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【2021年ベストバイ】ユナイテッドアローズ 栗野宏文が今年買って良かったモノ

栗野宏文 ベストバイ

栗野宏文

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栗野宏文 ベストバイ

栗野宏文

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【2021年ベストバイ】ユナイテッドアローズ 栗野宏文が今年買って良かったモノ

栗野宏文 ベストバイ

栗野宏文

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SUZUSAN ニット

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スズサン 栗野宏文

SUZUSAN ニット

栗野:これは「スズサン(SUZUSAN)」のニットです。400年の伝統がある名古屋の「有松鳴海絞り」という技術を使っているブランドで、5代目の村瀬弘行さんがドイツへ留学していた時に自身がクリエイティブディレクターとなり2008年に立ち上げました。彼がドイツの美大留学時の卒業制作で、自分の実家でやっていた絞り染めを改めて思い出し、それを自分の制作に取り入れてみたらすごく良いものが出来上がったそうなんです。元々はファッションではなく現代美術の人ですが、この技術を放っておいたら職人さんがいなくなってしまうということで、スズサンをインターナショナルブランドにすることを目指した。その結果、海外の取引が7〜8割ほどあるらしいです。

Fどこで買ったんですか?

栗野:展示会です。素材はカシミヤなんですが、まあ見ないデザインですよね(笑)。なんだかんだスズサンのものは毎年買っています。まだ詳細は言えないんですが、来年1月以降にみんながびっくりするコラボがあるので楽しみにしていてください。

スズサン 栗野宏文

F柄はインパクトありますが、ベースカラーがベージュなのでスタイリングもしやすそうです。

栗野:そうですね、グレーやカーキのパンツによく合います。こういう技が入ってるものはそれだけでサマになりますし、今日はシンプルで行こうと思ったらこれにチノパンでOKです。

LOEWE スカーフ

ロエベ 栗野宏文

LOEWE スカーフ

F最後は「ロエベ(LOEWE)」のスカーフですね。

栗野:ラグジュアリーブランドはほとんど着ないんですけど、エルメスとロエベは好きなんです。渋谷PARCOでポップアップをやった時に隣がロエベで、そこの店長がユナイテッドアローズ出身の子ですごく良いやつなんですよ。それで思わず買ってしまいました。ロエベのスカーフは発色がとても良いのが特徴ですが、これは形が良いなと。

Fひし形なんですね。

栗野:スカーフって基本的には何回も畳まないといけないところ、これは楽で良くて。まさにクイックスカーフといった感じで。

ロエベ 栗野宏文

F栗野さんと言えばスカーフのイメージあります。スカーフはロエベが1番多い?

栗野:多いのはエルメスです。

F何枚持っているんですか?

栗野:良い子は真似しないほうがいいというくらい持っています(笑)。

F夏も首に巻きますか?

栗野:分厚いシルクじゃなければ。エルメスはすごくて、コットンシルクというのをある時に出したんです。さらにコットン100%も作った。本当に僕みたいな人のニーズをよく掴んでいますよ(笑)。

ロエベ 栗野宏文

Fラグジュアリーブランドをあまり買わないのはなぜですか?

栗野:自分が広告宣伝費を払っていると思うとちょっと嫌で(笑)。もちろん納得がいくものは買いますが。展覧会「グッチ ガーデンアーキタイプ(Gucci Garden Archetypes)」にこの間行ってきたんですが、ああいった空間に入るとやっぱり欲しくなります。個人的に、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)とジョン・ガリアーノ(John Galliano)はインタビューしてみたいなと思っているので、その時はFASHIONSNAPさんよろしくお願いします(笑)。

Fガリアーノのインタビューは久しく見ていないですね。

栗野:メゾン マルジェラの2021年春夏Co-edコレクションのフィルムに出演していましたが、基本出たがらない人だから。ただアナ・ウィンター(Anna Wintour)との対談は1年前くらいにあって、それは良かったですよ。

今年を振り返って

F栗野さんは今でも現場に出て、それこそ若手デザイナーのクリエイションまでしっかり見られています。

栗野:僕からすると年齢を理由に見ないということの方がわからない。自分がおもしろいと思う限りは90歳になってもやるだろうし。渋谷PARCOで行ったポップアップでも、12日間ずっと店頭に立ちましたが、面白いバイヤーさんと知り合ったり色々な人と出会えて、改めてお店っておもしろいなと思えました。人との出会いによってアイデアも生まれて、実は来年の春夏にまたPARCOでやるんですが、みんなびっくりする仕掛けを用意しています。やれ服が売れないとか、みんなコロナのせいにし過ぎていると僕は思っていて。今回この取材を受けたのも、そんなことないよと言いたかったからなんです。確かに僕は若い人に比べたらお金はあります。けれどお金があるから買っているわけじゃなくて、好きでおもしろいから買うんです。ファッションが好きな若い人たちも変わらず服を買っていますし。

Fコロナ禍でファッション業界は悲観的になりすぎている?

