山旅の「バックメッシュ・速乾メリノウール・Tシャツ」
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モノ選びの達人を目指し、ファッションの定番をリサーチする連載「ファッションギークへの道」。第6弾のテーマは、近年夏素材としても注目を集めている高機能天然素材「メリノウール」。従来は冬の防寒素材として知られていましたが、吸放湿性・防臭性・温度調節機能などに優れた特徴から、今や夏のTシャツやインナーの定番素材として定着しつつあります。知らないと損する、そんな"使える"メリノウールTシャツを、FASHIONSNAP独自の視点で徹底比較。第8回は、「山旅(YAMATABI)」の「バックメッシュ・速乾メリノウール・Tシャツ」をレビューします。
目次
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メリノウールTシャツ選びで押さえておくべき機能
メリノウールTシャツを選ぶ前に、まずはその特徴と機能性について理解しておきましょう。メリノウールは単なる天然素材ではなく、数々の優れた機能を持つハイパフォーマンス素材です。
温度調節機能
メリノウールの最大の特徴は、優れた温度調節機能です。寒い時には体を温め、暑い時には涼しく保ってくれる、まさに通年着用できる素材と言えるでしょう。これは繊維内部の構造による特性で、体から発せられる湿気を吸収する際に熱を発生させ、反対に湿気を放出する際には気化熱によって冷却効果をもたらします。
この特性により、季節を問わず快適な着心地を維持できるため、一年を通して活用できる点が大きな魅力です。特に気温の変化が激しい春秋や、朝晩の寒暖差が大きい季節には力を発揮します。
防臭性
メリノウールは防臭・消臭効果も持ち合わせています。これは単なるイメージではなく、科学的な根拠に基づいた特性です。ウール繊維に含まれるタンパク質(ケラチン)が汗の臭いの元となる物質を吸着し、さらに撥水性の高い表面がドライに保ち、長時間着用しても不快な臭いを発生させにくくなっています。汗をかきやすい方や、長時間の着用が必要な場面では、この防臭効果が非常に重宝します。
吸放湿性
メリノウールは吸放湿性に優れています。体から出る汗を素早く吸収し、外部に発散させる能力があるため、汗をかいた後もべたつき感が少なく、さらっとした着心地を維持できます。化学繊維の多くが持つ撥水性とは異なり、メリノウールは適度に水分を取り込みながらも過剰な湿気は外に逃がす、絶妙なバランスを持っています。
洗濯方法
メリノウールは適切に扱えば長く愛用できる素材ですが、素材の性質上、洗濯後は多少の縮みが生じる可能性があることは念頭に置いておくとよいでしょう。
100%メリノウール素材なら、その優れた機能性(吸放湿性・防臭性・肌触りの良さなど)を最大限に感じられますが、洗濯には少しコツが必要です。縮みやすかったり、形崩れしやすいので、手洗いやネット使用、陰干しなどのケアが必要です。ポリエステルなどと混紡された素材は、メリノウールの機能性はやや落ちるものの、形崩れしにくく、丈夫なのが特徴。普段使いで「とにかく楽に扱いたい!」という方にはこちらもおすすめです。
「機能性重視」か「お手入れ重視」か、自分の使い方に合わせて選びましょう。
監修:ザ・ウールマーク・カンパニー
山旅のメリノウールTシャツを徹底レビュー









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山旅のバックメッシュ・速乾メリノウール・Tシャツは、メリノウール50%、ポリエステル50%の混紡素材をベースに、背中全体と脇部分には、より乾きの早いメリノウール50%、ポリエステル47%、ポリウレタン3%のメッシュ素材を備えています。この独特の素材構成により、発汗量の多いアクティビティでも快適性を維持し続けることができます。
着心地と透け感
着心地は非常に良好。縫製にはフラットシーマーという特殊な縫製技術が用いられており、縫い目が肌に当たっても違和感がなく、またウール特有のチクチク感がほとんど感じられませんでした。素材には独特の光沢があり、透け感がほとんどありません。そのためチク透けレベル*は「1」とします。
*チク透けレベル とは?
男性にとってTシャツ選びの重要ポイントでもある"乳首透け"を3段階で評価した独自指標
1 - 全く透けない / 2 - やや透ける / 3 - 結構透ける
生地の透け感を動画でチェック Video by FASHIONSNAP
着用感を動画でチェック Video by FASHIONSNAP
耐久性と洗濯のしやすさ
洗濯機で洗うこともできますが、洗濯の際は必ずネットに入れ、30度以下の弱い水流でやさしく洗うことを心がけましょう。また、漂白剤の使用やタンブル乾燥は避け、洗い終わったら日陰で吊るして干すのがおすすめです。アイロンをかける場合は、スチームを使わず低温(110度まで)で軽く仕上げましょう。
サイズ感
今回検証したTシャツは、グレーとネイビーの2色展開で、サイズはXS、S、M、Lの4サイズを用意。身長171cm、体重55kgの編集部員がTシャツのMサイズを着てみると、体のラインにフィットする適度なシルエット。首回りはやや詰まり気味の設計で、単体で着るには窮屈な印象ですが、ベースレイヤーとして取り入れるなら違和感なく着用できます。体にぴったりとしたサイズ感が好みの方はワンサイズ小さいサイズを、ややゆとりを持たせたい方はジャストサイズを選ぶとよいでしょう。



