東京都内には、音楽シーンをリードする個性的なミュージックバーが数多く存在。ミュージックバーは、音楽だけでなくファッションにもこだわる人々の集う場でもあります。そんなミュージックバーで、ハウスやテクノ、ヒップホップなど、多彩なジャンルの音楽とともにファッションも楽しみながら、素敵な夜を過ごしてみるのはいかがでしょうか。

　本記事では、都内で人気のDJバーを厳選しその魅力や特徴を紹介します。ファッションと音楽が融合する特別な夜を体験したい方は、ぜひご覧ください。

不眠遊戯ライオン（神宮前）

Image by: 不眠遊戯ライオン

隠れ家度：★☆☆

　「不眠遊戯ライオン」は、2020年にオープン。ギャラリー運営やうどん屋「麺散」を手掛けるクリエイティブエージェンシー en one tokyoと、音楽やファッションに関わるイベントやフェスなど様々なブランドディレクションを行うFLEMMINGが手掛ける会員制のミュージックバーです。原宿と渋谷の間の明治通り沿いエリアに位置するGEM神宮前というビルの7階に入居。同ビルの6階にはグローバル・ハーツが運営する「ENTER」が営業しており、回遊可能なイベントが開催されることもあります。中にはいると、中心には象徴とも言えるライオンの像が。フロアの壁には「良音獅子」の文字が飾ってあるなどアートな空間が広がります。

　ミュージックバーとはいえ、平日にも様々なパーティーが企画されておりクラブのような賑わいを見せています。「A|X アルマーニ エクスチェンジ（A|X ARMANI EXCHANGE）」がサポートするパーティーや、Z世代向けのジュエリーブランド「ラムダ（LAMBDA）」が主催のパーティーなどが開催されてきました。

OATH（渋谷）

Image by: OATH

隠れ家度：★★☆

　「オース（OATH）」は、京王井の頭線の改札から歩いて2分ほどの場所に位置します。たこ焼き屋と立ち飲み居酒屋の間にある小さな扉を開けると左右の壁に鏡がたくさん飾られた階段が出現。それを降りた先に多くのシャンデリアできらびやかに装飾されたフロアが広がります。沢尻エリカが主演で、蜷川実花が監督を務めた映画「ヘルタースケルター」でも使用されました。

　主に国内の若手からベテランまでの幅広いアーティストがブッキングされており、平日からパーティーが開催されています。最近は、土曜日の朝と日曜日の朝はアフターアワーズ営業が行われ、遊び足りないパーティーフリークや他クラブのスタッフ、現場終わりのDJたちが多く訪れます。また、系列店として「REDBAR」と「Aoyama Tunnel」もあります。

青山蜂（青山）

Image by: 青山蜂

隠れ家度：★★☆

　「青山蜂」は、30年近く営業を続けている老舗。それぞれ雰囲気の異なる3フロアから構成され、ハウスやテクノ、ヒップホップなど様々なジャンルの音楽を楽しむことができます。開催されるパーティーも、何年も続くものから若手DJが主催を務める新しいものまで多岐にわたり、多くの人から愛される場所です。店長をはじめスタッフが温かく明るいため初めての人も行きやすいミュージックバーです。

　ここの1番の特徴は、週末の朝6時から始まる「朝蜂」営業。アフターアワーズ営業は、大体朝9時には音が止まりますが、朝蜂ではお昼頃までDJたちがプレイしてくれるので、もっともっと遊びたいパーティー好きやアフターアワーズも終えた他クラブのスタッフなどが訪れます。中には、早起きして朝蜂から参加する人も。何を隠そう筆者も早起きして朝蜂に行ってから仕事に向かったことがあります（笑）。アンダーグラウンドなカルチャーに触れてみたい方に1番おすすめです。

KOARA（渋谷）

Image by: KOARA

隠れ家度：★★☆

　「コアラ（KOARA）」は、渋谷の神南エリアの奥にひっそりと佇むミュージックバー。バーカウンターとこぢんまりとしたダンスフロアから成る店舗は、多くのベテランDJや音楽好きに愛されています。マッキントッシュのアンプから繰り出される質の良い音楽と美味しいお酒の組み合わせで、訪れた日には素敵な一晩になること間違い無しです。

