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今年の「サロン ド パルファン」の見どころは? 来夏のフロア改装を見据えた売り場作り

Image by: FASHIONSNAP

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 伊勢丹新宿店のフレグランスカテゴリーが好調だ。前年売上を上回った2025年度に続き、2026年度上期(4月〜9月)も、前年同期比2桁増と成長を続けている。10月8日からは、香りの魅力と奥深さを体感できる「サロン ド パルファン 2026」を今年も開催し、47ブランド、1000点以上のフレグランスアイテムが集結する。中には、2027年夏に予定する化粧品フロアのリフレッシュオープンで導入予定の新ブランドも、いち早く登場。好調のフレグランスカテゴリーを牽引する、今年のサロン ド パルファンの見どころを紹介する。

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映画のように、香りの物語を味わう

 14回目を迎える今年のテーマは「香りのシネマ」。映画とフレグランスに共通する“物語性”に着目した。担当の山崎奈々恵バイヤーは、「映画は作品ごとに物語や登場人物、世界観、そして起承転結があるように、フレグランスにもトップ、ミドル、ラストと香りの移ろいの中にそれぞれ固有のストーリーがある。調香師の思い、ブランドが発信する価値観、香料の産地や背景など、香りを形づくる多層的な物語にフォーカスした」と説明する。

 香りへの関心が高まる一方で、「選び方が分からない」「何から試せばいいか分からない」と感じる人も少なくない。そこで会場には、初心者にも香り選びの入口となるセルフテイスティングブースを設置。映画祭をイメージしたアワード形式でフレグランスを紹介し、ユニークなストーリー性を持つ「脚本賞」や、ボトルの装飾性を楽しむ「衣装賞」など、映画になぞらえた視点で提案する。

 またアイテム軸では、日本発の「コウシ(KOHSHI)」が、映画館を思わせるポップコーンの香りを会場限定で発売する。甘く香ばしいポップコーンにスパイスとバニラを重ねた、温かみのあるグルマン調だ。サロン ド パルファンの来場者には、香水ラバーも多く、グルマン系や濃厚な香りへの関心も高いとし、需要も見込む。

コウシ「キレーサ about to pop オードパルファム」(50mL 1万8700円)

 そのほか、人気ブランドからは、「ラルチザン パフューマー(L'ARTISAN PARFUMEUR)」がインセンス、アンバー、ウッドを組み合わせた新フレグランスを発売。「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)」は、水性香水「オー・トリプル」のミニボトル3種を収めたコフレを特別販売する。

ラルチザン パフューマー

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー

初上陸ブランドも集結 親しみやすさが今季のトレンド

 初登場は、日本初上陸のニッチフレグランスブランドとして、イタリア発「ニュー ノーツ(NEW NOTES)」とドイツ発「ヴァポマンダム(VAPORMUNDUM)」が揃えられた。さらに、伊勢丹新宿店で初展開となる「ロエベ パルファム(LOEWE Perfumes)」、ブランドリニューアル後国内初登場となるフランス発「メモ パリ(MEMO PARIS)」も出店する。

ニュー ノーツ

ロエベ パルファム

メモ パリ

 山崎バイヤーは、今季のフレグランス市場について、「ファッションにおけるクラシカル回帰と同様、フローラル系やメンズライクな香り、各社の原点に立ち返るような香りが出てきている。どこか親しみを感じやすい方向性の香りがトレンドだ」と分析する。

ブランド横断で提案する「セントクローゼット」

 会場には、ブランドの垣根を越えて紹介する編集ゾーン「セントクローゼット」も設置。来場者が日々のワードローブを選ぶように、気分やシーンに応じてフレグランスを選べる場として構想した。「従来、フレグランス売り場はブランドごとに構成されることが一般的だが、お客さまは必ずしもブランド名から香りを探すとは限らない。調香師や香料に込められたストーリーを起点に興味を持つ人も多い」と山崎バイヤーは語る。

 イベントテーマと連動し、物語性やクリエイターの思想が色濃く表れた、ニュー ノーツや「シャンブル サンカン ドゥ(CHAMBRE52)」「ナワズ(nowas)」「ノート ドゥ バ ドゥ パージュ(NOTES DE BAS DE PAJE)」「破天荒」「ペサドゥ(pesade)」の6ブランドが揃う。

 同ゾーンでは、三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズと協業して構築したカリキュラムを受けたフレグランス販売員が接客を担当する。特定ブランドに属さない立場から、一人ひとりの感性や好みに寄り添い、香り選びを支援する。

