ヴェロニク・ニシャニアン（Véronique Nichanian）が手掛ける「エルメス（HERMÈS）」が1月21日、2023年秋冬メンズコレクションを発表した。会場はパリ7区の1958年に建てられたユネスコ本部。ミラーを多面的に配したセットを背景に、モデルたちが軽やかなウォーキングを披露した。

プレイフルなコンフォートウェア

　今回のキーワードとなったのは「動きのコントラスト」。男性たちが歩くときに自由さや開放感を感じるような、プレイフルなワードローブを提案する。異なる要素を組み合わせたり、ボリュームや長さで変化をつけることでプロポーションを大胆にアレンジした。

　カシミアのプルオーバーやカーディガン、ダッフルコート、ウールフランネルのパンツなど、思わず肌触りを確かめてみたくなるようなウィンターアイテムが多数登場。ところどころにあしらわれた模様はレザーを編み込むことで形作られており、巧みな職人技を感じさせる。部分的に色を取り入れたアイリッシュニットなど、ホリデーシーズンにもぴったりな遊び心のあるディテールが目を引いた。

Image by ©︎Filippo Fior

エルメスらしい小物使いとディテール

　エルメスのアイコンを効果的に取り入れたルックも印象的だ。スーツの襟元にフリンジスカーフを巻いたり、ウールのプルオーバーをシルクツイルでフレーミングするなど、スカーフのアクセントが効いている。また、「シェーヌダンクル」のネックレスやブレスレットも、シャープかつ官能的な輝きを放っていた。

Image by ©︎Filippo Fior

 バッグはマルチポケットの「オータクロア」や、クラッチのように持つ「ケリーデペッシュ」が登場。「オータクロア」は、20世紀の初めにデザインされたエルメス初のバッグで、「バーキン」の原型にもなったと言われているアイテム。大ぶりなサイズ感で、バケーションにも活躍しそう。

レザージャケットやシューズの贅沢さ

　チャコールやキャメルを中心としたレザーアイテムのバリエーションは贅沢そのもの。なめらかな革の質感が洗練された雰囲気を醸し出す。また、モンクストラップブーツや、パラジウムで仕上げたメタルのディテールが艶やかなイブニング・ダービーなど、エレガントなシューズデザインも視線を集めた。

　さらに、快活さを引き出すスニーカーやジップブルゾンなども登場し、男性たちに「冬でもおしゃれをして街へ出よ」と呼びかけているかのようだった。

BTSのJ-HOPEの姿を会場でキャッチ

　会場にはBTSのメンバーであるJ-HOPEの姿も。ブルーのシアリングジャケットのアウターを携え、カメラに笑顔を向けてくれた。

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HERMÈS -Men's-

2023 AUTUMN WINTERファッションショー