　コアラでは、ディープハウスを軸に展開する「ガソリン（GASOLINE）」や、エレクトロニックミュージックに深く精通しているDJ SHIBATA、RINTARO、tzbasaによる「探心音」など、10年以上続いているレギュラーパーティーが開催されています。また、8月3日からはデイタイムに「喫煙に特化したスペース」として営業を開始。食べ物の持ち込みができるほか、Wi-Fiも完備されているのでテレワークなどに活用することができます。昼でも夜でもぜひ一度足を運んでみてください。

DJ BAR Bridge SHIBUYA（渋谷）

Image by: 渋谷Bridge

隠れ家度：★☆☆

　「DJ BAR Bridge SHIBUYA（以下、渋谷ブリッジ）」は、グローバル・ハーツが運営するミュージックバーで2014年にオープン。今年で10周年を迎えました。JR渋谷駅から徒歩約1分のところにあるビルの最上階に位置し、渋谷の街を見ながらDJたちが繰り出す音楽を楽しむことができます。

　1980年代からDJとしてキャリアを開始し、現在はプロデューサーとしても活動するDJ EMMAや、40年近いキャリアを持ち音楽だけでなくあらゆるカルチャーシーンにおいて様々な活動を続けているDJ NORIといった日本のレジェンドDJがレギュラーアーティストとしてプレイ。DJ EMMAは毎週木曜日に、DJ NORIは毎週金曜日に選曲しています。

DJ BAR Bridge SHINJUKU（新宿）

隠れ家度：★☆☆

　「DJ BAR Bridge SHINJUKU」は、渋谷ブリッジと同じくグローバル・ハーツが運営するミュージックバーで2022年に新宿2丁目にオープン。その前は「新宿ハート（新宿Heart）」として営業していました。「東京の入り口”新宿”の遊び場」として、ハウスミュージックを軸に選曲を展開しています。

　ハウスDJのレジェンド的存在のアーティストを数多くブッキング。これまでにダニー・クリヴィット（DANNY KRIVIT）やアンタル（Antal）が出演し、大きな賑わいを見せました。

or（渋谷）

Image by: or

隠れ家度：★☆☆

　「オア（or）」は、MIYASHITA PARK内にある、ストリート／アート／ファッション／ミュージック／デザインに焦点を当てた複合型エンターテインメント施設。1階がカフェ、2階がアートギャラリー、3階がミュージックバーといった構成で、どの階にもDJブースが設置されています。また、店内にはポップアップスペースやデジタルサイネージ、 ショーウィンドウが設置されているため、最新のアートやデザインにも触れることができます。2階のアートギャラリーは、フロア全体にイラストレーターの大友昇平の作品が描かれています。　

　オアでは、小規模から大規模まで様々なイベントが開催されています。海外からDJアーティストを呼ぶこともあれば、しっぽりと終電までDJが選曲しているという日も。開催詳報は公式SNSなどで随時発信されているので、気分に合わせて色々なイベントに行ってみるのがおすすめです。

東間屋（渋谷）

Image by: 東間屋

隠れ家度：★☆☆

　「東間屋（あずまや）」は、「Spotify O-EAST（オーイースト）」内に付属するミュージックバーで2019年にオープン。店内の空間デザインはロックバンド トー（toe）の山嵜廣和氏が担当し、壁などに施されたアートは柏原晋平氏が手掛けました。ドリンクのメニューが豊富で、「山椒ジントニック」や「柚子モーニ」といった東間屋オリジナルカクテルのほか、季節によって旬のフレーバーを使用した期間限定カクテルを用意。今までには、3月に桜をテーマにしたメニューや7月にトマトをテーマにしたメニューを出しています。平日は火曜日から週末まで営業しており、国内の若手からベテランまで様々なDJがラインナップ。音楽と一風変わった美味しいお酒を楽しみたい方にお勧めしたいミュージックバーです。