※モデル身長:170cm
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詳しいサイズ表はこちら。

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価格
価格は1万2980円。初めてメリノウール製品を試す方には少し敷居が高く感じられるかもしれませんが、その着心地と機能性、そして背中と脇のメッシュ構造による快適性を体験すれば、その価値を十分に実感できるはずです。

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【連載:ファッションギークへの道】
■メリノウールTシャツ編
vol.1「モンベル」
vol.2「アークテリクス」
vol.3「アークテリクス ヴェイランス」
vol.4「アイスブレーカー」
vol.5「パタゴニア」
vol.6「マーモット」
vol.7「ミズノ」
vol.8「山旅」
vol.9「アメリヤス」
vol.10「メーカーズシャツ鎌倉」
vol.11「デミルクス ビームス」
■汗染み防止Tシャツ編
vol.1「エディフィス」
vol.2「無印良品」
vol.3「ジャーナルスタンダード」
vol.4「ロペ」
vol.5「ナノユニバース」
vol.6「アーバンリサーチ ドアーズ」
vol.7「ビューティーアンドユース」
vol.8「エルーラ」
vol.9「ユアーズ」
■夏用インナー編
vol.1「ユニクロ」
vol.2「無印良品」
vol.3「ブロスバイワコールメン」
vol.4「グンゼ」
vol.5「ワークマン」
vol.6「しまむら」
vol.7「ゴーヘンプ」
vol.8「ミズノ」
vol.9「モンベル」
■リカバリーサンダル編
vol.1「ウーフォス」
vol.2「キーン」
vol.3「テンシャル」
vol.4「サロモン」
voi.5「テリック」
vol.6「リグ フットウェア」
vol.7「ザ・ノース・フェイス」
vol.8「キナー」
vol.9「ホカ」
vol.10「コロンビア」
vol.11「ダナー」
■白T編
vol.1「Hanes Red Tag」
vol.2「FRUIT OF THE LOOM」
vol.3「UNIQLO」
vol.4「RED KAP」
vol.5「PRADA」
vol.6「anvil」
vol.7「無印良品」
vol.8「Hanes Blue Tag」
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vol.10「Champion」
vol.11「Supreme × Hanes」
vol.12「FilMelange」
vol.13「Healthknit」
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vol.16「ANATOMICA」
vol.17「GILDAN」
vol.18「COMME des GARÇONS SHIRT」
vol.19「ACNE STUDIOS」
vol.20「HEAVY WEIGHT COLLECTIONS」
vol.21「United Athle」
vol.22「Hanes Gold Tag」
vol.23「VALENTINO」
vol.24「Carhartt」
vol.25「COTTON STAFF」
vol.26「visvim」
vol.27「Hanes T-SHIRTS Japan Fit」
vol.28「CROSS STITCH」
vol.29「Printstar」
vol.30「ONEITA」
■白シャツ編
vol.1「INDIVIDUALIZED SHIRTS」
vol.2「無印良品」
vol.3「MARGARET HOWELL」
vol.4「N.HOOLYWOOD」
vol.5「THOM BROWNE」
vol.6「A.P.C.」
vol.7「ENGINEERED GARMENTS WORKADAY」
vol.8「PAUL SMITH」
vol.9「Gap」
vol.10「BEAMS PLUS」
vol.11「TOMORROWLAND」
vol.12「JIL SANDER」
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vol.20「GUCCI」
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