Image by: 横堀良男
東南アジアの最新情報を綴るコラム「ジャラン ジャラン アジア」。1年間の3分の2以上を東南アジア諸国で過ごし、契約バイヤーのほか、ポップアップショップ、展示会出展、ファッションショーの代理店などを行う横堀良男氏が現地の情報をレポートします。
(文・横堀良男)
前回の記事を書いていた時はコロナ陽性の真っ只中。全くの無症状でしたので、とにかく家から出ないという隔離を続けていました。そして、ようやく隔離期間も明けコロナ陰性に。ジャカルタの友人たちがヘルシーなデリバリーフードやジュースなどをバイクタクシーアプリのゴジェック(Gojek)でたくさん送ってくれました。また、奥さんが料理上手の友人夫婦が、手作り日本食を送ってくれて泣きました。
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インドネシア人のおふくろの味の和食セット(涙)
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前々回はインドネシアのECがすごいよ!という話でした。前回はバイクタクシー兼バイク便アプリのGojekが便利すぎるよ!という話でした。ECで買ってもらえたら、即日バイク便で届くジャカルタのシティーライフ。では、新しいブランドはECを見てもらうためにどうしたら良いのでしょうか?
こんなに大きな市場であれば、小さいブランドがECに出店してもなかなか目立つことができません。もちろんSNSで発信しまくって集客するのが王道でしょう。広告を打つ方法もあります。インフルエンサーにお願いする方法もあります。しかし、ほとんどの人はECにも、広告にも、インフルエンサーにも詳しくありません。そこでもっともわかりやすい方法がポップアップショップイベントへの参加です。
これは日本企業が気軽にインドネシア市場にチャレンジできる方法でもあるんです。東京でも新しいブランドがショッピングモールなどで期間限定のショップを出店するケースがありますよね。新宿伊勢丹、新宿ルミネ、ラフォーレ原宿、渋谷パルコなど有名な施設のポップアップショップから規模を拡大していったブランドも多いです。
ポップアップショップの目的は、新規顧客の獲得や、認知度の向上、売上の拡大です。インドネシアにおけるポップアップショップは、新規ブランドにとっては絶対に必要なものです。ではどのように新規顧客を獲得するのでしょうか?
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2019年のポップアップイベント「ブライトスポット マーケット」
ポップアップショップの動画です。日本の方からすると、「え、どの部分?」と思うかもしれません。ここで私が言っているポップアップショップは、ブランドが単独でエスカレーター横でやるような小さい規模のものではありません。220社のブランドが集まる(!)大型のポップアップショップイベントの話なのです。
動画に映っている部分の全てがポップアップショップです。このイベントは年に一度、4日間のみ開催される「ブライトスポット マーケット(Brightspot market)」という大型ポップアップショップイベントです。動画は、コロナ前の2019年10月のときのものです。
この回は、オープンする前のまだ空っぽの状態のショッピングモールを貸し切って開催されました。規模的には、日本の合同展示会のルームス(rooms)の会場全てがポップアップショップになっていて、一般客が入場できるもの、という説明だとイメージしやすいでしょうか。2019年10月の会では4日間で、8万人の来場がありました。2021年1月は、コロナ禍ということで規模を半分にしてちょっとだけ復活しました。2022年後半、このイベントは完全復活を予定しています!
コロナ前とはいえ、一日中この人流です。
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現在はこのブライトスポットマーケットを筆頭にたくさんのポップアップイベントがあります。ブライトスポットマーケットはジャカルタに数あるポップアップショップイベントの中でももっとも高価格帯です。ラグジュアリーではなく、カジュアルファッションや生活雑貨の単価も高いです。
そういう観点では、日本の企業がファッションや雑貨で出店するには適していると思います。ちなみに出店料は安くて売上フィー(歩合家賃)もありません。実際に私も自社ブランドを出店しましたが、とても良いテストマーケティングになりました。売れたらブランド展開を継続。売れなかったら商品構成を見直すか、インドネシア市場から撤退します。
顧客ゼロの新規ブランドでも売れまくり。とてもシンプルだし、実際に店頭でお客様のリアクションを見ることができます。こんなに手応えがわかりやすいイベントはありません。たくさんのお客さんが来場し、無名の新しいブランドでもバンバン売れていく、テンションがぶち上がるイベントです!日本の方にはぜひこのイベントに来場してみていただきたいです。めちゃくちゃパワーのある出展者とショッピングに元気な消費者を見ているだけでまだまだいけるー!!と思わせてくれる楽しいイベントです。
興味がある方は、私にご連絡いただければエントリーをお手伝いします。SNSのDMなどでご連絡くださいませ〜。
東京都江東区出身。高校在学中からアパレル業界で働き始め、 その後、アッシュ・ペー・フランス株式会社に入社。27歳で若手ブランドの営業代行業、showroom SIDEを設立、代表に就任。 32歳で海外進出、現在は1年間の3分の2以上を東南アジア諸国で過ごし、契約バイヤーとして活動。 日本からアジア・アジアから日本のポップアップショップ、展示会出展、ファッションショーの代理店も行う。
■コラム「ジャラン ジャラン アジア」バックナンバー
・vol.1:そうだ、東南アジアで生きていこう。借金抱えて自分探しの旅
・vol.2:高級モールは世代交代?ジャカルタのアシュタはなぜ成功したのか
・vol.3:なぜ東南アジアでは合同展示会が少ないのか
・vol.4:イスラム教徒のファッションは?人気の新興3ブランドも紹介
・vol.5:シンガポールのストリート事情、人気のブランド紹介
・vol.6:業界人はここに行くべき!シンガポールのおすすめスポット
・vol.7:実は進んでる?フィリピン マニラのファッション事情
・vol.8:夏休みに東南アジアに行く方法
・vol.9:インドネシアの三越?最も歴史のある百貨店がリニューアルしたので行ってみた
・vol.10:海外進出のヒント?インドネシアで寿司を食べてみた
・vol.11:ECで稼ぐならインドネシア?
・vol.12:インドネシアのECを後押ししたスーパーアプリとは?
【最新話はこちら】
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