BLOODY ANGLE Dougen Tong（渋谷）

Image by: BLOODY ANGLE Dougen Tong

隠れ家度：★☆☆

　「ブラッティ アングル ドウゲン トン（BLOODY ANGLE Dougen Tong）」は、ラッパーのリュウゾウ（RYUZO）がプロデュース。大友克洋による漫画作品「アキラ（AKIRA）」の世界観を落とし込んだ店内デザインに仕上げています。デイタイムはカフェとして、ナイトタイムにはレコードを流すミュージックバーとして営業。深夜帯でもフードメニューを注文することができるので小腹が空いた時にありがたいお店です。真っ赤なネオンライトに照らされた店内にはたくさんのレコードが並べられており、気に入ったものがあれば購入もOK。店内で流れる曲は、スタッフの好みでチョイスさており、ヒップホップやソウル、ファンク、ジャズのほか日本の曲が流れることも。好きな曲が流れた時に、そのスタッフさんに話しかけて仲良くなれるなんてこともありそうです。DJブースも設置されており、イベントを開催することもできます。

Débris（代官山）

Image by: Débris

隠れ家度：★★★

　「デブリ（Débris）」は、代官山にあるミュージックバー。店内は、「宇宙ゴミ（Space Debris）」によって形成された惑星をイメージしてフェスなどで活躍するクリエイターたちと作り上げたそう。入り口に「ピービーレストラン（P.B.Restaurant）」という薬膳茶と本格中華粥が食べられるお店が併設されており、そこにある隠し扉を開けるとDJブースとバーカウンターのある空間が広がります。一見ミュージックバーとはわからない入り口の見た目と隠し扉という仕掛けにより、筆者は初めて一人で訪れた際に約30分入ることができませんでした（笑）。提供するドリンクにはクラフトスピリッツが使われており、ワンランク上のお酒を堪能することができます。

　2から3人のDJによってミュージックセレクトがされています。19時からオープンしているため、仕事終わりにふらっと立ち寄って音楽と共に美味しいお酒を飲みながら友達やスタッフと会話を楽しむのも良いですね。

Record BAR analog（渋谷）

Image by: analog

隠れ家度：★★★

　「アナログ（analog）」は、2018年に渋谷百軒店エリアにオープン。レコードを使って音楽を流すレコードバーです。レトロな雰囲気の店内にはレコードがずらっと並べられており、お客さんはたくさんのレコードの中から1人1曲まで流して欲しい曲をリクエストすることができます。レコードショップで思わぬお宝を見つけた時の高揚感を味わってほしくて、店内のレコードラックを自由に漁れるようにしたそう。世代や年齢、国籍を問わず様々なお客さんが来店し、それぞれの人がどんな曲をリクエストするのかワクワクしながらドリンクや会話を楽しむことができる空間は、ほかではなかなか味わえない感覚。クラブに行く前や、飲み会終わりに音楽を聞きたい時などにぜひ行ってみてください。

MUSIC BAR BOUNCE（渋谷）

Image by: BOUNCE

隠れ家度：★★☆

　「バウンス（BOUNCE）」は、先述したアナログの姉妹店として2022年に同じく渋谷百軒店エリアにオープン。ヒップホップを中心にソウルやR＆B、レゲエ、ダブ、ファンク、ジャズ、ハウス、アマピアノといったブラックジュージックがメインに選曲されるミュージックバーです。店舗のロゴはイラストレーターの上岡拓也氏が手掛け、店内に描かれているグラフィティーアートは、「HIPHOP何でも屋」であり漫画家としても知られているSITE氏が描いています。ブルーカラーを基調とした店内では、ラッパーのスヌープ・ドッグ（Snoop Dogg）の「GIN and Juice」や、2PACの「Hennesy」などヒップホップの楽曲から着想を得たドリンクが提供されており、音楽と共に楽しめること間違いなし。