ノート ドゥ バ ドゥ パージュ

映画館や書店へ拡張する「出張 サロン ド パルファン」

 今年初展開となるのが、イベントの世界観を会場外にも広げる試みだ。「出張 サロン ド パルファン」として、新宿ピカデリーでは「アンリ・ジャック(HENRY JACQUES)」の特別コンテンツと、「メゾン フランシス クルジャン(Maison Francis Kurkdjian)」のドキュメンタリー映画を事前予約制で上映する。さらに、紀伊國屋書店新宿本店では小説と香りをテーマにしたフェアを、伊勢丹会館では高砂香料工業が所蔵する20世紀の香水瓶の展示を行う。映画や本など異なるカルチャーとの接点を通じ、これまで香りに触れてこなかった層にも魅力を伝える狙いだ。

 また、伊勢丹新宿店の各フロアやイセタン ミラー(ISETAN MiRROR)でも関連企画を展開する。10月7日から13日まで、本館1階 ザ・ステージではアンリ・ジャックがポップアップを開催。高知県産柚子が主役の「サ マジェステ ユズ」を伊勢丹新宿店限定で販売する。

サ マジェステ ユズ(15mL 23万6500円、30mL 37万9500円)

Image by: HENRY JACQUES

 さらに同期間、メンズ館1階では「サロン ド パルファン 2026 @ISETAN MEN’S」を開催する。伊勢丹新宿店のフレグランス売り場では、若年層に加え、男性客の増加が顕著で、男性客はフレグランスカテゴリー全体の2〜3割を占め、伸び率が高く、本館とメンズ館の買い回りも活発だという。高価格帯のラグジュアリーフレグランスに加え、手に取りやすい価格のエントリー向けブランドやボディケアアイテムも堅調に実績を伸ばしている。今回のサロン ド パルファン 2026 @ISETAN MEN’Sでは、ニッチフレグランスを中心に、香りの背景にあるストーリーやカルチャーに触れながら、自分らしい香りを探す機会を提供する。

パフューマー エイチ

2027年のリフレッシュオープンに向けて

 2027年夏の伊勢丹新宿店化粧品売り場のリフレッシュオープンで、フレグランスは現在の1階から2階に移動する。ブランド単位の売り場づくりから一歩踏み出し、香りをより自由に、より深く楽しめる環境へと刷新する。新客が増え、香りの楽しみ方そのものが多様化する中、売り場に求められる役割も「商品を選ぶ場所」から「香りと出合い、知り、楽しむ場所」へと変わりつつある。その上で、接客においても、サロン ド パルファンでブランドを横断して接客する販売員を育成したカリキュラムが、実装段階に入り、一人ひとりの感性や気分、シーンに寄り添って提案する売り場や販売員の存在も重要になる。さらには、2027年2月を目処に、社外資格としても幅を広げる。伊勢丹新宿店に留まらない、フレグランス市場全体のさらなる拡大に貢献する。

 とはいえ、日本でフレグランスを日常的に使用する人口はまだ2〜3割程度とされる。山崎バイヤーは「新規のお客さまのほうが圧倒的に多く、フレグランスカテゴリーにはまだ伸びしろがある。サロン ド パルファンは単なる販売の場ではなく、香りの文化を提唱する場。2013年の第1回から、日本に香りの文化を継承するというコンセプトを掲げてきた」と話す。サロン ド パルファンで培ってきた香りの文化を日常の売り場にも広げながら、新たなユーザーを市場へ呼び込む。伊勢丹新宿店は、フレグランス市場の次なる成長を担う売り場づくりを進めていく。

ボッテガ・ヴェネタ

最終更新日:

◾️サロン ド パルファン 2026
会場:伊勢丹新宿店 本館6階 催物場
期間:2026年10月8日(木)~10月12日(月・祝)
営業時間:10:00〜20:00 ※最終日は18:00終了

◾️アンリ・ジャック ラ メゾン エフェメール
会場:伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ
期間:2026年10月7日(水)〜10月13日(火)
営業時間:10:00〜20:00 

◾️サロン ド パルファン 2026 @ISETAN MEN'S
会場:伊勢丹新宿店 メンズ館1階 プロモーション・コスメティクス
期間:2026年10月7日(水)〜10月13日(火)
営業時間:10:00〜20:00

公式サイト

上玉利茉佑

Mayu Kamitamari

FASHIONSNAP 編集記者

鹿児島県生まれ。東京外国語大学言語文化学部スペイン語専攻卒業。同大学院でラテンアメリカ文学について学び、修士課程修了後、2024年にレコオーランドに入社。国産から外資、韓国コスメまで幅広くビューティ分野を担当する。学生時代はスペイン舞踊部でフラメンコを踊る傍ら、アメリカ・ヴァージニア州とスペイン・バルセロナへの留学経験を通して、極度の甘いもの好きになる。趣味は海外ドラマとアイドル鑑賞で、「ギルモア・ガールズ」と「フレンズ」は50回以上視聴。

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