(左から)Jekeun、Egonlab、Sky High Farm Workwear
新しいファッションの創造は、ランウェイだけで起こっているわけではない。2023年秋冬パリメンズコレクションウィーク期間中に出会った、次の時代を担うアップカミングなブランドを展示会の様子とあわせて紹介。第2弾となる今回は「エゴンラボ(Egonlab)」「スカイハイファームワークウェア(Sky High Farm Workwear)」「ジェケウン(Jekeun)」「フィレオ(PHILEO)」をフィーチャーする。
エゴンラボ
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2019年、フロレンティン・グレマレック(Florentin Glémarec)とケヴィン・ノンペイックス(Kevin Nompeix)によって設立。パリを拠点に、2020年春夏でコレクションデビュー。2021年、ANDAMファッションアワードでピエール・ベルジェ賞を受賞し、2022年のウールマークプライズではファイナリストに選出。エッジの効いたテーラーリングを武器に、ポップカルチャーの要素も取り入れた新しいパリのストリートスタイルを提案。グランジにインスパイアされた2023年秋冬では、誇張されたコンケープドショルダーや薄汚れたようなデニム、破れたオーバーサイズニットなどで退廃的なムードを演出した。
公式インスタグラム
スカイ ハイ ファーム ワークウェア
ライアン・マッギンレー(Ryan McGinley)やダッシュ・スノウ(Dash Snow)と活動を共にしたアーティスト、ダン・コーレン(Dan Colen)が10年ほど前に始めたニューヨーク州北部の農場「スカイ ハイ ファーム(Sky High Farm)」。収穫した野菜や肉はすべて寄付するというコンセプトで活動。行き過ぎてしまった資本主義を否定しながら、新しい社会貢献のモデルを創造し、より公平な食糧システムの構築を支援する。2022年に「ドーバー ストリート マーケット(Dover Street Market)」出身のダフネ・シーボルド(Daphne Seybold)を迎え、アパレルラインを始動。利益はすべて農場の運営費用に還元される。環境に配慮した方法を優先し、デッドストックやアップサイクル素材を取り入れ、その提供先には「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や「コム デ ギャルソン シャツ(COMME des GARÇONS Shirt)」といったブランドが名を連ねる。
公式インスタグラム
ジェケウン
日本の血筋を引き、中国で暮らした経験もある韓国人デザイナー、ジェケウン・チョウ(Jekeun Cho)。一般大学を卒業したが、友人に勧められたウォン・カーウァイ(Wong Kar Wai)監督の「花様年華」に感化され、憧れだったファッションデザイナーの道に転向。ロンドンへ渡り、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業、2021年秋冬に自身のブランドをスタートした。ジェケウンが強く関心を注ぐのは人間の心理。心の内側を見せるように裏地をカッティングで露出させ、脳細胞を連想させる刺繍やニッティング、サイケデリックな柄や極彩色など、素材やテクニックなどあらゆる要素で人間の心理を表現している。
公式インスタグラム
フィレオ
2019年に、当時18歳だったフィレオ・ランドスキー(Philéo Landowski)が設立したパリ発のシューズレーベル。ブランド名は古代ギリシャ語で「I love」を意味する。レザーの代わりにキャンバスや植物由来の素材を使用し、コレクションごとに二酸化炭素排出量を改善するなど、エコロジーへの影響を最小限に抑えるよう努めている。2023年秋冬コレクションでは、アイスランドから着想を経た新モデル「Azar」と「Jet」が加えられ、そして自身がアドバイザーを務める「サロモン(Salomon)」とのコラボスニーカーも登場。また、ソールの改良によって、前シーズンに比べて大幅に軽量化されたことも特筆すべきポイントだ。
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「サロモン」とのコラボスニーカー
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