栗野:世の中で言われてるほど服って捨てたもんじゃないと思います。この取材は今年買ったものというお題目があるからこのラインナップですが、僕は昔に買ったものももちろん大切に着ています。なので少しズレるところがあるんですが、この取材を通じて僕が言いたいことは「服を着るのは楽しいよ」、「自分の人生を豊かにしてくれるよ」という話。FASHIONSNAPも立場的にも同じことを思っているでしょう? そういう人がいると嬉しいなって僕は思うんです。

栗野宏文

F在宅ワークが増えてファッション消費が落ち込んだと言われています。

栗野:これまでは「衣食住」でしたが、現代人の価値観って健康→食→コミュニケーション→住→衣の順番になっている印象です。でも服はその全てに関わることが可能だと僕は思うし、日本のキャンプブームもおしゃれな人たちがやってるんですよね。キャンプ場で小洒落た格好してワインを嗜んだりするわけで、それは3年前に原宿や青山で服を買っていた人と一緒。エイチ ビューティ&ユース(H BEAUTY&YOUTH)の下にあった古着屋が今「コティ(koti)」というアウトドアの店になっていますが、それも自然な流れなわけですよ。今は買うことで終わりたくないというか、買うことが目的じゃない。所有欲じゃないんですよ。

F現代の人がファッションに求めるものは何だとお考えですか?

栗野:すごく綺麗事に聞こえるかもしれないけど、ある種の学び、成長感が大事になっているんだと思います。「うまく着こなせた」や「最近これ似合うようになったな」など変わったと実感できることが必要になっているんでしょう。僕も以前は紺×茶色のスタイリングなんて難しくて絶対にできなかったんですが、今はしっくりくるようになっていたり。自分自身が変化しているという実感が大切なんだと思います。

F個人的に「エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)」はブランドとして好きなんですが、着用してみると似合わないんですよね。もうちょっと歳をとればいけるのかもしれませんが。

栗野:それこそガーメンツは滝藤賢一さんなど渋い役者さんが好きで着てくれているわけだから1番良いよね。レッドカーペットに来る人に商品を送って着させるのとは訳が違う。

F確かに今のファッション業界はそういったインフルエンサーマーケティングばかりですね。

栗野:寂しいよね、マネーゲーム。まぁそのおかげで経済が回っているとは思うんだけど、クリエイティビティとか服自体が持つ力とかの話とだいぶ遠い。極端な話、「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」の山縣良和君なんか一生儲からなくて良いんだよ(笑)。真摯にクリエイションを追求していれば、必ず誰かが救ってくれますから。

F栗野さんは山縣さんが運営するここのがっこうをはじめ、様々なところで審査や講評をされています。

栗野:本当に面白いですよ。こんなことをやってる人がいるんだと思うと来てよかったなと毎回思います。ご存じの通り、ここのがっこうには心が病んでいる人が多いじゃないですか。でもクリエイションする事でブレイクスルーする子も多いわけです。そういった人たちに年に一回出会えて、実際話せる機会なんて、まあ普通はない。そのチャンスを与えてくれるだけで十分。山縣君なんかはきっとそのためにいる人なんだと。儲からなくていいというのはそういう意味です。

F栗野さんはファッションに新しさを求めている?

栗野:もちろん。ただ無理矢理の新しさは必要ないと思っていて。例えばアートだと、ピカソには世界がこう見えているんだというのが絵画を通じてわかったりする。ファッションも自分が見たことのない世界や普段気がついてないものを気付かせてくれますし、そういう新しさは生きていく上で誰しもが求めるものだと思います。

 あと僕は人の力を引っ張り出すのが好きで。「ワタル トミナガ(WATARU TOMINAGA)」の富永航君なんかもそうですが、クリエイションに真摯に向き合う彼らを応援したいなと思うわけです。それこそ別の対談でも話しましたが、ラグジュアリーメゾンが今持っているカードなんて、単なるバズ起こししかないわけで。「クリエイションはどこにいったんだ?」となってしまいます。

FSNSの台頭で、マーケティングデータが数値化されるようになったからこそ起きた問題ですよね。

栗野:LVMHにはもちろん期待しているんです。だからLVMHプライズの審査員もボランティアですが受けるわけで。資金とネットワークを持っている人たちがもっと先を見据えた投資をしてくれたら世の中もっと良くなるはずですから。バズによるイージーマネーを得ることにエネルギーを使いすぎじゃない? というのは業界全体に言えることだと思います。

栗野宏文
ユナイテッドアローズ上級顧問クリエイティブディレクション担当。大学卒業後、ファッション小売業界で販売員、バイヤー、ブランド・ディレクター等を経験。1989年にユナイテッドアローズ創業に参画し、販売促進部部長、クリエイティブディレクター、常務取締役兼CCO(最高クリエイティブ責任者)などを歴任し、現職。2004年に英国王立美術学院より名誉フェローを授与。LVMHプライズ外部審査員。無類の音楽好きでDJも手掛ける。

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