
ジャーナル スタンダードの「US コットン 14S 汗染み 防止 無地Tシャツ」
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モノ選びの達人を目指し、ファッションの定番をリサーチする連載「ファッションギークへの道」。第7弾のテーマは、汗染みが目立たない高機能Tシャツ「汗染み防止Tシャツ」。近年、ビジネスシーンや真夏の街着として注目を集めています。素材や構造の進化によって、快適さと清潔感を両立できる汗染み対策Tシャツをブランド別に徹底比較。見た目・着心地・サイズ感のリアルな使用感を、FASHIONSNAP独自の視点でレビューしていきます。第3回は、「ジャーナル スタンダード(JOURNAL STANDARD)」の「US コットン 14S 汗染み 防止 無地Tシャツ」。
目次
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汗染み防止Tシャツ選びで押さえておくべき機能
汗染み防止Tシャツを選ぶ前に、まずはその特徴と機能性について理解しておきましょう。一言で「汗染み防止Tシャツ」といってもその加工方法は多岐にわたります。
吸水速乾と汗染み防止の違いは?
「吸水速乾」は汗を素早く乾かす機能が主目的。一方「汗染み防止」は、汗で生地の色が変わるのを防ぎ、見た目を重視した機能です。目的が異なるため、選ぶ際は注意しましょう。なお、汗染み“防止”と“軽減”は景品表示法の観点による表現の強さの違いで、明確な基準はありません。
汗染み防止Tシャツの基本メカニズム
汗染み防止Tシャツは、大きく3つの加工方法に分けることができます。
- ディスノーティス®︎加工:富士紡ホールディングスが開発した汗染みを目立たなくする加工。1枚の生地で裏側(吸水)と表側(撥水)の加工方法を変えたもの。他の加工と比較しても、風合いが自然で薄手なのもうれしいポイント。
- 二層構造:裏側と表側で別々の素材で層を構成したもの。表側には撥水加工を施したポリエステル素材、裏側には汗を吸収しやすい綿素材などを使用する。効果は高いが、他の加工と比べると生地が厚くなる傾向があるため夏は暑く感じることも。
- ラミネート加工:表面に樹脂の層をまとわせ、水が表に出ないようにする方法。主に登山用のギアなどに用いられる加工です。水を通さないため他の加工と比べると汗染み防止効果は高いが、通気性が悪くなり、蒸れやすくなるという欠点がある。
通気性と撥水性のバランス
ラミネート加工など、撥水性を高めると通気性が落ち、蒸れやすくなります。一方で、繊維1本1本にコーティングする方法は風合いを損なわず通気性も保てますが、汗染み防止力はやや低下します。一般的にTシャツ生地が厚手だったり、張り感がある素材の場合は汗染み防止効果重視、そうでないものは通気性重視と覚えておくといいでしょう。
耐久性、汗染み防止Tシャツは洗濯で劣化する?
一般的なブランド商品は30〜50回の洗濯、1〜2シーズンの着用を想定して作られています。近年は撥水加工剤の性能が上昇していることもあり、洗濯によって大きく性能が低下するものが少なくなっているのも事実です。しかし、撥水加工に洗濯洗剤の残留は大敵。洗剤のすすぎ残しは撥水効果を失わせて汗じみの原因になるので、適量を守ってしっかりすすぎましょう。
汗の質による違い
汗の塩分濃度が高いと、繊維内で広がりにくく、濃く見えやすい傾向があります。サラサラした汗は広がりやすく、色も薄く見えます。汗の質によって見え方が変わる点も覚えておきましょう。
汗染み防止Tシャツを選ぶ際に見ておくべき指標は?
汗染み防止Tシャツを選ぶときは、カケンテストセンターで行われている「汗じみの見えにくさ試験」の等級表示をチェックしましょう。特に4級以上と記載されていれば、近づいてよく見ない限り汗染みが目立たないくらいの効果が期待できます。次に注目したいのが生地の厚みや張り感。薄手で張り感がないものは通気性重視、あるものは汗染み防止効果重視の傾向があります。自分の好みや使うシーンに合わせて選びましょう。さらに、大手や品質に定評のあるブランドを選ぶと、しっかりとした加工やテストがされているため安心です。「等級表示」「素材感」「ブランド」以上の3つを意識して選ぶことで、自分に合った汗染み防止Tシャツが見つかります。
監修:カケンテストセンター
ジャーナル スタンダードの汗染み防止Tシャツを徹底レビュー




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今回は、ジャーナル スタンダードのUS コットン 14S 汗染み 防止 無地Tシャツを検証します。女性も男性も着こなせるシンプルなデザインで、毎シーズン大ヒットだという汗ジミ防止Tシャツの実力は?
汗染み防止レベルは?
100%綿素材のTシャツで、風合いは非常に自然。裏地にも表地にも撥水加工が施されているようで、裏地に水をかけてもすぐにはじかれました。そもそも水を吸わないことが確認できたので、汗染み防止レベルは「3」と評価します。
汗染み防止レベル とは?
実際にTシャツの裏地に水を吸わせた後、表地に“シミ”ができるかを検証し3段階で評価した独自指標
1 - 結構染みる / 2 - やや染みる / 3 - 全く染みない
汗染み防止レベルを動画でチェック Video by FASHIONSNAP