　公式インスタグラムでは、月間のスケジュールを発表。動画クリエイターの矢部ユウナや、OKAMOTO'Sドラマーのオカモトレイジ、「人肉アイテム」で話題のドゥー（doooo）といった豪華なアーティストが平日からブッキングされていることも多く、いつ行っても素敵な音楽を堪能することができます。

COUNTER CLUB shimokitazawa（下北沢）

Image by: Ryusei Takano (@ryusei_750)

隠れ家度：★☆☆

　「カウンタークラブ（COUNTER CLUB）」は、ライブハウスが多い下北沢に2019年に誕生。日本の音響メーカー 田口音響研究所のサウンドシステムが設置されています。ヒップホップやR＆B、ディスコといったジャンルの音楽をプレイするDJが多くブッキングされていますが、ハウスが流れる日もあり様々な音楽に触れることができます。店内には、「Fill」と名付けられたスペースがあり、イベントによってフードの販売がされている日もあるので音楽とお酒、フードの3つを楽しめて、耳もお腹もいっぱいに！また様々なアーティストによる作品を店内に展示していることもあるので、聴覚、味覚、視覚の3点をフル活用してください。

　系列のミュージックバーとして、恵比寿に「バチカ（BATICA）」中目黒に「ソルファ（solfa）」があります。両店とも若手ヒップホップアーティストを招いたライブやイベントを多く開催し盛り上がりを見せていますが、時々ハウスやテクノといったダンスミュージックのイベントを開催することも。公式インスタグラムなどでのイベント情報をお見逃しなく。

Tangle（渋谷）

Image by: タングル

隠れ家度：★★★

　「タングル（Tangle）」は、京王井の頭線渋谷駅の西口からウェーヴ通りの坂を登った先にあるビルの3階にあるミュージックバー。鐘のロゴが目印です。こぢんまりとした店内では、ドリンクのほかにフードメニューも提供しています。お店を切り盛りしているマイケル氏とミオ氏もDJブースに立ち選曲することも多く、ジャズやロックファンクなどジャンルレスな音楽を聴くことができます。ミュージックバーではあるものの、その固定概念や印象の枠、イメージにとらわれない場を作り出し、来店したお客さんとその雰囲気を共有できるよう日々営業しているそう。またマイケル氏とミオ氏のカジュアルな人柄に惹かれ、彼らに会いに来るお客さんも多いのだとか。

　個人的なお気に入りの話になりますが、タングルの喫煙スペースは人が1人しか入れない電話ボックスのような形でお店の奥に存在しています。一人ずつ交代で、自分の時間をゆっくり堪能できるところがユニークでいいなと思っています。

MEIMEI（下北沢）

Image by: MEIMEI

隠れ家度：★★☆

　「メイメイ（MEIMEI）」は、2023年12月にオープンしたばかりのDJバー。店内は青を基調としたライティングで水の中にいるような感覚です。音楽は、下北沢ではあまりみられないハウスやテクノを主体としており、下北に新しい風を吹かせています。イベントが開催されている日もあれば、飛び込みでDJをすることのできるフリーブースの日もあり、DJとしてデビューしたい人は練習させてもらうことができるかも。公式インスタグラムではイベントのフライヤーを投稿しているのですが、全部青色で統一されているのが面白いところ。

SOUND BAR HOWL（渋谷）

Image by: HOWL

隠れ家度：★☆☆

　「ハウル（HOWL）」は、「上質な音と空間を気軽にゆったり楽しむ」というコンセプトのミュージックバー。マークシティー付近に位置し、日中はカフェとしても営業しています。カウンター席の他にテーブル席も用意してあるため、くつろぎながら会話や音楽を楽しむことができます。オリジナルのカクテルなど、ドリンクメニューが豊富にあり何を飲もうか迷ってしまうほど。1番人気は「パフュームジントニック」で、ラストエピソード0というジンとローズマリーを合わせた香りの高いジントニックだそう。また、国内外のウィスキーが豊富に揃っています。クラブって程じゃないけど、音楽とお酒を賑やかに楽しみたいという方におすすめのミュージックバーです。