西武のロゴ
Image by: FASHIONSNAP
セブン&アイ・ホールディングスによるそごう・西武の売却検討の話題が注目を集めている。そごう・西武は10年以上にわたりセブン&アイの百貨店事業会社として運営しているが、近年は地方を中心とした店舗の再編を進め、子会社化した2006年から店舗数は28店舗から10店舗に減少した。セブン&アイの子会社となってから起こった出来事を時系列でまとめた。
2006年
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・6月、セブン&アイがミレニアムリテイリンググループ(当時のそごうと西武百貨店の持株会社)を2000億円超で子会社化。
2007年〜2008年 - 百貨店業界の再編
MEMO:
・三越と伊勢丹が経営統合。
・伊勢丹と阪急百貨店が11年間続いていた業務提携を解消。
・阪急百貨店と阪神百貨店が合併。
2009年
・ミレニアムリテイリンググループ、そごう、西武百貨店の3社が合併し「そごう・西武」が誕生。その後、同じく傘下のロビンソン百貨店を吸収し、セブン&アイの百貨店事業会社となった。
・8月、そごう心斎橋本店が閉店。「そごう発祥の地」でもあった。
MEMO :
・そごう心斎橋本店の閉店後は、大丸に379億円で売却。隣接する「大丸心斎橋店」の北館として新たに開業した。さらに2021年には「心斎橋パルコ」としてオープンしている。
・プライベートブランドの展開を開始。第1弾はデザイナー田山淳朗氏がディレクターを務める「リミテッド エディション by アツロウ タヤマ(LIMITED EDITION by ATSURO TAYAMA)」。
・9月、西武百貨店札幌店が閉館。
2010年
・西武池袋本店が3年にわたる全面改装を完了。
・12月、西武有楽町店が閉店。26年の歴史に幕を下ろした。
MEMO:
・「西武有楽町店」が入居していた有楽町マリオン(正式名称:有楽町センタービル)内の跡地には「ルミネ有楽町」が出店。
・百貨店業界では、大丸と株式会社松坂屋HDが経営統合。また、高島屋とエイチ・ツー・オーリテイリングの経営統合が中止となった。
2011年
・グループ傘下のイトーヨーカ堂が百貨店ブランドを販売する衣料品売場「SEIBU」の導入を開始。
2012年
・「そごう八王子店」を1月末に閉鎖。1983年の開店以来28年の歴史に幕を下ろした。
・デザイナー山本耀司が1992年に立ち上げ、2008年に廃止となった「アール(A.A.R)」を、そごう・西武とレナウンとのコラボレーションによりそごう・西武のプライベートブランド「リミテッドエディション アール(LIMITED EDITION A.A.R)」として復活。
2013年
・1月、そごう呉店が閉店。
・百貨店「ロビンソン」の全店舗を「西武」にそれぞれリニューアル。
・11月、西武渋谷店モヴィーダ館に「無印良品」の大型店と「ロフト」の新業態がオープン。同館には「オープニングセレモニー」が出店していた。
・SPAブランドの展開を開始。
2014年
・セブン&アイが開業した「グランツリー武蔵小杉」に小型百貨店「西武・そごう 武蔵小杉SHOP」を出店。(※なお、西武・そごう 武蔵小杉SHOPは2017年に閉店)
・25歳〜30歳の次世代キャリアをコアターゲットに据えた新売場「ハニカムモード(honeycomb mode)」を開設。
MEMO:
・セブン&アイは「バーニーズ・ニューヨーク」を国内で展開するバーニーズジャパンの株式49.9%を約60億円で取得し、持ち分法適用会社にした。
・バーニーズジャパンのほか、「フランフラン(Francfranc)」の運営会社バルス(現Francfranc)と資本業務提携契約を締結し、株式48.67%を取得した。
2015年
・正規輸入品のみを扱う日本初のラグジュアリーブランド専用サイト「イー キャステル(e.CASTEL)」を開設。
MEMO:
・セブン&アイはパーニーズジャパンを完全子会社化した。
2016年
・2月、西武春日部店を閉鎖。旧ロビンソン百貨店から30年営業した。
・セブン&アイの鈴木敏文氏が代表取締役会長最高経営責任者(CEO)を、村田紀敏氏が代表取締役社長最高執行責任者(COO)を退任。また、そごう・西武の堀内幸夫氏も会長職から退いた。
・9月、そごう柏店と西武旭川店が閉店。
・そごう・西武とイトーヨーカドーのプライベートブランド「セットプルミエ(SEPT PREMIERES)」の終了を発表。
MEMO:
・セブン&アイはカタログ通販大手のニッセンホールディングスを完全子会社化した。
2017年
・2月、西武筑波店と西武八尾店を閉鎖。
・8月、「グランツリー武蔵小杉」に出店した小型店「西武・そごう 武蔵小杉SHOP」を閉店。
・10月、そごう神戸店と西武高槻店をエイチ・ツー・オー リテイリングに譲渡。2019年に屋号がそれぞれ「神戸阪急」と「高槻阪急」に変更された。
2018年
■これまで展開してきたPB
・リミテッドエディション
デザイナーの田山淳朗や島田順子のほか、2016年にはゲストデザイナーにカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)を迎えた。
・セット プルミエ
デザイナーのジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)や高田賢三とのコラボレーションを発表してきた。
・エリアモード
地方店の意見をもとに本部が企画・生産する商品や店舗独自の編集・開発アイテムを販売。
・リリシスト by YE
デザイナー江角泰俊を起用。
・アベックモード
50歳代のカップル向けに2014年にデビュー。
・デスティル ヴァン ヌ
クリエイターとのコラボレーションを通してアートとモードの融合を目指すブランドとして2012年に立ち上げ。ファーストコレクションは、デザイナーの江角泰俊と川崎祥央を迎えた。
2019年
・西武所沢店を専門店複合型ショッピングセンターとしてリニューアル。
2020年 - 新型コロナウイルス感染拡大
・8月、西武大津店、西武岡崎店、そごう徳島店、そごう西神店が閉店。
MEMO:
・そごう徳島跡には高松三越のサテライト店がオープン。
2021年
・2月、そごう川口店を閉鎖。
・9月、新業態となるメディア型OMO店舗「チューズベース シブヤ(CHOOSEBASE SHIBUYA)」を西武渋谷店に出店。
2022年
・2月、セブン&アイのそごう・西武売却に向けて検討していることが報じられる。複数媒体によると主力のコンビニエンスストア事業に集中する狙いで、売却額は2000億円以上で調整中。2月中に価格などの条件を含めた交渉に入り、売却先を選定するという。報道を受けて、セブン&アイは「あらゆる可能性を排除せずに検討を行っておりますが、報道の内容につきましては、何も決まったものはございません」とコメントした。なお、帝国データバンクによると、そごう・西武を販売先としている事業者は全国に1959社あるという。
■そごう・西武 - 業績・店舗数の推移(2007年2月期→2021年2月期)
営業収益:9883億5700万円→4404億円
営業損益:267億7200万円の黒字→66億9100万円の赤字
※2007年2月期は百貨店事業(そごう、西武百貨店、ロフト)としての実績
店舗数:28店舗→10店舗
現存する店舗:西武池袋本店、そごう横浜店、そごう千葉店、そごう広島店、西武渋谷店、そごう大宮店、西武所沢S.C、西武秋田店、西武福井店、西武東戸塚S.C
従業員数:5371人(2021年2月末時点)
■そごう・西武 - 2022年2月期 通期業績予想
営業収益:4576億円
営業損益:45億円の赤字
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