Image by: 横堀良男
東南アジアの最新情報を綴るコラム「ジャラン ジャラン アジア」。1年間の3分の2以上を東南アジア諸国で過ごし、契約バイヤーのほか、ポップアップショップ、展示会出展、ファッションショーの代理店などを行う横堀良男氏が現地の情報をレポートします。
(文・横堀良男)
バリのイベントに参加するために、シンガポールからインドネシアに戻ってまいりました。
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インドネシアの首都はジャカルタですが、ジャカルタへ観光に来る人はあまり多くないです。インドネシア政府は観光地を増やしたいと考えており、いろいろ策を練っているそうです。日本は観光地ではない地方都市でも素敵な場所が多いです。同じようにインドネシアの地方も魅力的な場所がたくさんあります。地方都市がもっと認知されれば良いなと思っているので、インドネシア政府の活動を陰ながら応援しています。
イベントが開催されたバリはインドネシア一番の観光地です。海外観光客が多かったバリの観光産業はコロナで大打撃を受けました。今回、久しぶりに空港へ着いて海外観光客が非常に多いことに驚きました。まだコロナ前ほどとは言えないですが、かなり戻ってきている印象です。テナントもほぼ全て撤退してガラガラだったアウトレットモールでは新しいテナントが内装工事を始めていたり、「今まで失った分を取り返すぞー!」という空気を感じました。日本も10月11日から観光での入国が再開しますので、再び活気を取り戻せると良いですよね。
海外観光客が戻りつつあるバリで、「パサールヌサドゥア」というポップアップショップイベントの第2回が開催されました。ちなみに、以前紹介したジャカルタ最大のポップアップイベント「ブライトスポットマーケット」の運営チームが関わっています。
1回目は今年の5月に行われました。1回目ですからかなり小さめの規模のテスト開催で、出展者数は20社弱でした。会場は空港からそう遠くないヌサドゥアというエリアにあるアウトレットモール「バリコレクション」。今回も同じ会場ですが、なんと今回の出展者数は約70社。会場も前回の4倍ほど大きくなっており、DJブースやイベントステージまでありました。会場は大きく2つのエリアに分けられていて、物販メインのポップアップエリアと、飲食メインのフードコートエリアです。
アパレルや生活雑貨が中心ですが、中古レコード、食器、健康食品などいろいろあって楽しいです。
ビール、ワインなどお酒ブースが多い!夕方からはDJがプレイして毎晩パーティになります。
実は今回のこのポップアップイベント、「ブライトスポットマーケット」の運営チームはサポートで入っていて、主催はスメスコ(SMESCO)というインドネシア政府の行政法人です。スメスコは中小企業省下の行政法人で主に中小企業の支援をしているそうなので、日本でいう中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)のようなものです。
このパサールヌサドゥア、行政法人が主催とは思えないようなイベントです。というのも、
・アパレルや雑貨などの業種が飲食とクロスオーバーしている。
・お酒が提供されており、DJがいて21時までパーティをしている。
・イベントステージでロックバンドのライブも大音量で開催している。
日本では政府や行政法人がすごく真面目なので(というよりクレームがすぐ来るからだと思いますが)、日本の行政法人が主催するイベントでは、このパサールヌサドゥアのようにDJが入ったりするイベントは難しいかもしれないですね......。この独特のゆるさと言いますか、許容範囲の広さはインドネシアならではかもしれません。
インドネシアに進出したいな、と思っている中小企業の人はこういったイベントで、まずテスト販売をしてみると良いと思います。巨額の予算は不要ですし、自身も現地に行ってブースを見ていれば、どんなお客さんが興味を持ってくれるかがわかります。また、このようなイベントを視察して、現地での事業展開のビジネスパートナーを見つけるのも面白いと思います。ビールを飲み、打ち解けながらビジネスについて話すのも楽しいですよ。
パサールヌサドゥア:公式インスタグラム
東京都江東区出身。高校在学中からアパレル業界で働き始め、 その後、アッシュ・ペー・フランス株式会社に入社。27歳で若手ブランドの営業代行業、showroom SIDEを設立、代表に就任。 32歳で海外進出、現在は1年間の3分の2以上を東南アジア諸国で過ごし、契約バイヤーとして活動。 日本からアジア・アジアから日本のポップアップショップ、展示会出展、ファッションショーの代理店も行う。
■コラム「ジャラン ジャラン アジア」バックナンバー
・vol.1:そうだ、東南アジアで生きていこう。借金抱えて自分探しの旅
・vol.2:高級モールは世代交代?ジャカルタのアシュタはなぜ成功したのか
・vol.3:なぜ東南アジアでは合同展示会が少ないのか
・vol.4:イスラム教徒のファッションは?人気の新興3ブランドも紹介
・vol.5:シンガポールのストリート事情、人気のブランド紹介
・vol.6:業界人はここに行くべき!シンガポールのおすすめスポット
・vol.7:実は進んでる?フィリピン マニラのファッション事情
・vol.8:夏休みに東南アジアに行く方法
・vol.9:インドネシアの三越?最も歴史のある百貨店がリニューアルしたので行ってみた
・vol.10:海外進出のヒント?インドネシアで寿司を食べてみた
・vol.11:ECで稼ぐならインドネシア?
・vol.12:インドネシアのECを後押ししたスーパーアプリとは?
・vol.13:4日間で8万人が来場、インドネシアのポップアップショップについて
・vol.14:ジャカルタは全盛期の裏原宿?主催者なしのファッションウィーク
・vol.15:3年ぶりのシンガポール、コロナと円安で感じた変化
・vol.16:メイドインジャパンは強みじゃない
【最新話はこちら】
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【ジャラン ジャラン アジア】の過去記事
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