_WALLファイナリスト、2015年度ユーナ21入選、2016年度コニカミノルタフォトプレミオ入選。
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