表地の撥水力
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素材と着心地
USコットンを使用した柔らかな肌触りを感じました。生地はやや厚手でしっかりとした生地感があり、透け感も気になりません。また、適度な伸縮性もあるため、動きやすさも確保されています。撥水加工が施されていますが、光沢感はなく、自然な風合いを保っているのもうれしいポイントです。
生地の透け感を動画でチェック Video by FASHIONSNAP

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サイズ感
今回検証したTシャツは、ブラック、グレー、ホワイト、ホワイトA、サックスブルー、オレンジの6色展開で、サイズはS、M、L、XLの4サイズを用意。身長170cmの編集部員がTシャツのMサイズを着てみると、程よく余裕のあるリラックスフィットのシルエットになりました。肩のラインが自然に落ち、ゆとりがあるものの野暮ったさを感じない絶妙なサイズ感です。スッキリとしたシルエットを求める方は、ワンサイズ下を検討することをおすすめします。



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着用感を動画でチェック Video by FASHIONSNAP
詳しいサイズ表はこちら。

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価格
価格は税込6930円と、汗染み防止Tシャツとしては比較的高めの価格設定。しかし、高品質なUSコットンを使用し、汗染み防止機能も備えていることを考えると、品質と機能性のバランスがとれた価格といえるでしょう。一日中快適に過ごせるTシャツとして考えれば、コストパフォーマンスは決して悪くありません。「この夏、汗染み防止Tシャツを取り入れてみたい」という方にとって、少し投資が必要なアイテムですが、デザイン性の高さと機能性を両立させたい方には満足できる一枚になるでしょう。

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【連載:ファッションギークへの道】
■汗染み防止Tシャツ編
vol.1「エディフィス」
vol.2「無印良品」
vol.3「ジャーナルスタンダード」
vol.4「ロペ」
vol.5「ナノユニバース」
vol.6「アーバンリサーチ ドアーズ」
vol.7「ビューティーアンドユース」
vol.8「エルーラ」
vol.9「ユアーズ」
vol.10「ティティベイト」
vol.11「クリフメイヤー」
■メリノウールTシャツ編
vol.1「モンベル」
vol.2「アークテリクス」
vol.3「アークテリクス ヴェイランス」
vol.4「アイスブレーカー」
vol.5「パタゴニア」
vol.6「マーモット」
vol.7「ミズノ」
vol.8「山旅」
vol.9「アメリヤス」
vol.10「メーカーズシャツ鎌倉」
vol.11「デミルクス ビームス」
■夏用インナー編
vol.1「ユニクロ」
vol.2「無印良品」
vol.3「ブロスバイワコールメン」
vol.4「グンゼ」
vol.5「ワークマン」
vol.6「しまむら」
vol.7「ゴーヘンプ」
vol.8「ミズノ」
vol.9「モンベル」
■リカバリーサンダル編
vol.1「ウーフォス」
vol.2「キーン」
vol.3「テンシャル」
vol.4「サロモン」
voi.5「テリック」
vol.6「リグ フットウェア」
vol.7「ザ・ノース・フェイス」
vol.8「キナー」
vol.9「ホカ」
vol.10「コロンビア」
vol.11「ダナー」
■白T編
vol.1「Hanes Red Tag」
vol.2「FRUIT OF THE LOOM」
vol.3「UNIQLO」
vol.4「RED KAP」
vol.5「PRADA」
vol.6「anvil」
vol.7「無印良品」
vol.8「Hanes Blue Tag」
vol.9「SUNSPEL」
vol.10「Champion」
vol.11「Supreme × Hanes」
vol.12「FilMelange」
vol.13「Healthknit」
vol.14「JIL SANDER」
vol.15「Hanes BEEFY」
vol.16「ANATOMICA」
vol.17「GILDAN」
vol.18「COMME des GARÇONS SHIRT」
vol.19「ACNE STUDIOS」
vol.20「HEAVY WEIGHT COLLECTIONS」
vol.21「United Athle」
vol.22「Hanes Gold Tag」
vol.23「VALENTINO」
vol.24「Carhartt」
vol.25「COTTON STAFF」
vol.26「visvim」
vol.27「Hanes T-SHIRTS Japan Fit」
vol.28「CROSS STITCH」
vol.29「Printstar」
vol.30「ONEITA」
■白シャツ編
vol.1「INDIVIDUALIZED SHIRTS」
vol.2「無印良品」
vol.3「MARGARET HOWELL」
vol.4「N.HOOLYWOOD」
vol.5「THOM BROWNE」
vol.6「A.P.C.」
vol.7「ENGINEERED GARMENTS WORKADAY」
vol.8「PAUL SMITH」
vol.9「Gap」
vol.10「BEAMS PLUS」
vol.11「TOMORROWLAND」
vol.12「JIL SANDER」
vol.13「Polo Ralph Lauren」
vol.14「SOPHNET.」
vol.15「THE」
vol.16「SCYE BASICS」
vol.17「KICS DOCUMENT」
vol.18「UNIQLO」
vol.19「digawel4」
vol.20「GUCCI」
vol.21「visvim」
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